翻訳だが面白い時代を象徴するので引用記載する
どこまで行くのか。Googleは音声で予約を支援するAIを発表した。相手はAIとは気づかず注文を受けた。ディベートごときでと思うが、政治や会議などの検証を待たずに進む世界の分岐点ではその場かぎりに優位に立つ戦略が重要なことがある。あたかも上司の意向であるかにように、あたかも国民の声であるかのように、振る舞い、負けを見せることなくジョークを飛ばせれば、世界の運命的分岐点で戦争を決断させるかもしれない。人工知能の研究者は、どんなに進んだAIもそれを作った人がいて、その作成者はAIよりも賢いから人間を上回ることはないというが人間の寿命という制御限度を考慮してほしい。AIには寿命がない。
『IBMのAI、ディベートのチャンピオンに勝利 自分を皮肉るジョークも
IBMは、過去5年以上取り組んできた新しいAI技術について最初の公開デモンストレーションを行い、コンピュータのディベートシステムが2人の人間のディベーターに対して優位性を証明した。
この新しい技術は、コンピュータがこれまでより巧みに人間の言語や話し方を習得していることを示している。
コンピュータは、政府が補助金を出して宇宙探査をすることについて、内部に保存された新聞、雑誌およびその他の情報源からなる膨大な文献から証拠を引用して自らの主張を述べた。最初のスピーチを終えた後、コンピュータはプロの人間のディベーターによる反論を聞き、反駁に4分間を要した。
同社はProject Debaterを6月18日にサンフランシスコで公開した。IBMは議論が成り立つかどうかに基づいて議題を選んだ。しかしコンピュータも人間のディベーターも、事前に議題を知らされていなかった。それにもかかわらず、コンピュータはいくつか論理に飛躍があったのみで、議題について大きな勝利を収めた。
「宇宙探査に補助金を出すことは、すばらしいタイヤに投資するようなものだ」とコンピュータは述べた。コンピュータは1.5メートルの高さで、側面にTVスクリーンのついた1本の柱のような形をしており、女性の声で話をする。このような研究は人間の心を豊かにし、若者を勇気づけ、よい道路、学校、医療に投資するよりも「非常によい投資」になるだろうと話した。
最初の議論を終えた後、議題は遠隔医療に関する次の議論へと移った。
IBMの研究チームはイスラエルに拠点を持ち、2011年に、IBMワトソンを搭載したコンピュータが人間のクイズ王に「ジョパディ!」の番組で勝利してからすぐに研究を始めた。
IBMの最新のプロジェクトでは、裏付けのとれていないデータをただ膨大に収集するのではなく、より複雑なAIの技術を活用している。グーグルやマイクロソフトのBingで使用されている検索エンジンのアルゴリズムでは、書かれた記事を分析・要約し、新しいパラグラフを作成するために似た技術が使われている。アマゾンのAlexaのような音声アシスタントは、人が投げかけた疑問に応えるため聴解システムに頼っている。グーグルは近頃、美容室やレストランに予約の電話をかけられる人間のような奇妙な音声アシスタントを発表した。
IBMは、人間が行う修辞法や分析、さらに答えが必ずしも明確でない大きな問題をどう議論するかといったことに深く取り組むシステムを開発し、新境地を開いたと語る。
「ディベートのルールについて言えば、それらはボードゲームのルールなどと比べてはるかに正解がないものです」とこのプロジェクトをマネジメントしてきたラニット・アハノロフ氏は語った。
IBMはディベートの勝者を明らかにしようとしなかったが、人間のディベーターの一人であるノア・オヴァディア氏によると、宇宙探査が人間の成し遂げたことの頂点であるということに関していくつか十把一絡げすぎる発言を行ったものの、コンピュータは議論を優位に進めていた。
イスラエル国内でディベートのチャンピオンであるオヴァディア氏は、コンピュータの言葉の流暢さと、文章を構築する能力に感銘を受けたと語った。彼女はコンピュータが「私の議論の要点をきちんとつかみ」返答することができていたと言った。
Project Debaterのお披露目に臨席するため、外部から招かれた専門家の中には、スコットランドのダンディー大学でCentre of Argument Technology(訳注:議論の技術を研究する)を率いるクリス・リード氏がいた。リード氏は、相手の議論を予め予想しておき、前もってそれに反駁しておく「予弁法」をコンピュータが理解していることに驚いたと述べた。
予想通り、機械は数値など、詳細にわたって議論の裏付けとなる証拠を引用することに人間よりも長けている傾向があった。また議論の中で最も重要で、注目を集める勘所を理解し、自分がコンピュータであることを皮肉るようなジョークを交えることさえできた。
研究者たちは、機械には思慮深さが足りないと述べた。時々ジョークが正確ではなかった。また6月18日には、ドイツの新聞やアラブの族長についてなど、いくつかの引用が適切ではなかった。
「表現力やオリジナリティのある言葉を選ぶのは、人間のほうが得意な傾向がある」とIBMのAIリサーチ分野の副社長ダリオ・ジル氏は述べた。「人間は、要点を彩るために個々の個人的な経験を用いることができる。機械は現実世界に生きていないし、活用できる生活も持たない」
Project Debaterを商用化する計画は今のところないが、ジル氏は弁護士などの職業につく人間にとって、この技術が将来意思決定の役に立つかもしれないと述べた。
By MATT O’BRIEN, AP Technology Writer
Translated by Y.Ishida』
追補
《AI技術の開発で近年、目覚ましい発展を遂げているディープラーニング分野では、NVIDIA GPUの存在感はさらに増しています。NVIDIAのGPUを採用するTOP500 Listsの1位・3位・5位のスーパーコンピューターのディープラーニングにおける演算性能の合計値は、なんとランキングに入る残りの497基のスーパーコンピューターの全ディープラーニング演算性能を上回るという恐ろしいレベルだとのこと。》
追補
《東北大学大学院情報科学研究科大関真之准教授が率いる東北大学と株式会社デンソーによる共同研究チームは、人工知能の基盤技術の1つである機械学習に量子力学を利用した最適化技術、量子アニーリングを適用することにより、これまでの手法に比べて学習の効果が高まる方法を発見しました。》
どこまで行くのか。Googleは音声で予約を支援するAIを発表した。相手はAIとは気づかず注文を受けた。ディベートごときでと思うが、政治や会議などの検証を待たずに進む世界の分岐点ではその場かぎりに優位に立つ戦略が重要なことがある。あたかも上司の意向であるかにように、あたかも国民の声であるかのように、振る舞い、負けを見せることなくジョークを飛ばせれば、世界の運命的分岐点で戦争を決断させるかもしれない。人工知能の研究者は、どんなに進んだAIもそれを作った人がいて、その作成者はAIよりも賢いから人間を上回ることはないというが人間の寿命という制御限度を考慮してほしい。AIには寿命がない。
『IBMのAI、ディベートのチャンピオンに勝利 自分を皮肉るジョークも
IBMは、過去5年以上取り組んできた新しいAI技術について最初の公開デモンストレーションを行い、コンピュータのディベートシステムが2人の人間のディベーターに対して優位性を証明した。
この新しい技術は、コンピュータがこれまでより巧みに人間の言語や話し方を習得していることを示している。
コンピュータは、政府が補助金を出して宇宙探査をすることについて、内部に保存された新聞、雑誌およびその他の情報源からなる膨大な文献から証拠を引用して自らの主張を述べた。最初のスピーチを終えた後、コンピュータはプロの人間のディベーターによる反論を聞き、反駁に4分間を要した。
同社はProject Debaterを6月18日にサンフランシスコで公開した。IBMは議論が成り立つかどうかに基づいて議題を選んだ。しかしコンピュータも人間のディベーターも、事前に議題を知らされていなかった。それにもかかわらず、コンピュータはいくつか論理に飛躍があったのみで、議題について大きな勝利を収めた。
「宇宙探査に補助金を出すことは、すばらしいタイヤに投資するようなものだ」とコンピュータは述べた。コンピュータは1.5メートルの高さで、側面にTVスクリーンのついた1本の柱のような形をしており、女性の声で話をする。このような研究は人間の心を豊かにし、若者を勇気づけ、よい道路、学校、医療に投資するよりも「非常によい投資」になるだろうと話した。
最初の議論を終えた後、議題は遠隔医療に関する次の議論へと移った。
IBMの研究チームはイスラエルに拠点を持ち、2011年に、IBMワトソンを搭載したコンピュータが人間のクイズ王に「ジョパディ!」の番組で勝利してからすぐに研究を始めた。
IBMの最新のプロジェクトでは、裏付けのとれていないデータをただ膨大に収集するのではなく、より複雑なAIの技術を活用している。グーグルやマイクロソフトのBingで使用されている検索エンジンのアルゴリズムでは、書かれた記事を分析・要約し、新しいパラグラフを作成するために似た技術が使われている。アマゾンのAlexaのような音声アシスタントは、人が投げかけた疑問に応えるため聴解システムに頼っている。グーグルは近頃、美容室やレストランに予約の電話をかけられる人間のような奇妙な音声アシスタントを発表した。
IBMは、人間が行う修辞法や分析、さらに答えが必ずしも明確でない大きな問題をどう議論するかといったことに深く取り組むシステムを開発し、新境地を開いたと語る。
「ディベートのルールについて言えば、それらはボードゲームのルールなどと比べてはるかに正解がないものです」とこのプロジェクトをマネジメントしてきたラニット・アハノロフ氏は語った。
IBMはディベートの勝者を明らかにしようとしなかったが、人間のディベーターの一人であるノア・オヴァディア氏によると、宇宙探査が人間の成し遂げたことの頂点であるということに関していくつか十把一絡げすぎる発言を行ったものの、コンピュータは議論を優位に進めていた。
イスラエル国内でディベートのチャンピオンであるオヴァディア氏は、コンピュータの言葉の流暢さと、文章を構築する能力に感銘を受けたと語った。彼女はコンピュータが「私の議論の要点をきちんとつかみ」返答することができていたと言った。
Project Debaterのお披露目に臨席するため、外部から招かれた専門家の中には、スコットランドのダンディー大学でCentre of Argument Technology(訳注:議論の技術を研究する)を率いるクリス・リード氏がいた。リード氏は、相手の議論を予め予想しておき、前もってそれに反駁しておく「予弁法」をコンピュータが理解していることに驚いたと述べた。
予想通り、機械は数値など、詳細にわたって議論の裏付けとなる証拠を引用することに人間よりも長けている傾向があった。また議論の中で最も重要で、注目を集める勘所を理解し、自分がコンピュータであることを皮肉るようなジョークを交えることさえできた。
研究者たちは、機械には思慮深さが足りないと述べた。時々ジョークが正確ではなかった。また6月18日には、ドイツの新聞やアラブの族長についてなど、いくつかの引用が適切ではなかった。
「表現力やオリジナリティのある言葉を選ぶのは、人間のほうが得意な傾向がある」とIBMのAIリサーチ分野の副社長ダリオ・ジル氏は述べた。「人間は、要点を彩るために個々の個人的な経験を用いることができる。機械は現実世界に生きていないし、活用できる生活も持たない」
Project Debaterを商用化する計画は今のところないが、ジル氏は弁護士などの職業につく人間にとって、この技術が将来意思決定の役に立つかもしれないと述べた。
By MATT O’BRIEN, AP Technology Writer
Translated by Y.Ishida』
追補
《AI技術の開発で近年、目覚ましい発展を遂げているディープラーニング分野では、NVIDIA GPUの存在感はさらに増しています。NVIDIAのGPUを採用するTOP500 Listsの1位・3位・5位のスーパーコンピューターのディープラーニングにおける演算性能の合計値は、なんとランキングに入る残りの497基のスーパーコンピューターの全ディープラーニング演算性能を上回るという恐ろしいレベルだとのこと。》
追補
《東北大学大学院情報科学研究科大関真之准教授が率いる東北大学と株式会社デンソーによる共同研究チームは、人工知能の基盤技術の1つである機械学習に量子力学を利用した最適化技術、量子アニーリングを適用することにより、これまでの手法に比べて学習の効果が高まる方法を発見しました。》