公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

書評 「ロスチャイルド家」 横山三四郎 (著)

2015-01-10 20:46:40 | 今読んでる本
まずはいつものように引用から
「運河株の買収はフランス政府に知られず 、迅速 、かつ極秘のうちに取引しなければならない 。株売却はすでにフランス側にも提案されており 、議会に相談する余裕はないとみたディズレリーは 、閣議の白紙委任を取り付けるとともに 、ヴィクトリア女王に報告して取引を進めた 。資金四〇〇万ポンドの出所はもちろんロスチャイルド家であり 、担保はイギリス政府だった。」



「もちろん私たちはこの間 、自由放任の歯止めのない経済が国民国家と結び付いてこの地上にどのような悲惨 、悲劇をもたらしたかを目撃してきた 。また資本というものがライバルとの競争に勝ち 、利潤を得るためには手段を選ばないものであることも 、ロスチャイルド家の歴史を通じて見てきただけに決して無邪気ではいられない 。だが現代が昔と同じではないことも確かである 。今日の世界の多くの国々は民主的な政治制度によって成り立ち 、いまや地球規模で経済問題を話し合って 、交易の動きを見守り 、制御する世界貿易機関のような仕組みを編み出した 。角をためて牛を殺さず 、角 (利潤を求める資本の特性 )を伸ばし 、牛 (資本 )を元気にして社会を豊かにするやり方である 。グロ ーバル経済の時代は私たちが資本と多国籍企業を制御するだけの知恵と力を得たことによって到来した 。ロスチャイルド家の謎を解く鍵はようやくみえてきたのではあるまいか 。」



(デール・カーネギーは著書「人を動かす」において、幸福な結婚についてのエピソードとしてディズレーリ夫妻の「私がおまえと一緒になったのは、結局、財産が目当てだったのだ」「そうね。でも、もう一度結婚をやり直すとしたら、今度は愛を目当てにやはりわたしと結婚なさるでしょう」というやりとりを紹介している。)


こういうグローバル経済信者の性善説を頭から否定したくないが、手段を選ばないロスチャイルド家の歴史をこれだけ調べて、担保を国家としたロスチャイルド家の汚点を過去のものとできる、著者の論理はあまりに情緒的なのか私が容赦ないのか。決める気力、今日は出てこない。



PS
ウクライナ債権についてこのようなニュースが流れている。『米駐在のポートフォリオマネジャーは「ロスチャイルドが債権者団体として参加しないかと尋ねてきたが、われわれは断った」と明らかにしたうえで、「依然として戦争中にある国の債務を適切に分析できない」と説明した。この関係筋は事態が流動的であることを理由に匿名を希望した。』まさに戦争ビジネスの代理店ロスチャイルドの面目躍如だ。
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