これは重大な疑惑というか既に専門家の間ではAβがアルツハイマーの主犯という見方はない。せいぜい犯人の足跡ではないか程度。
レスネが執筆した合計20本の「疑わしい論文」を特定し、そのうち10本がアミロイドβ*56に関係するものであったとScienceは伝えている。同誌はレスネの不正行為や詐欺を主張するには至っていないが、改竄の有無を確認するにはオリジナルの画像を調査する必要があると指摘した。
論文捏造でアルツハイマー研究の基礎が揺らいでいます。
米国ヴァンダービルド大学(Vanderbilt University)のマシュー・シュラグ氏(Matthew Schrag)と学術誌『Science』をはじめとした調査により、アルツハイマー病研究に最も強い影響を与え、アルツハイマー病の原因がアミロイドβであることを強く示した『Nature』に掲載された論文に、捏造の可能性が示唆されました。
もし捏造が事実であるなら、これまでアミロイドβをターゲットにした製薬会社の投資やアミロイドβの研究に熱意を注いだ研究者たちの努力の多くが危機にさらされるでしょう。
今回の調査の中心人物であるシュラグ氏は「論文を作成するために誤魔化すことができる。学位を取るために誤魔化すこともできる。助成金を得るために誤魔化すことも可能だ。しかし病気を治すには誤魔化しは効かない」と述べています。
しかしシュラグ氏らは、いったいどんな経緯で捏造に気付いたのでしょうか?
今回は一連の出来事を可能な限り詳しく説明し、不正の実態を明らかにしたいと思います。
疑いがかけられている『Nature』の論文は2006年に発表されたもので、現在論文には注釈が付けられ詳しい調査が進行中であると記されています。