暗号化されたデータストリームと純粋な量子エントロピーを区別する検出アルゴリズムが存在しない。ダン・カミンスキー
わたしの理解は、暗号化されたデータストリームと純粋な量子エントロピーを区別する検出アルゴリズムが存在しない。これを簡単に言えば真空にさえ背景ノイズがあり、データによるノイズと区別できないので宇宙に隠された変数をデータ探索して見つけられるのであれば完全な暗号は宇宙にあるということだ。
目的には次の三段階があります。下層から順に、
原始的目的 個別の意図からなる目的 主観的
構成的目的 手段との組合せからなる目的 客観的
存在論的目的 目的が存在及び生成と一致する目的 概念的 目的=存在
カミンスキーの議論は、構成的目的(構造主義の科学再定義はこの段階に退化することが論旨なのでここでは相手にしない)の上の層にある、科学の目的はノイズから変数を取り出し決定することにより世界を冗長なノイズや偶然ではないデータ圧縮を実現することです。さて一部分とはいえ、ある程度冗長なデータではない自然の数学的実体がわかったとして、私の予想では科学の目的は人間存在の意味の発見には向かいません。むしろ存在論の側から見ると科学の目的は逆に究極の数理による覚醒状態を通じて宇宙と一体になり人間ではなくなることです。それはある意味、生きながらの死であり、人間性の全喪失です。科学から人類が利益を得られるから科学に投資するというのは一種の功利主義です。発見の喜びを満たすためというのは公益の皮をかぶった個人主義、つまり利己主義です。科学はこういう人間の臭みとは無縁な目的=存在を持っています。人間を通じた覚醒という宇宙の目的の前には人間は道具にすぎません。生きている人間自身は有限であり、部分的であり、決して目的=存在とはなり得ないのです。
もともと我々は無として生まれ、少なくとも無という一つの連結、空集合を持つ。結論を仮定で申せば、この非存在の連結が私自身と言う観念の存在原因、原初的私である。
この原初的私は私であるが見ることはできない。しかし有意義なことは肉体的私はある時点で有限性を超えていたということであり、見えなくても存在=目的の状態に達していたという構図を思わせる。ヘーゲルのアン ウント フュール ジッヒは到達ではなく起源であったとするのが正しいと思うのみ。