カズオ・イシグロさんの「日の名残り」を読みました。彼は長崎生まれですが、5歳の時にイギリスに両親とわたり、イギリスで教育を受けイギリス国籍で妻もイギリス人。幼い頃の日本の記憶はうっすらとあるものの、ほとんど中身もイギリス人と言ってよい人です。「日の名残り」は栄華を誇った大英帝国時代のイギリス貴族の館、ダーリントン・ホールで、父親の代から長年、執事としてダーリントン卿に仕えたミスター・スティーブンスが、現在のダーリントン・ホールの主人、アメリカ人のファラディから自分がアメリカに行っている間、旅行に行くよう薦められ、イギリス西部に主人のフォードを借りて、旅に出たことから物語が始まります。2つの大戦の間に、ダーリントン・ホールで秘密裏に行われた政府要人による会議に執事という立場で、立ち会ったミスター・スティーブンス。多くの使用人の長として、目配り、心配りを欠かさなかった有能な執事だった彼は、主人亡きあと、屋敷が売りに出され、屋敷と共に次の主に仕えることになった。しかし、多く居た使用人たちは、ほかへ移ってしまい、残った使用人はほんのわずか。屋敷の運営は人出不足で、とても昔のようにはいかなかった。また、彼自身も年老いて、かつてはしたことのないミスをしたりするようになっていた。そんなある日、遙か昔にダーリントン・ホールで女中頭をしていたミス・ケントンから手紙を受け取った彼は、数十年ぶりに彼女に会うため旅に出た。もしかして、ミス・ケントンはダーリントン・ホールに戻りたいのではないかという淡い期待を胸に抱きながら。道中、スティーブンスが思い出す昔のダーリントン・ホール。敬愛するダーリントン卿。忙しい毎日の仕事を互いに助け合ったミス・ケントンとのエピソード。いろいろな出来事、行動、考え方など、古き良きイギリスを彷彿させる内容です。階級社会のイギリスらしさがいっぱい詰まっています。とても礼儀正しく、くそまじめで、頭が固い。仕事に誠実であるが故の融通のなさ。女心がわからない堅物。執事という仕事は、イギリスが発祥だそうで、なるほどという感じです。イシグロさんは、この作品で英国最高の文学賞であるブッカー賞を受賞しました。
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