トドの小部屋

写真付き日記帳です。旅行記、本や美術展の紹介、俳句など好きなことをつれづれに。お気軽にどうぞ。

PLAN75

2023-03-25 11:42:58 | 映画
WOWOWの「W座からの招待状」で早川千絵監督の映画「PLAN75」を観ました。近未来の日本。少子高齢化がますます進んだ日本では、増大する老人人口を支える若者の負担がまし、社会問題になっていた。政府は75歳以上の高齢者が生死を選択できる制度を法律で認め、死を希望する高齢者は、PLAN75の申請窓口で申し込むことにより、安楽死をすることができる世の中になっていた。主人公の角谷ミチを演じたのは倍賞千恵子。78歳のミチは夫に先立たれ、一人暮らし。子供もいない。ホテルの客室清掃の仕事をしていたが、高齢を理由に同じ年ごろの仲間2人と同時に解雇されてしまう。更に賃貸アパートも更新できなくなり、新たな賃貸住宅を借りることも簡単にはいかない。生活保護を受けるよう勧められたりするのだったが、「もう少し頑張ってみます」といい、踏み切れない。他の臨時の仕事についたりもしたが、八方ふさがりになり、ミチは、いよいよPLAN75を申し込むのだった。申請窓口の職員、コールセンターの女性、PLAN75の施設で働く外国人労働者など、若者も含めて、さまざまに葛藤し、翻弄される人間模様を描く。もちろん架空の話ではありますが、姥捨ての歴史があった国ですし、まんざら嘘とも思えず、さらに、現実に介護施設での暴力事件や、介護者である家族に老人が殺される事件などもあり、身につまされました。倍賞千恵子さんの実年齢は81歳だそう。第75回カンヌ国際映画祭である視点部門・カメラドール特別表彰を授与された作品です。お薦めです。
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