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沖縄市出身のハリウッド俳優・タムリン富田さん「ルーツ知り、自分の活力に」 映画「ベストキッド2」などで活躍 苦労を乗り越えた母の歴史、先人への感謝 世界のウチナーンチュ大会で来県

2022-11-05 22:37:40 | ニュース
『ベスト・キッド2』



沖縄で開催中の「世界のウチナーンチュ大会」に参加するため、沖縄県系2世でハリウッド俳優のタムリン富田さん(59)が来県している。

大会参加は3度目。

「パレードを練り歩き、地元の人が『めんそーれ』と迎え入れてくれるのは毎回特別な気持ちがする」。沖縄市生まれで、1986年に日米で大ヒットした映画「ベストキッド2」のヒロイン・クミコ役に抜てきされた。現在も映画やテレビドラマなどで活躍する。 

タムリンさんの母・富田具志堅朝子さん(85)と姪(めい)2人、甥(おい)と米ロサンゼルスから里帰りした。

10月31日、母・朝子さんは本紙の取材で初めて、27歳まで過ごした終戦直後の沖縄での生活を語った。 

「苦労したけど今はラッキーです」と母・朝子さんは笑顔を見せるが、フィリピン人の母と大宜味村出身の父の間に生まれ、言語の壁やいじめなどいくつもの困難に直面した子ども時代だった。  

朝子さんは46年にフィリピンから沖縄に移住し、17年間沖縄で過ごした。大宜味の学校では同級生から「ヤンキー・ゴー・ホーム(米国人は帰れ)」と、石を投げつけられるなど頻繁に暴力を受けた。朝子さんの母は日本語を話せず、家ではタガログ語が共通語だった。周りに自分を認めてもらえず、自身の存在意義に悩んだ。通学できなくなり、中学へは行かなかった。 

沖縄移住直後に父はマラリアで他界した。朝子さんの母は那覇市の水上市場で、汚水が垂れ流しのガーブ川を掃除していた。言語が障壁となり職業を選べなかった。朝子さんは「母がかわいそうで、見ていて恥ずかしかった」と悔し涙を流す。  

母の再婚相手は酒とギャンブルにおぼれた。義父の借金を全額返済し、3人の異父姉妹を育てるため、朝子さんは15歳ごろから妹・みよこさんと米軍の将校クラブで歌うようになる。そこで日系2世の富田紫郎(しろう)さんと出会い、63年に結婚して米カリフォルニア州に渡った。  

タムリンさんは姪や甥たちが「若いうちに家族の歴史を知ってほしい」と願う。「家族史を学び、ルーツへの理解を深めることでさまざまな葛藤を乗り越えてきた先人たちに感謝したい。自分も一緒に頑張ろうという活力につながる」。タムリンさんはこう話し、姪や甥のルーツ探求を激励した。 (比嘉璃子)  
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