沖縄県文化観光スポーツ部は25日、2020年の宿泊施設実態調査を発表した。
宿泊施設の件数は前年比8.4%(258軒)増の3342軒で、過去最高を更新した。
客室数は同6.2%増の5万7759室となった。新型コロナウイルスの影響で観光需要は大きく落ち込んでいるが、宿泊施設は増加を続けている。コロナ前から計画されていた施設の開業や、中長期的な沖縄観光の成長を見込んだ開業予定があることから、今後も新規の施設は増える見込みという。
一方、県内各保健所への20年の廃業届出件数は239件となり、19年の122件から約2倍に増えた。新型コロナの影響による廃業も増えているとみられる。
県はコロナ前まで、21年の入域観光客数の目標1200万人を念頭に、県内に5万6千室の客室が必要と試算していた。今後、第6次県観光振興基本計画の策定に向けて、新たに目標値を見直す。渡久地一浩文化観光スポーツ部長は「沖縄に来る客の多様なニーズに対応できることを追求していきたい」と話した。
宿泊施設の種別で見ると、「ビジネス・宿泊特化型ホテル」が前年比18%増の551軒と増加率が高かった。件数が最も多いのは「ペンション・貸別荘」で、同16.9%増だった。「ホテル・旅館」の中でも収容人数が100人未満の小規模施設が同16.8%増の514軒となるなど数字を押し上げている。
宿泊施設数を市町村別で見ると、那覇市が430軒と最も多く、続いて宮古島市が389軒、石垣市が384軒と離島で増えている。