沖縄県内の子ども食堂に食料を寄付しようと、北九州市立大学に通う県出身の大学生2人が新型コロナウイルス対策の特別定額給付金からお金を出し合い、チャリティーステッカーを制作した。ステッカーには沖縄のお守り「サングヮー」がモチーフとしてデザインされている。「コロナや事故から守ってほしいという思いも込めた」。購入者への優しさも上乗せされたステッカーは、関係した人々の協力を受けながら完成した。
企画したのは浦添市出身の西原愛奈さん(18)=那覇国際高卒、沖縄市出身の鈴木穂乃花さん(19)=コザ高卒=の2人。高校卒業後に北九州市に引っ越したが、新型コロナの影響で入学式も行えず、沖縄にとんぼ返りすることになった。県内でオンライン授業を受ける中、何度も会うようになり「沖縄のために何かしたい」と意気投合して行動に移した。
当初は給付金を寄付しようと考えたが、支援を必要とする子どもたちがいることを、より多くの人々に知ってもらいたいと考え、ステッカーを制作することにした。
日本トランスオーシャン航空(JTA)の「島くとぅばシール」を手掛けた、県内在住のイラストレーターcoeriさんにステッカーのデザインを依頼した。デザイン料を支払う予定だったが、趣旨を告げると無償で引き受けてくれた。印刷は西原さんの母親の知り合いがいる、うるま印刷に依頼して、安価で協力してくれた。
2人が受け取った給付金から初期費用5万5千円ほどを出し、ステッカー500枚を準備した。1枚500円、学生には1枚300円で販売する。売り上げは20万円となる見込みで、5キロ1500円のお米だと133袋購入できる計算になる。10月中旬に完成し、既に6万円分を売り上げた。
西原さんは「いろんな人の協力で完成できた。とても感謝している」と話した。鈴木さんは「子どもたちが食べ物に困らず、笑って過ごせたらいい」と思いを込めた。
ステッカーはハートのキャラクターがサングヮーを抱えるような絵が描かれ、「ともに守ろう沖縄の未来」とのメッセージが添えられている。注文はメールから。アドレスはsanguwa.project@gmail.com
取材 仲村良太
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