個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

本当は役立つことが多いんですよ

2017-08-24 12:13:34 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

夏期講習も終わりが近づき、学校の宿題が残っている生徒は必死で仕上げているところです。私も手伝える範囲で生徒たちに協力しています。先日は理科の自由研究をしました。ネットで調べて、1日で簡単にできそうな(笑)「携帯用カイロ」に決めました。中2の理科の教科書にも載っている化学変化の実験ですが、実際に作ってみるのは初めてでした。

鉄粉や活性炭・オキシドールなどをそろえて、いざ作ってみたのですが、何分経ってもあったかくなりません。生徒たちから、「分量が違ってるんじゃない?」「材料はあってるの?」などいろいろな意見が出て、分量を変更したりしているうちに、ようやくあったかくなるカイロが完成しました。すると生徒から、「材料を変えて、コーヒーの粉でやってみたらどう?」など、またいろいろな提案があり実際にやってみました。

おそらく、この実験を一緒にした生徒は、カイロがなぜあったかくなるのかを完璧に理解しましたし、ずっと覚えているでしょう。やはり理科の化学分野は特に実験を取り入れるべきだろうなと感じました。授業で、「これとこれが反応して、黒色から白色に変わります」「これは酸性なので黄色に変化します」と言われても、実際に経験していなのでいまいちピンときませんし、ただ覚えるだけという作業になってしまっています。

話は少し変わりますが、ケヴィン・スペイシーが出演する「ラスベガスをぶっつぶせ」という映画があります。その中でこんな場面があります。大学の教授が授業中に1人の生徒に向かって「ここに、A・B・Cの3つの扉があります。そのうち1つの扉の向こうには新車があり、残りの2つにはロバがいます。さて、どれを選びますか?」という質問をします。生徒は「Aを選びます」と答えました。そこで教授は「君はAを選択したね。私はどの扉に新車が入っているのか知っている。それでは君にヒントを与えよう」と言って「C」の扉を開けました。中身はロバで「C」の扉は外れだったわけです。さらに教授は「残りはAとBの2つだね。君は今Aを選んでいるが、1回だけチャンスを与えよう。Bに変更してもいいよ。どうする?Aのままでいくかい? それともBに変更するかい?」ここで生徒は迷わず「Bに変更する」と答えて、教授がBの扉を開けると、見事に新車があったのです。これは、たまたまなのでしょうか?

この問題は、モンティ・ホール問題と言うらしいです。ややこしい説明は省きますが、この生徒がBに変更したのは数学的には正しいのです。Aのままより、Bに変更した方が新車が当たる確率が高くなるのです。3つのうちの1つが当たりなのだから、最初はA・B・Cのどれも確率は1/3です。そして外れのCを教授が開けることによって、残りの扉は2つになりますが、だからといってそこで残りの2つの扉の当たる確率が変わるとは直感では気づきませんよね。ですが、正解はAのままだと当たる確率は1/3でBに変えると確率は2/3になるのです。ですから、Bに変えた方が当たる確率はグンと高くなります。

この話を生徒たちとしたことがあります。少し難しい話ですので、完璧には理解できない生徒もいましたが、それでも「あっ、なんか面白い」と感じた生徒がほとんどでした。

そう思った理由の1つは、単純に確率のことを知っていたら、何か得することがあるのではないかと気づいたこと、または理解できてなくても直感的にこれは役立つ勉強かもと思えたことです。

「こんな勉強して将来なんの役に立つん?」という子どもの疑問を耳にしたことがない人はいないと思います。それに対して、子どもの納得のいく答えを出すことは難しいですよね。ですが、それが問題なんですよね。大人たちがわかっていないことを、子どもたちが理解できるはずもありませんから。具体的にはこの勉強は、こういうときに役立つとわかれば取り組みやすいですよね。

たとえば、スポーツの世界でも以前とはずいぶんと変わってきました。いわゆる根性論で練習させるのではなく、科学的により効果のある練習を取り入れるようになってきています。そのおかげで、記録や成績も良くなってきているのが現実です。この練習をすれば、こういう能力が伸びるということが、はっきりわかっていれば取り組む熱意も変わってくるのも当然でしょうね。

このように時代が変化するとともに、様々な分野でやり方が変わっています。学校の勉強だけがガラパゴス化してはいけないんです。「自分たちがしてきたことだから、子どもたちにも必要に決まってる。だから、させなければならない」なんてのは論外です。

極端な言い方をしていますが、これからの教育のあり方、教える内容や、教える方法など大きく変えていかなければならないとは思っています。求められるものも変化してきていますし、義務教育を終えても必要な学力の半分も身についていない子どもが、ますます増加しているからです。塾でも、できるだけこの勉強がどんなことに役立つか(説明できないほど役に立たないものもありますが)子どもたちにわかってもらえるように教えることを心がけています。

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