
夏の朝は早い.久しぶりに日の出を見ようと目論んだが,経ヶ岬の駐車場にたどり着く頃には,朝日が眩しく輝いていた.駐車場には先客というか,車中泊されている方の車が数台停まっていた.

朝日は出ているが,まだ気温は低くて涼しい.丹後半島の最北端,経ヶ岬灯台を目指して歩いていくことにした.灯台までは,約400メートルで結構きつい上り坂が続く.少し歩くだけですっかり汗ばんでしまった.

上り坂を越えると,遊歩道から灯台の姿が見えるようになる.夏の早朝,樹木の緑と海,そして白亜の灯台がとてもさわやかに見えた.海から吹いてくる風も気持ちがよかった.もう灯台までは目と鼻の先だ.

灯台の元まで行くと,鬱蒼とした樹木から解放され,東の方角から朝日が降りそそぐ.灯台の白い壁が朝日を反射して,眩しく光っていた.この経ヶ岬灯台は,明治31年(1898年)に初点灯したということだ.

灯台には,最も大きい第一等フレネル・レンズが使用されている.この場所で海から船舶を守り続けて100年以上の時が経っていることになる.まだ空は暗く,群青色をしており,白亜の灯台がとてもよく映えていた.

灯台のからは視界を遮るものは何一つなく,日本海を一望することができる.そして,朝日が自分の方に向かって,一直線に差し込んでくる.経ヶ岬での一日が始まる瞬間だった.
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