
丹後半島の海沿いから,内陸部の方へ数キロほど山を登っていくと,標高400メートルほどの高原にたどり着く.この辺りは丹後町の碇という場所で,碇高原と名付けられている.そして,この高原からは海を見下ろすことができる.

海が近いとはいえ,このような山の上に,碇という地名があるのはちょっと不思議に思う.とはいっても,錨ではなく碇という字なので,この辺りにあった集落で木や石を使ったアンカーを作っていたのかもしれない.

丹後半島内陸部のこの周辺には,かつては集落がたくさんあったというが,そのほとんどが過疎化で廃村になったそうだ.交通量は全くなく,静まり返っているが,道路はきれいに整備されているので,海を見ながら高原を気持ちよく走ることができる.

すぐ近くには碇高原牧場があって,春から秋にかけて黒毛和牛が放牧されることで有名だそうだ.牛たちには気の毒だが,ステーキハウスが隣接されている.この日は朝が早すぎたため,牛たちの姿は牛舎の中にあったようだ.

京都に海が見える高原があるのは,意外な感じがして,知らない人も多いと思う.高原にはライダーたちが集結しそうな気もするが,この辺りはそうでもなく,穴場と言えるのかもしれない.さあ,暑くなる前に丹後縦貫林道を走って帰ろう.

涼しいうちに丹後半島の内陸部を南北に貫く丹後縦貫林道を駆け抜けて,大江山の麓から丹後半島に別れを告げるのだった.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます