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今年も美しい紅葉を見せてくれた總神寺(そうしんじ).總神寺は南山城村の童仙房にあるが,地理的には和束町と笠置町との境に位置している.ライダーやチャリダーご用達の三国越林道の玄関口といったところだ.
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總神寺では参道で紅葉を見るだけで満足してしまって,実際のところ,まだ寺院の方には足を伸ばしたことがなかった.そういうわけで,参道から階段を上った先にある總神寺の境内へ立ち寄ってみることにした.境内には千本鳥居のようなものがあり,お稲荷さんが祀られていた.
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總神寺の本堂はいまは無住らしいが,本堂以外にも立派な釈迦堂や神社がある.童仙房は明治初期に開拓され,それから月日が流れて昭和30年代に梶田日誉という尼さんがやってきて,總神寺が開かれたという.
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その尼さんはもうすでに故人となっているが,当時は大勢の人がこの地を訪れたという.そう言われてみれば,たしかに至る所で当時の名残りのようなものを感じる.この立派な釈迦堂がそれを物語っている.
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そして,神社や神馬像,鐘楼もかなり立派で,このような場所が童仙房にあるとは思いもしなかった.それに總神寺の敷地の広さにも驚かされた.そのほかにお墓がたくさん立っているので,開拓時代からの人たちが今もこの地を見守り続けているのかもしれない.
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境内には總神寺創立の歌なる看板が掲げられている.昭和41年とあるので,1966年には總神寺があったものと思われる.今から56年前も昔のことだ.それにしても,なかなかいい詞だと思う.
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さらに上,總神寺の高台には御真骨堂と日蓮の銅像がある.ここに梶田日誉という尼さんが眠っているというわけだ.一体,どのような人だったのだろう.56年前の童仙房にお寺を開くのは並大抵のことではなかったと思う.
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そして,御真骨堂の前には立派な建屋がある.今,總神寺を訪れる人はお墓参りの人がほとんどだと思う.そう思うと,立派な總神寺の境内が少しもったいないような気がする.
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自分は宗教に関してはほとんど知識がなく,また信仰もないけれど,寺院の装飾はひとつの芸術だと思う.總神寺の境内は本当に美しい.ここが童仙房の高台であることを忘れてしまいそうな感じだ.
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そして,極めつけは大きな鷲のモニュメントだ.高さは3メートルくらいあるだろうか.ここが總神寺の高台の一番奥に当たる.誰が何のために作ったのか.いろいろと調べてみたが,はっきりしたことは分からなかった.
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總神寺は童仙房の高台にあって,静かで空間全体が眠っているような感じもするが,とてもきれいで不思議な力を感じる場所だった.
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