
2022年もあと7日,事故やケガもなく無事に年を越せそうだ.2022年はいいこともあったけれど,悪いニュースの方が多かったように思う.とはいえ,オートバイでの旅では尾鷲を拠点にして,新しいことがたくさんあって充実した一年だった.この一年を簡単に振り返ってみたい.

まず年明けから春先にかけては,熊野古道の峠を練り歩いた.古道は霊験あらたかな雰囲気にあって,緑深く新鮮な空気がコロナ禍で疲れた心を癒してくれた.その中でも,馬越峠からの天狗倉山行きはくたびれたけれど,景色も素晴らしくてとてもよかった.

馬越峠ー天狗山行きで味を占めて,ゴールデンウィークには熊野古道・八鬼山峠越えを決行した.八鬼山峠の少し先にある桜の森広場から見える九鬼崎と熊野灘がすばらしかった.尾鷲の宿から徒歩で峠越えをし,三木里から紀勢線にのって尾鷲へ戻るというルートで,一日に20キロメートルも歩いたのは初めてだった.

八鬼山峠越えから1か月後には,九鬼崎の先端にあるオハイを目指して原生林の中を歩いた.オハイは断崖絶壁にある柱状節理の岩場で,源流が川から滝になって海へ帰るところでもあり,水の循環を体感できる場所だった.当日はワクチン接種2日後くらいで体調がよくなく,途中で熱中症になりかけたのも今となってはいい思い出だ.

夏休み前後は天気が悪く,コロナの第7波が猛威を振るっていて,帰省もせずに自宅で引きこもっていることが多かった.夏も終わりに近づくと,コロナも天気も回復してきて,土日の一泊ツーリングを再開するようになった.今年は楯ヶ崎には朝・昼・夕と3回も訪れることができた.その中でも9月末に訪れた夕景の楯ヶ崎が強く印象に残っている.帰りは原生林の中で真っ暗になってしまったけれど.

秋になると寒くも暑くもない感じの陽気が続いたこともあって,夜明け前の真っ暗な時間帯からオートバイに乗って,尾鷲や熊野で日の出や朝日を追うようになった.尾鷲港で日の出は雲に阻止されたけど,辺り一面がオレンジ色の朝日に包まれ,佐波留島や釣り人のシルエットがとても美しかった.

こんな感じで本格的な寒波がやってくるまでは,尾鷲を拠点に一泊または日帰りツーリングを繰り返していた.関西に来てから5年が過ぎようとしているが,尾鷲の新たな魅力に気付かされた一年だった.そして,本当によく歩いた年でもあった.

最後に,このすばらしい景色に立ち会わせてくれたのが相棒のオートバイだ.2008年に購入したものなので,もう14年選手だが元気に走ってくれる.わたしの走行する道は,自動車や大型バイクでは気が引けるところばかりなので,このクラスのオートバイが最適なのだと思う.いいタイヤを気兼ねなく履けるのも大きい.一時は年内の乗り換えも検討したが,あともう少しだけ一緒に走りたいと思っている.
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