三重県の南伊勢町と度会町をつなぐ三桁県道がいくつかある.どれも林道を舗装化したような狭路で,鬱蒼と生い茂る常緑樹林帯の峠道になっている.新緑の季節は特に雰囲気がよく,緑が眩しい道だ.
この三桁県道を一之瀬川に沿って進んでいくと,所々に橋が架かっている.中でも酷く朽ちた橋があって,銘板が欠けており,橋の名前すらわからないものがある.オートバイを停めて,この橋の中央部まで渡ってみると,橋からロープが吊るされていることに気づく.
川に向かって吊るされたロープを見たときは,一瞬ドキッとしたが,のぞき込んでみると吊るさているのはブランコだった.橋のたもとから川岸へ降りてみると,木製のブランコは,アイボルトを介してロープで吊るされており,強度も十分あるように見えた.
地元の有志の方によるものだろうが,だれがこのブランコを設置したのだろう.道路を走っている限り,このブランコの存在に気づくことはない.中々,粋な計らいだと思う.そして,ブランコの下を流れる一ノ瀬川の清流もとてもすばらしい.
陽が差すと,川の色が緑色に輝き,川底まで明瞭に見える.ブランコがあると,川の景色がより涼しげに見えるような気がする.夏場は,地元の子供らの遊び場になっているのかもしれない.
一ノ瀬川は宮川の支流だが,その宮川は国土交通省の水質調査で一位になっているそうだ.通りで水の色が素晴らしいわけである.今から,夏場の再訪が楽しみだ.
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