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熊野市の宿で一晩を過ごし,夜明け前に波田須町へと向かった.行先はもちろん,徐福の宮が見える海岸だ.そこで,日の出を見ることにした.ところが,現場に行ってみると,水平線の先には雲がたなびいていた.
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日の出の時刻,6時頃を過ぎると,雲の上の辺りが紅色に染まり始め,急に明るくなってきた.そして,一日の始まりを喜ぶように,きれいな笛の音のような鹿の鳴き声がどこからともなく聞こえてきた.
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そうこうしている内に,空はどんどん赤く染まっていき,太陽が顔を出し始めた.残念ながら,水平線の上にあった雲によって,きれいな日の出を見ることはできなかった.それでも,雲の間から望む太陽も中々に幻想的でよかった.
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太陽は完全に上空へと昇り,空はきれいなオレンジ色に変わっていく.海には,日の出と共に何艘もの漁船が行き交っていた.漁船の上から,日の出はどういう風に見えるのだろうかと思ってみたりした.これだけは,漁師さんだけの特権かもしれない.
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太陽が昇ると,太陽からの光が辺りに降り注ぎ,暗かった景色は急に赤みを帯びたように明るくなっていく.太陽からの光を全身に浴びているような気がして,とても気持ちの良い朝の始まりだった.
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オートバイを停めてある国道脇まで戻ると,オートバイも辺りの樹木も皆,気持ち良さそうに太陽の光を浴びているように見えた.オートバイのエンジンをかけると,小気味よいサウンドと共に一発始動した.さて,今日はどこまで行こう.
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徐福の宮が見える海岸での日の出は,とても神秘的な朝だった.
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