三重県は熊野市二木島町.二木島湾はリアス式海岸によって形成されており,その東端には11月に訪れた楯ヶ崎がある.楯ヶ崎までの山中海岸の途中には,神武天皇東征の際に海難で命を落とした神武天皇の兄―三毛入野命(みけいりののみこと)―が祀られているという阿子師(あこし)神社があった.
この阿子師神社の対岸となる二木島湾南西の海岸には,同じく海難で命を落とした神武天皇のもう一人の兄―稲飯命(いないのみこと)―が祀らている室古(むろこ)神社があるという.漁港のある二木島湾の中央部から,南西海岸を目指してオートバイを走らせた.
南西海岸への道は非常に狭く険しいが,透明度の高い海水のすぐ近くを走ることができる.そして,この南西海岸の終点に室古神社の立派な鳥居がある.ここからは徒歩で神社へと向かって行く.
鳥居から神社までは歩いて1分程度だ.神社のある広場から,楯ヶ崎のある二木島湾の東端を一望することができた.冬でも青々とした常緑樹林が印象的だ.そして,この二木島湾の西海岸と東海岸の間が,ちょうど湾の入り口になっている.
東海岸の末端が見えても当然,楯ヶ崎はここからは見ることができない.スロープ状の千畳敷と白い灯台が見えるまでだった.この灯台のすぐ後ろに海から空へと突き上げるような柱状節理が伸びているのに・・・.楯ヶ崎は現地に行かない限り,陸からは眺められないことを改めて実感するのだった.
二木島湾の海岸線をのんびりと周回していたら,すっかり陽も落ちてきた.さて,もう帰ろう.海は西日が反射して眩しく光っている.その光り輝く海に,漁船が黒いシルエットになって浮かび上がっていた.
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