こんなに読む力がなくなるとは思いもしないことでした。
最近の私の様子をいくつかお話しましょう。恥ずかしき限りですが。
図書館から借りてきた本を読み始めます。「あ、冷凍室からお肉を出しておかなければ今夜の食事に困るわ」・・・集中して座っておれません。言わなくてもお分かりと思いますがお肉だけではありません。お布団入れる時間だわ、あゴミの日、当番だった。など立ったり座ったり。ページは一向に進みません。
体力もなくなった。夜ベッドで眠りに落ちる前の読書が楽しみな人でした。それが・・・
横になる。さてさて、どこまで読んだのだったっけ。栞の挟み忘れ、ええと、ここは読んだね、この文章は初めてだ。ここからかな、やっと今日の出発点を見つけたところで、体力尽きてコックリ。栞、また挟み忘れた。
今回は柔らかく推理ものを借りてきた。これなら軽く読めるだろう。え~えっ。この人物誰?この人とどういう関係?
こうしてまごまごしているうちに貸出期限が来て、そのまま返しに。
結局読解力が地に落ちて、登場人物の多いもの、関係が複雑なもの、すべて私の能力外になってしまったということ。長編も期限内に読みあがらないからダメ。
などなど情けないこと極まりなし。
月曜日、読まずに帰す本を抱えて図書館へ。今回は方針を変えた。エッセイ集を読んで見ようと思ったのです。エッセイなら短編が多いし・・と思ったのです。
そこで選んだのが向田邦子のエッセイ集・「海苔と卵と朝めし」。
私が子育てをしている頃だったか、「父の詫び状」で売れた人です。それまでにも、脚本を書いたり、エッセイでも名をあげている人でしたが、私をすっかり虜にしたのは「父の詫び状」でした。これをきっかけにずいぶんたくさん作品を読んだけれど、これは読んでいなかった。
ぴったり。読みやすいけれど、・・・衰えた私の力でも・・文章の達者さ、エピソードを語りながら人情の機微で温かく人をひきつけます。それに自分が食いしん坊で、料理が好き、集めた食器を使って、小料理屋でも・・・と、妹さんを巻き込んでお店を出した経験から、中にこれは珍味。これはとっておきの私のご馳走、などが織り込まれている、ちょっとした気の利いたおつまみなど、家のみの今日この頃、お好きな方は参考になるのでは。
読める本に出会えてよかった。
本が読めるのは素晴らしいです!自分は其れが勿体なく何かやってます。(笑) だから文書の力が無いと反省はするのですが目が追いつきません。向田邦子さん借りて読んでみたいと思います。
ありがとうございました。