昨日お昼「徹子の部屋」を見ていました。お家籠り生活ではそれでなくても狭い生活範囲がますます狭まって、これでは本当に「テレビ婆さんになるぞ」と怖れを抱いたりします。
でも、どんな番組にせよ、考えながら見るとそれなりに考えさせられます。昨日もそうでした。ゲストは小柳ルミ子さんでした。
崩れていない節制した姿態で、自分の行っているストレッチや、コロナに負けない徹底した除菌の仕方などを、明るく話していた彼女が、StayHomeの生活を訊かれた時、ふいに顔を覆って、声が出なくなってしまいました。しばらく話そうとしては口を覆い、涙を拭いて言葉になりませんでした。なに?と思っていると、やっと絞り出すように発した言葉は「引退を決意していました」という言葉でした。「どうしてそこまで?」との徹子さんの問いに、こう答えていました。
歌手・女優など芸能人として生きていて、この年になってもお仕事に呼んでもらっていました。自分でも体力を保って、それなりのプライドを持って生きていました。それがコロナ時世になったのです。芸能界全体がそうだったのでしょうが、仕事は全くなくなって、およびの声もありません。日にちが経つにつれて、ああ私にはもう価値が無いのだ、声はかからないのだ、このままではみじめな姿をさらすばかりだ、思い切って引退しよう、明日にでも発表しよう、という追い詰められた状態になってしまいました。一人で、言葉を交わす人もなく悪い方に悪い方にと沈んでいったのです。
もう明日には引退をと思い定めた時、桑田佳祐さんが雑誌に「小柳ルミ子は捨てがたい、いい歌手であり役者だ」と書いていらっしゃるのを見つけました。それが今までのマイナス思考を逆転してくれました。桑田さんの文を見るのが一日遅かったら、私はもうここにはいません。桑田さんは生涯の恩人です。と。
辞めてその後どう生きるかなどまったく考えず、ただ声のかからない自分から逃げ出すことだけを考えていました。もしやめていたらどうなっていたやら。
同じ日の朝いちばんのニュースは竹内結子さんの自死でした。このところ芸能界の中堅・ベテランともいうべき人の死が伝えられますし、一般人の自殺も増えているようです。
やはりコロナ自粛生活が影響しているのでしょうか。小柳さんが吐露したような孤独感・自信喪失に感染の不安感が加わり、生活の基盤の収入も不安定、先が見えない焦り、一人では抱えきれない重圧かもしれません。
小柳さんが、桑田さんの言葉に救われたように、孤独の者同士会うことは出来なくても、じかに顔を見合うことは出来なくても、励まし合うことが大事なのかもしれませんね。
コロナが完全に絶滅することは期待できないと言います。共に生きていくには人が手洗い・マスク・他との距離・を保って行くより仕方ないのかもしれません。コロナ終息と経済の回復と相反することを上手くバランスを取り生活していくことはひとりひとりの生き方が物を言うのでしょう。
そしてコロナとともに生きていく上でもっと大事なことは距離を保ちながらもあたたかいつながりを持たなければならないことです。一人で深く考えることと、お互いが温かくつながることと、これを大事にしなければならないと思います。
小柳さんは、志村けんさんとは古くからの友人だったとのこと。この不安感の時世に、彼の笑いこそが必要だったのに、一番に亡くなってしまわれるなんてと、また涙ぐんでいらっしゃいました。だから、私はコロナは徹底的に憎いのです。絶対に負けたくないのです。徹底消毒に力を注ぐのも、彼のかたき討ちのつもりがあります。徹子さんもやってください。一日も早い収束を迎えたいですよね。
みんな頑張りましょう!!