9月場所、上位力士の調子が悪く心配したけれど、その分平幕力士、若手力士が溌剌とした相撲を見せてくれました。混戦を制して、37歳10か月の玉鷲が賜杯を手にしました。土俵上での厳しい顔と打って変わって、穏やかな笑顔が印象的でした。おめでとう!!
いろいろ名勝負はあったけれど、ややがっかりしながら、是か非かの物議をかもした勝負もありました。
12日目、大関貴景勝 対 北勝富士。お互い大事な一番でした。貴景勝は何が何でも勝って、勝ち越しを決めなければ・・の一番。大関の意地があります。北勝富士は、先頭切ってトップを走っていたのが、途中から負けが2敗。今日勝てば、トップの玉鷲に並べる一番です。
特に相撲に詳しいわけではなく、その時々で贔屓力士を替えてみたり、イケメンがよかったり、小兵には怪我のないように祈ったり、ミーハーファンではありますが、大一番をワクワクハラハラ待っていました。
行司の扇が返って両者ぶっつかって・・・とはいきませんでした。立ち合いが、一瞬貴景勝の方が早かったかなと思う間もなく、北勝富士は突っ込む、貴景勝は変わって、北勝富士はあっけなく地に這った。
あれ~??。何とも気が抜けました。
その後のテレビ放送。大関のこの変化はいかがか。桟敷席もざわついていました。解説の北の富士さん、舞の海さんも、う~ん、とすぐには言葉がないようでした。
舞の海さんの解説が私にはよくわかりました。
私も小兵でしたから、どうにかして勝ちたいと苦心していました。格好良くも何もありません。どこかに相手の穴を見つけて食らいつきたいのです。そうしなければ力士でいられません。もしも私がこの土俵に立って,いたら、とんだかもしれません。
でも、難しいのは、相撲格闘技です。勝つか負けるか、勝った方が上という世界です。ただ、大相撲は勝つということのほかに、地位(特にそれが高いと)が高いものは品格というものを汚してはならない、大関なりの勝ち方が望まれるのです。
翌日のことになりますが、買った貴景勝が今度は若隆景に変化され、負けてしまっているのです。
確かに食うか食われるかの真剣勝負でしょう刈れど、こんな勝負ばかりが横行してはファンは見捨てますよね。
勝つことを必須としながら、その上に、力士のプライドというか品格というか、潔さというか、をにじませてほしいとファンは思うのです。