お遍路を始めて1日目、写真は吉野川の夕暮れ。
7番十楽寺を出て、8番熊谷寺へ。
この間の距離は4km程度だったが、途中で坂道もあり、1日走り続けた疲労も出始め、思うようなペースで走れなかった。
秋の日ざしは15時を過ぎるとあっという間に風景が変る。
日の陰りに影響され、体力以外にだんだん心の余裕も無くなって、自分の体力でこの後お遍路を続けられるか不安になった。
8番熊谷寺についた頃は、既にお寺がすっぽり日陰に入っていた。
熊谷寺は山の斜面にあり、山門をくぐってから本堂までの階段が結構長い。
駐車場には既に観光バスも無く自動車も少なかった。
自転車とザックを駐車場に置いて、その長い階段を上り参拝した。
ちょうど太子堂で般若心境を唱えていた時、夫婦のお遍路さんもお経を唱えていた。
僕は先に唱え終わり、急いで納経所へ行き、ご朱印を貰い、次の9番法輪寺に向かった。
既に16時過ぎ。
9番法輪寺までは2kmぐらいか、下りだったので15分くらいで辿り着いた。
もう参拝客もほとんどいなかったが、先ほどの熊谷寺で一緒にお経を唱えたお遍路夫婦もちょうどお寺にいた。
挨拶をして納経所でご朱印を貰う。
ついでにお坊さんに次の10番切幡寺に自転車で行って間に合うか聞いてみたら、ちょっと厳しいのではと言われた。
山門を出て自転車に乗った時点でもう16時半を過ぎていた(お寺は17時まで)。
次のお寺を諦めて、今日予約のホテルがある鴨島に向かった。
と、白いオープンカーが前を横切った。
田んぼ道に似合わない車。乗っているのは、先ほどのお遍路夫婦だった。
白装束の二人がサングラスして風をなびかせてる。
見た目は変だが、何かの供養だろうかと想像した。
9番法輪寺とその山門
吉野川を渡って、鴨島の市街に入った頃は、もう日も暮れかけ、夜の域に入ろうとしていた。
地図も見づらい。
道もよくわからないまま、市街地を走っているうちに鴨島駅前に着き、その裏手にあるホテルにようやく着いた。
はー疲れた。
お遍路初日、色々不安だったけど、とりあえず無事に休める場所を得て、とにかく安心した。
ホテルに荷物を置き、晩ご飯を食べに町へ出た。
駅の南側の路地を入った所に食堂があり、親子丼を食べた。
ホテルに戻る途中で、駅前のキヨスクのような売店で夜食を買っていたら、レジのおばちゃんに、「あなたお遍路さん?」と声を掛けられた。
「ハイ。」と答えると、
おばちゃんが「これお接待だから、持っていきなさい」とビックサイズの焼そばパンと新聞を清算済みのレジ袋に一緒に入れてくれた。
初めてのお接待。
言いようもなくうれしかった!
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