お遍路一覧(廻った順)ページはこちらから >>> ①徳島~高知編 ②高知~愛媛編
2006年の秋、自転車でお遍路四国八十八ヶ寺を廻った話の続き。
お遍路を始めて2日目、写真は梨の木峠が見えた時の携帯写真。
苦労して梨の木峠に辿り着くと、車が1台停まっていた。車のバックドアを閉めながら2人の若者が現れた。
「こんにちは」と声を掛けると、「お遍路さん?大変ですね」と声が返ってきた。「何してるんですか?」と問うと、ちょっと笑いながら「キノコ狩りです」と、バケツを持って森の中へ消えていった。
笑えるようなキノコがこの辺りで取れるらしい、松茸かな??
初めての峠越えを味わって、次は下り。急斜面をダダーと下った。
上りと同じような細い道路、対向車も無く谷川を横目にひたすら下った。ウヒョーと叫びたくなるような爽快な渓谷が間近にあり、水の落ちる音が激しく鳴ったりしてて、上りの時のうっそうとした雑木林の風景とは雰囲気がかなり違っていた。
上りの時、眼下は吉野川を中心とした大きな平野だったが、こちらは山が連なる山間部の風景。気温も下がり、目で味わう風景も心地よい。
どれくらい走ったかわからないが、下り斜面が緩やかになり、人家が見えてきた。
商店がある町に差し掛かり、自販機でジュースを買って一気に飲みほす。少し走って、また自販機があったので、水分が物足りず買って飲んだ。次は少し残して自転車のホルダーにはめて再出発。
少し大きめの川(鮎喰川)があり、その川沿いに下った。そのうち、焼山寺方面に曲がる橋があって、その案内板があるはず、と思い川沿いに東進した。
走っていると50代くらいの男性お遍路さんが歩いていて、挨拶した。焼山寺までの道を聞きたいと思って、そのお遍路さんに話しかけると、このおじさんは休みの日を利用して少しずつ歩きお遍路をやっているとの事で、今日で3日目だと話してた。
今日朝早く、11番熊谷寺近くの宿を出て、12番焼山寺を廻ってきて、これから大阪に帰るとか。急がないと電車が無くなる、と言っていた。
全部廻るのに1年ぐらい掛かるんじゃないですか?と聞くと「そうや、楽しみやぁ」と。で、そのおじさんが12番焼山寺から下ってきた道は、自転車じゃちょっときつそうな道との事だったので、今日は焼山寺に向かうのは止めて、予定どおりのルートでそのまま川沿いに下ることにした。
ずーと川沿いに走っていると、ようやく案内板が出て、13番大日寺こちらと書いてあり、橋が掛かってた。13番大日寺!?地図をザックから取り出し見てみると、川沿いの道を下りすぎていた。
このまま道を引き返すのもアホらしいので、橋を渡って、対岸の道を別のルートで行くことにした。そして、その日は12番焼山寺を確実に諦めて、その別のルートで、本日の宿であるコットンフィールドキャンプ場を目指した。
川沿いに下って走っていた時は、体力もそれほど使わず、のんびりしていたが、コットンフィールドキャンプ場までは、鮎喰川とは別の川沿いの上りの道。
地図で見る限り8kmくらい、途中、小さいながら峠もある。既に15時になろうかという時間になっていた。
先を急いだ。
いくら坂道が緩やかであろうが、体力が落ちてからの上り坂はつらい。
山間部の日が落ちるのは早く体力が限界に近づくのと、汗が焦りから引いて行くのを感じながらひたすらペダルを漕いだ。
道は舗装されててスムーズだったけど、田舎の山道は車の通行量も少なく、すこぶる不安な国道一本道を先へと急いだ。
17時くらい、既に薄暗くなったころ、ようやく道の駅「温泉の里神山」に到着した。
さらにそこから暗い細い道を分け入った所にコットンフィールドキャンプ場があった。
事前に連絡していたので、真っ暗のキャンプ場には人がいた。
キャンプ場の管理棟で、受け付けを済ませて、テントを設営。テントを東京で購入してから初めて広げた。アウトドアショップで教わった事を思い出しながらテントを張る。
その日のキャンプ場には他に誰もお客さんはいなかったが気にしなかった。
荷物を置いて、道の駅の「いやしの里」温泉に行った。
まず、温泉施設で晩ご飯を食べてから温泉に入った。
1日身体を動かした後の温泉は最高!
温泉施設が閉館するまでゆっくり休憩した後、キャンプ場に戻った。キャンプ場までの夜道はもう闇の中、ライトが無ければ視界ゼロ。
管理人さんもいなくなっていてキャンプ場の炊事場で一人、自販機で購入したビール缶を開けて、日記をつけた。お遍路行く前にお祝いに、と会社の同僚から頂いた手持ち式の頑丈なライトを照らしつつ。
キャンプでのライトは必需品。物音がするたび、ササッと森を照らしながら不安をぬぐい去った。
ビールを飲み干し、歯磨きをした後、テントに入りシュラフに潜り込んだ。地図を見ながら明日の予定を立てて、ライトを消して寝る。
キャンプ場は森の中にあり、風で木々の触れる合間から動物の鳴き声も漏れてくる。その度、手に握っているライトを照らしていた。
一人用の狭いテント内、何かあっても逃げられないスペースに不安を感じつつも、いつのまにか眠っていた。
続きは>>お遍路を自転車で・・・44で。
>>papalionホームページ
2006年の秋、自転車でお遍路四国八十八ヶ寺を廻った話の続き。
お遍路を始めて2日目、写真は梨の木峠が見えた時の携帯写真。
苦労して梨の木峠に辿り着くと、車が1台停まっていた。車のバックドアを閉めながら2人の若者が現れた。
「こんにちは」と声を掛けると、「お遍路さん?大変ですね」と声が返ってきた。「何してるんですか?」と問うと、ちょっと笑いながら「キノコ狩りです」と、バケツを持って森の中へ消えていった。
笑えるようなキノコがこの辺りで取れるらしい、松茸かな??
初めての峠越えを味わって、次は下り。急斜面をダダーと下った。
上りと同じような細い道路、対向車も無く谷川を横目にひたすら下った。ウヒョーと叫びたくなるような爽快な渓谷が間近にあり、水の落ちる音が激しく鳴ったりしてて、上りの時のうっそうとした雑木林の風景とは雰囲気がかなり違っていた。
上りの時、眼下は吉野川を中心とした大きな平野だったが、こちらは山が連なる山間部の風景。気温も下がり、目で味わう風景も心地よい。
どれくらい走ったかわからないが、下り斜面が緩やかになり、人家が見えてきた。
商店がある町に差し掛かり、自販機でジュースを買って一気に飲みほす。少し走って、また自販機があったので、水分が物足りず買って飲んだ。次は少し残して自転車のホルダーにはめて再出発。
少し大きめの川(鮎喰川)があり、その川沿いに下った。そのうち、焼山寺方面に曲がる橋があって、その案内板があるはず、と思い川沿いに東進した。
走っていると50代くらいの男性お遍路さんが歩いていて、挨拶した。焼山寺までの道を聞きたいと思って、そのお遍路さんに話しかけると、このおじさんは休みの日を利用して少しずつ歩きお遍路をやっているとの事で、今日で3日目だと話してた。
今日朝早く、11番熊谷寺近くの宿を出て、12番焼山寺を廻ってきて、これから大阪に帰るとか。急がないと電車が無くなる、と言っていた。
全部廻るのに1年ぐらい掛かるんじゃないですか?と聞くと「そうや、楽しみやぁ」と。で、そのおじさんが12番焼山寺から下ってきた道は、自転車じゃちょっときつそうな道との事だったので、今日は焼山寺に向かうのは止めて、予定どおりのルートでそのまま川沿いに下ることにした。
ずーと川沿いに走っていると、ようやく案内板が出て、13番大日寺こちらと書いてあり、橋が掛かってた。13番大日寺!?地図をザックから取り出し見てみると、川沿いの道を下りすぎていた。
このまま道を引き返すのもアホらしいので、橋を渡って、対岸の道を別のルートで行くことにした。そして、その日は12番焼山寺を確実に諦めて、その別のルートで、本日の宿であるコットンフィールドキャンプ場を目指した。
川沿いに下って走っていた時は、体力もそれほど使わず、のんびりしていたが、コットンフィールドキャンプ場までは、鮎喰川とは別の川沿いの上りの道。
地図で見る限り8kmくらい、途中、小さいながら峠もある。既に15時になろうかという時間になっていた。
先を急いだ。
いくら坂道が緩やかであろうが、体力が落ちてからの上り坂はつらい。
山間部の日が落ちるのは早く体力が限界に近づくのと、汗が焦りから引いて行くのを感じながらひたすらペダルを漕いだ。
道は舗装されててスムーズだったけど、田舎の山道は車の通行量も少なく、すこぶる不安な国道一本道を先へと急いだ。
17時くらい、既に薄暗くなったころ、ようやく道の駅「温泉の里神山」に到着した。
さらにそこから暗い細い道を分け入った所にコットンフィールドキャンプ場があった。
事前に連絡していたので、真っ暗のキャンプ場には人がいた。
キャンプ場の管理棟で、受け付けを済ませて、テントを設営。テントを東京で購入してから初めて広げた。アウトドアショップで教わった事を思い出しながらテントを張る。
その日のキャンプ場には他に誰もお客さんはいなかったが気にしなかった。
荷物を置いて、道の駅の「いやしの里」温泉に行った。
まず、温泉施設で晩ご飯を食べてから温泉に入った。
1日身体を動かした後の温泉は最高!
温泉施設が閉館するまでゆっくり休憩した後、キャンプ場に戻った。キャンプ場までの夜道はもう闇の中、ライトが無ければ視界ゼロ。
管理人さんもいなくなっていてキャンプ場の炊事場で一人、自販機で購入したビール缶を開けて、日記をつけた。お遍路行く前にお祝いに、と会社の同僚から頂いた手持ち式の頑丈なライトを照らしつつ。
キャンプでのライトは必需品。物音がするたび、ササッと森を照らしながら不安をぬぐい去った。
ビールを飲み干し、歯磨きをした後、テントに入りシュラフに潜り込んだ。地図を見ながら明日の予定を立てて、ライトを消して寝る。
キャンプ場は森の中にあり、風で木々の触れる合間から動物の鳴き声も漏れてくる。その度、手に握っているライトを照らしていた。
一人用の狭いテント内、何かあっても逃げられないスペースに不安を感じつつも、いつのまにか眠っていた。
続きは>>お遍路を自転車で・・・44で。
>>papalionホームページ