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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

形容詞も思い通りに変換したい

2016-09-01 | 形容詞研究

ペンタクラスタキーボードの別口入力にはナ形容詞(形容動詞)の活用語尾の各種変化である「な」や「だ」の入力専用のキーが用意されていますが、イ形容詞(形容詞)には特別しつらえてあるわけではなくその差はどこからくるのかという疑問も湧いてくるかもしれません。
考えて見れば不思議なことかもしれませんが両品詞の傾向の違いに着目すればおのずと答えは出てきます。
まず目につくのは形容動詞の数のほうが際立って多いということで、そのバリエーションも漢語系のものからカタカナ系形容動詞までさまざまあり語幹の独立性の高さから柔軟に使用場面に対応でき表現の幅の広いものであるということです。
それに比べて形容詞は新語・造語の類も少なく、「+だ」で簡単に語彙数を増やせる形容動詞とは違って表現に限りがあるので文法上有意義なはたらきはあるものの比較して埋もれてしまっているのだといえます。

それに形容動詞の特性として「都会な」「クラシックな」のように活用語尾がつくときは文字通り形容動詞であるものの、「都会」「クラシック」単体でみると単純に名詞として(形容動詞の語幹としてではなく)とらえられる場合もあり語性にゆれが見られることが多々あります。
効果のほどはわかりませんがIMEにとってこれらがはっきりとナ形容詞(形容動詞)のマーキングされたものだとわかっていれば少しは文の構造解析に役立つ場面もあるかもしれません。

ここではイ形容詞(形容詞)について述べたいと思うので形容動詞のことはこれくらいにしたいと思いますが、形容詞全般の変換に関していえば別口入力を使わなくても別の便利な手立てがあるのでそれを活用してみましょう。
それは簡単なことなんですが3つの変換キー、三属性変換を使って形容詞を変換する方法でこれをうまく機能させれば形容詞の変換がらみのトラブルはだいぶ減ると思います。
変換意図の要因はいろいろ考えられるのでざっと挙げていきたいと思います。

まず考えられるのは形容詞の終止形・連体形の語尾「い」には「医、位、委、衣、意」等同音で混同しやすい接尾語があるのでそれを防ぐために属性ロ(用言全般)のキーを押して形容詞に変換するよう促すことです。
次に対象になると思われるのは使う人は限られてくるかもしれませんが、「ダサい・ナウい・ムズい・ケバい・キモい・メタい・チャラい・ペラい」などの口語的な形容詞を使用する際に、[カタカナ部]-[い]のように字種を変えたいときにあえて属性ロを指定してニュアンスを出すのに使われる場合です。
これらは学習するなり品詞登録するなりすれば使用できるかもしれませんが初期段階から使う分には多少便利なのかもしれません。造語法則のわからない未知語を無理やりにでも形容詞にさせたいとき(例:イスカンダルい)には需要はあるかどうかわかりませんが使えると思います。
さらに未知語について突っ込んで考えると形容詞の活用(かろ・かっ・く・い・い・けれ)の各活用変化時にも対応できると良いと思います。

なお通常変換ではそういった形容詞のでてくるユニークな場合の変換には最初は対応できないかもしれませんが、変換ロの学習が効いた後では通常時の変換にも学習の結果が反映されるように(むやみに変換過程に干渉されない限りにおいては)なるとユーザーにとっても使いやすいものになると思います。
このとき大事なのはわざわざ品詞登録をしなくても済み、変換ロで文字列変換をしたことで自然とIMEに理解させることができるのが理想です。
もちろん欲を言えばどんな場面でその語が使用されたかという用例的なことや、品詞は形容詞である、ということも理解・処理していければ申し分ありません。
変換の三属性と単語の品詞とでは別ものでカテゴリー体系もデータとしてのふるまいも異なるものですが、前後の文脈や付加された属性情報などのヒントから適切に品詞を割り出してIME学習につなげていくことができれば品詞登録の省力化ができますし日本語変換においても新たな可能性が広がっていくと思います。


※3/14追記
この記事中での「形容詞の変換は属性ロで変換すればよい」…との見解はのちの検証で一部撤回し軌道修正することになりました。
詳しくは
未定義③キーにあてる別口入力キー候補その4…[い]
の記事をご覧ください。


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