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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

一般名詞や形容動詞の類まで、--するってしてしまう誤変換はサ変動詞の弱点なんです

2019-09-29 | ジャンル横断的な問題

容易されており
師弟する
状況する
内臓する
確率されておらず
多様される

のようにサ変動詞ではないものが一般名詞などと混同されて--する、になってしまう誤変換は今はどうだか知りませんが昔はよくあったものです。
これはシステム辞書的には適切に品詞分類がなされていればサ変動詞と非なるものであることが前もって分かるはずなのに依然として見られています。
これは素人考えなので滅多なことは言えないとは思いますが、なぜ簡単に対応できないのであるか憶測で申し上げますと、
「お、一人前に先生してるね」
「そんなにイケズしないでよ」
みたいに名詞・形容詞の類に--するという接続もなくはないですからこれを厳格に抑制してしまうとすこし窮屈でいらぬ不整合も生じてしまう恐れがあるためあまり抜本的な改善に手付かずなのではないでしょうか。
対処するにしても、個別にコロケーションの強度を地道に登録していっていくばかりで、文法的なシステムさばきでエイヤッと単純に決定できる問題ではなさそうに思えるのです。
とはいえ、容易にサ変動詞に変化できる名詞概念に比べますと、広義の形容詞のものに--するとつくのはさすがに違和感仕事しろ、と言いたいものもましてや素直なサ変名詞との競合があるのであればわざわざマニアックに変換しなくてもいいだろ…という考えがよぎるのも至って自然な事であります。
例えば
見事に昇華している
発音はネイティブ並みしている
お父さんお父さんしている

みたいなものがあったとしても、「昇華」はサ変動詞以外にも「壮烈なる昇華」のような名詞的・様相的なポテンシャルをもちながらの側面があったり、
「ネイティブ並み」にしても程度を示す接尾語と結びついて形容詞的機能を有していてなお、--すると接続する可能性もゼロではないのです。
さらには「お父さんお父さん」みたいな畳語でサ変動詞化する稀有な例もあります。

あとは動詞の連用形からの転成名詞で
お蔵入りする
大ハシャギする
拍子抜けしています
ゴマすりしてばっかり

などのような文法的変化についていこうとすると、あらゆる動詞の連用形も潜在的には転成名詞的に利用できる可能性もありますからこれらに--する用例の有無があるか個別に吟味しなくてはならないとなるのは現実的ではありません。

…少し脱線しかかったので話をタイピカルな名詞・広義の形容詞のトピックに戻しますと

高速され疲れますよね^^;
魚が俎上する
これから傘下する方は

などは今でも相変わらずみられますし、

軽快している
は先入観で誤変換だと思っていたら医療用語で症状が軽くなることをいうれっきとした専門用語だったみたいでこちらの知らないこともままあります。

さらには「さんしょうする」を試しに「山椒する」なんて出てこないかな…と思っていたら、
参照する三唱する讃頌する*…のように「する」付きの一体化で候補がローテーションしてこちらでは「山椒」は元から外されていましたね(MS-IME)。
その割には「大化する」「好例する」みたいな誤変換では[する]部分と語幹部分がセパレートされてローテーションするのも沢山ありそうですので、
すべてのサ変動詞が網羅的に「する」付きの一体化で登録されてはいないようで、ここら辺の基準はよく分かりません。

あとは
雑草する(○雑想)
糖分する(○等分)

みたいな本質的でない些末な語彙のものは残念な結果となってしまいました。
これと同様に
天球する(○転厩)
みたいな漢語熟語合成法則にもとづくような派生語は全般的に苦手な様子です。

さすがに、
小田原表情する
みたいなものをひねくり出しましたがこちらは恣意的にワザと作り出したものでご心配なく。
一応有名なもの、慣用・連語的で一体のものはワンフレーズとして登録されているようです。

あとは
チラ見する
長湯する


ちらミスる
名がゆする

みたいになることはなくごく一般的なサ変動詞の地位を確立してややこしい誤変換になることはなかったですね。
ただ同様の生産力が造語派生にまでおよぶとすると

雁ミスる(ガン見する)
ちょ日強請る(チョビ湯する)
はちょっと無理過ぎてしまったようです。

…まあこじつけでいろいろ作例するのも野暮だと思いますので、この辺にしておきます。

 

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