しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

何ができるの?

2012-02-21 21:35:59 | 日記

横浜の中学3年生は、今思い出作りの「特別時間割」真っ最中。
卒業式練習に加えて、球技大会、卒業遠足、観劇や映画鑑賞。
今日は卒業遠足の日。
3年生は朝からバスをチャーターして東京ディズニーランドへ向かった。
放射能の関係で保護者からクレームとかくるんじゃないかと私は密かに思ってたけど、
そういうのは何にもなかったようだった。
Twitter上だけなんだろうか、TDLの線量が高いって話。
本当かどうかもわからないけど、そういう噂のあるところに生徒を行かせるのは、気が進まない。
そうはいっても神奈川もTwitter上では完璧に「汚染地区」の仲間入りしている。
でも、そんな話、リアル世界ではだれ一人しない。
今や私のタイムラインの7割くらいが放射能関係のことをつぶやくようになっちゃってるから、
そんな情報は結構、昼も夜もなく入ってくる。

だからって、何ができるっていうんだろう? 
自分は無力だと痛感する。

保護者の関心は、専ら、成績と入試関係だ。

昨日の部活でのこと。
美術室で補習の片付けをしていると、部の子が寄って来た。
愚痴を何か言いたいときに寄ってくる生徒だ。
今日はなんだろうなーと思って片付けつつ話を聞く。
そういえば、と思い出す。
この子は、幼いときにお母さんを亡くしていた。

 生徒「あのねー最近、すごいホームシックなの。」
 私「・・・? 学校終わったら毎日家に帰ってるじゃん。」
 生徒「じゃなくて、家にずっといたいの。家が天国で、学校が地獄なの。」
 私「何で学校、地獄だって思うの?」
 生徒「我慢しなきゃとか頑張らなきゃとかがありすぎて、もう無理だよって思う。」
 私「心が疲れてるなら、1日くらい学校休んでもいいと思うけど。」
 生徒「・・・だってそんなのズル休みじゃん。病気じゃないのに。」
 私「心が疲れてんのも立派な病気だからさ。無理して来て、もっと心が疲れたらどうすんの?」
 生徒「・・・死にたくなるかも。」
 私「だからさ、休んでいいと思う。辛いならてきとーにやればいいよ。」
 生徒「先生がそんなこと言ってもいいの~?(笑)」
 私「だって、私にもそういうときがあったから。実際休んだし(笑)。」
 生徒「でも、絵はね、一生懸命描きたい、寝なくても描きたい。」
 私「それはそれでいーんじゃないの?」
ここから、高校の話になった。
成績がアヒルいっぱいで、美術だけ5の彼女は、
美術系高校に進み、将来は美術に関する仕事をしたいらしい。
のんびりおっとりした、笑顔のかわいい優しい子だ。
勉強を必死でやらなくても、その人柄で生きて行けるよ、と思う。
むしろ、ガリガリ勉強することで、彼女の良さが損なわれてはもったいない。
そういう子もいる。
5教科は3以上なら、歯を食いしばって頑張らなくても推薦で行ける私立の美術系高校はわりとある。
祖父母が私立でもいいよ、と言ってくれてるらしいから、無理せず私立推薦が、この子はいい。
学校名を挙げて教えて、とりあえず3はとれるくらいの勉強はしなよ、と言ったら、
それならなんとかやれそう、と安心した顔をした。
そこに入って、好きなだけ絵を描いて、自分の世界を追求して行けば、
彼女なりの道が拓けてくるだろう。


私が生徒にできることはいつだって少ない。
版画のインクを水洗いしてたら、手がカサカサして、ちょっと情けなくなった。



























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