海洋天堂 予告篇
ノンアクションのジェット・リー。
自閉症児のいる施設でボランティア活動を14年行ってきたシュエ・シャオルーという方の脚本で、
これを読んだジェット・リーが心から感動して、
ギャラはいらないのでこの映画に出演させて欲しいと言ったという。
この映画、とても衝撃的シーンから始まる。
内容は言わない方がいいだろうから、言わない。みて欲しい。
ジェット・リーはほとんどの映画で、
「ヒーロー」であり、悪役であってもほぼ「無敵」だったり、
とにかく「普通の人間」ではない超人をずっと演じてきた。
しかし、この映画ではジェットは『ごくごく普通の父親(ワン・シンチョン)』の役。
水族館で働く47歳のワン・シンチョン(王心誠)は、しかもとても地味だ。
妻に先立たれ、残された自閉症と重度の知的障害を持つ
21歳の息子・ターフー(大福)と二人で生活している。
ところがある日、シンチョンは自分が癌に侵され余命わずかであることを知り、
シンチョンは自分が亡き後、息子が幸せに暮らしていけるよう、
施設探しや生活習慣を身につけさせるために奔走し、努力する姿が描かれている。
音楽はなんと、久石譲が担当している。
ターフー役には、『ドラゴン・コップス』でやはりジェットと共演したウェン・ジャン。
この人、演技がものすごく上手い。
『ドラゴン・コップス』ではチャラ男の刑事役だったのに、この変わり様。。。
さて、この映画、前半はジェットとウェン・ジャンのからみがとてもユニークで微笑ましい。
そしてジェット・リーが昔の『リー・リンチェイ』だったころに見えてくる。
屈託ない笑顔、表情の豊かさ。
そして誠実さ、真面目さ、心優しさ。
それは懐かしい『リー・リンチェイ』の姿そのものだった。
ジェット・リーは冴えない中年の男性に扮してはいるけれど、
笑顔がピカピカ光る。本当に可愛らしい笑顔だ。
心の素直な、優しい人なんだと思う。
そして、後半から本当に切ない。
ジェット演じるシンチョンは末期癌で耐え難い痛みが時折襲ってくる。
そのときの苦しそうな表情や焦って薬を煽る姿、
ターフーが何度言ってもわからないときのジェットの悲しそうな顔・・・・。
そして病で死んでしまうジェット。
銀幕の中では常に「不死身」とも言えたあのヒーローのジェット・リーが。
最後、ジェットが亡くなった後のターフーの生活シーンはかなり感動的だ。
そして、ウミガメのシーンはこの映画の中で最も感動的だ。
(私はここで号泣した・・・それまで耐えたのに・・・。)
このシーンこそ『海洋天堂』(OCEAN HEAVEN)の名に相応しいものだと思った。
詳しく書かないので、気になる人はぜひみて欲しい。
映画の内容とまた別なのかもしれないけれど、
この映画によって、ジェットが「人間」だと強く意識させられた。
年老いた(ふうに演出された)ジェットの姿、迷い戸惑う姿、
息子を優しく見守り、導く父親としての顔のジェット、
病で苦しみ、息子の行く末を案じながら死に至る悲しみを表現したジェット。
役者として演技の幅を大きく広げ、
たとえアクションがなくても、
一流の演技者であることを証明した映画だと言えるのだけど。
ヒーローは絶対に死ななかった。
いつも一番強かったし、迷わなかった。
いつもポーカーフェイスだった。
そんな彼の姿に、
私のような不完全なところばかりの人間は何かの希望を見いだし、
夢を託していた。
しかしそんなヒーローとしてのジェットの姿は、この映画には全くなかった。
それはアクションばかりがクローズアップされ、
豊かな感情を最近では表現できなかったジェットが最も望んだことだったのだろう。
でも、私は不安の霧のようなものが胸に残った。
『普通の人』だとはっきり意識してから。
この人のピカピカした笑顔も、いつかは消えてしまうんだな、と。
ジェットの笑顔が本当に大好きなんだけれど。
全て夢みたいなものなんだな・・・・と。
あまりに悲しくて仕方なくて、ジェットが夢にまで出て来た(!)ので、
昨日は明るいジェット・リーがみたくて『ハード・ブラッド』をみたのだった。
(明日に続く!)
ノンアクションのジェット・リー。
自閉症児のいる施設でボランティア活動を14年行ってきたシュエ・シャオルーという方の脚本で、
これを読んだジェット・リーが心から感動して、
ギャラはいらないのでこの映画に出演させて欲しいと言ったという。
この映画、とても衝撃的シーンから始まる。
内容は言わない方がいいだろうから、言わない。みて欲しい。
ジェット・リーはほとんどの映画で、
「ヒーロー」であり、悪役であってもほぼ「無敵」だったり、
とにかく「普通の人間」ではない超人をずっと演じてきた。
しかし、この映画ではジェットは『ごくごく普通の父親(ワン・シンチョン)』の役。
水族館で働く47歳のワン・シンチョン(王心誠)は、しかもとても地味だ。
妻に先立たれ、残された自閉症と重度の知的障害を持つ
21歳の息子・ターフー(大福)と二人で生活している。
ところがある日、シンチョンは自分が癌に侵され余命わずかであることを知り、
シンチョンは自分が亡き後、息子が幸せに暮らしていけるよう、
施設探しや生活習慣を身につけさせるために奔走し、努力する姿が描かれている。
音楽はなんと、久石譲が担当している。
ターフー役には、『ドラゴン・コップス』でやはりジェットと共演したウェン・ジャン。
この人、演技がものすごく上手い。
『ドラゴン・コップス』ではチャラ男の刑事役だったのに、この変わり様。。。
さて、この映画、前半はジェットとウェン・ジャンのからみがとてもユニークで微笑ましい。
そしてジェット・リーが昔の『リー・リンチェイ』だったころに見えてくる。
屈託ない笑顔、表情の豊かさ。
そして誠実さ、真面目さ、心優しさ。
それは懐かしい『リー・リンチェイ』の姿そのものだった。
ジェット・リーは冴えない中年の男性に扮してはいるけれど、
笑顔がピカピカ光る。本当に可愛らしい笑顔だ。
心の素直な、優しい人なんだと思う。
そして、後半から本当に切ない。
ジェット演じるシンチョンは末期癌で耐え難い痛みが時折襲ってくる。
そのときの苦しそうな表情や焦って薬を煽る姿、
ターフーが何度言ってもわからないときのジェットの悲しそうな顔・・・・。
そして病で死んでしまうジェット。
銀幕の中では常に「不死身」とも言えたあのヒーローのジェット・リーが。
最後、ジェットが亡くなった後のターフーの生活シーンはかなり感動的だ。
そして、ウミガメのシーンはこの映画の中で最も感動的だ。
(私はここで号泣した・・・それまで耐えたのに・・・。)
このシーンこそ『海洋天堂』(OCEAN HEAVEN)の名に相応しいものだと思った。
詳しく書かないので、気になる人はぜひみて欲しい。
映画の内容とまた別なのかもしれないけれど、
この映画によって、ジェットが「人間」だと強く意識させられた。
年老いた(ふうに演出された)ジェットの姿、迷い戸惑う姿、
息子を優しく見守り、導く父親としての顔のジェット、
病で苦しみ、息子の行く末を案じながら死に至る悲しみを表現したジェット。
役者として演技の幅を大きく広げ、
たとえアクションがなくても、
一流の演技者であることを証明した映画だと言えるのだけど。
ヒーローは絶対に死ななかった。
いつも一番強かったし、迷わなかった。
いつもポーカーフェイスだった。
そんな彼の姿に、
私のような不完全なところばかりの人間は何かの希望を見いだし、
夢を託していた。
しかしそんなヒーローとしてのジェットの姿は、この映画には全くなかった。
それはアクションばかりがクローズアップされ、
豊かな感情を最近では表現できなかったジェットが最も望んだことだったのだろう。
でも、私は不安の霧のようなものが胸に残った。
『普通の人』だとはっきり意識してから。
この人のピカピカした笑顔も、いつかは消えてしまうんだな、と。
ジェットの笑顔が本当に大好きなんだけれど。
全て夢みたいなものなんだな・・・・と。
あまりに悲しくて仕方なくて、ジェットが夢にまで出て来た(!)ので、
昨日は明るいジェット・リーがみたくて『ハード・ブラッド』をみたのだった。
(明日に続く!)
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