『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

第142回 音楽家講座 in鶴見~甲野善紀先生を迎えて~

2025-03-20 20:54:51 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
3月17日(月)
良いお天気に恵まれた一日となりました。
この日は、午前中にコンサートの打ち合わせがあり、その後ランチをして、1時から近くのカラオケ屋さんで練習(フルートを!)したのですが、平日だというのにとても混んでいて15分待って、2時間限定。
本当はもう1時間くらいと再度申し込もうと思ったら、今度は30分待ちとのことであきらめ、他のお店に行ったら、やはり30分待ち。
でも、とにかく色々と試したいことも多かったので、そこで再び練習。

程よい時刻となり、音楽家講座。
朝から色々とやって、練習も4時間弱、とフル稼働でしたが、楽しいことばかりなので、旅行の時と同じで全く疲れを感じることもありませんでした。

甲野先生は京都からそのままお越しくださいました。
お忙しい中、本当にありがたいことです。

少し早く到着されたので、今回の気付きをご報告して、演奏も聴いていただくことができました。

「白川さんも、今生を長く生きて、その気付きがあれこれ考えなくても、出て来るようにならなければいけないですね。もちろん、それを他の人に説明するには役に立ち良いのですが・・。何しろ、今私は誰よりも自分の未熟さを自覚したところで、それは家の倉庫の地下にもう一つ隠し部屋があって、そこに宝が沢山入っていた、というような驚きと喜びがあるんですよ。」

とのこと。
先生のレベルで、先生のお年で、「未熟を自覚して喜んでいる」ということが凄いことです。

これしきのことで喜んでいちゃあまだまだですよ、と諭された気持ちで、

「はい。なにしろ、これに気付いたのが昨日のことなので、私も元気に長生きしてより探求していきたいと思います。」とお返事。

ともあれ、先生の前でもより自在に演奏出来たのは大きな進展。

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講座は半数が初参加の方だったこともあり、またその後、私もそうでしたが、先生の不思議な体験のお話によって、相当色々と変化された方が多かったこともあり、また「不思議な話」で始まりました。

この御話しに付随して先生が体験されたその他の不思議な体験のお話もありましたが、いずれも、先生のプライベイトなことなので、ここに記すのは控えさせていただきます。

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前回のお話に加えて、更に2つの不思議な体験のお話をされる。
また、それに関係した身体を観ることが出来る方々のお話も。
会場の全員がとてつもない集中力で引き込まれているのが判る程。

お話はいつもの1時間よりも長くなりましたが、ちょっとそれを止めて個別指導に、という感じではなかったし、参加者の方の雰囲気も同様だったので、そのままに。
こんなことは音楽家講座が始まって以来、22年にして初めてのこと。

そして、この不思議な体験によって、ご自身の内面が変化したことにより、大きな技の進展が。

(お話)
今回のことで、根本的にものの見方が変わった。
極当たり前のことにでも感謝する。その「ふり」だけでも違うが、本当に自分の中が変わると驚く程の変化が。

「天然もの」の変化には力がある。





(刀を何度も構えながら)
微妙な働きの凄さ。
何十か所もが、ザワっと揃う気持の良さがあり、ずっとやってしまう。

左小指はちょっとはずれるくらい。右手でやっているようだが、じつは左。
左が体中で持っている。(だからこそ)左は触れているだけ。

感情も含めた気持ちよさがある。

自分のあらさがし。








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(個別指導)

1.三味線
  身体が音を止めた感じになってしまう。
  大きな音ががなってしまう。

(先生)「自分の中から止めているものを払う。今やります」
祓い太刀で大きく変化。


2.フラメンコギター  
   様々な姿勢があって悩んでいるのだけれど、どれが良いか?

(先生)脚のポジションを変化させることを提案
    「動こうとしたとき、動ける姿勢で」

軸が整い、音にも芯が通った響きに。



3.三味線
   響きを自分で感じられない。
   弾いているうちに、どんどん怖い表情になってしまう。

(先生)「自分で自分に対する不満がそうさせる。ある世界にパっと入れるとFlowな状態に入ることが出来、内面が変化する」

丸紐による四方襷で、響き、表情のみならず、声、肩の位置も大きく変化。


4バストロンボーン
   柔らかい音から勇ましい音までをより自然に吹き分けられるようにしたい。
   呼吸に関して何かないか?

(先生)「呼吸に関しては、あまり話したことがなく、これも今回初めて話すのだけれど、動きに肺が関わってくる。肺を色々な形になるように。動きにもいろいんな役目がある。子供のダンスの様に肺が踊る」

そのまま下がろうとされたので、「今の今ですし、出来なくでも当たり前のご助言ですから、もし良かったら、なんとなくで、良いので、アフターも吹いてみていただけませんか?」と司会者無茶ぶりをしてしまったのを快く受けてくださり演奏。

より楽しそうに軽々と変化し響く演奏に。


5.歌
   以前祓い太刀をしていただいて、大分首肩周辺がラクになり高い声も出るようにな  ったので、御聞かせしたい。またやっていただきたい。

祓い太刀で更にのびやかに変化。

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なんといっても、「肺のダンス」だろう。

丁度、ポニョ、エイと進化?してきて2日目だったこともあり、それがより深い場所(肺)で行われているのだよ、とヒントを頂いた心地。
思わず、「先生、それは何か具体的な形とか、イメージはありますか?ハートとかこう何か?それとも、そういうものではなく、何か?」

「そりゃあ、具体的にありますよ」

とのことだった。

懇親会でも初参加の方に技を経験していただいて、いつもの居酒屋稽古会に。

「ね、人は人の心がありありと読めますから、こちらの手は何もやっていない、と思わせるのです」と仰っていたので、ここでもまた質問。

「先生、それは楽器も同様ですか?」

ニヤっとされ「それは、そうですよ。楽器は最も思念の残るものですからね。楽器、刀、そして着物・・」

いつも、「今日もよろしく」と楽器に挨拶して始めて、「今日もありがとう」と楽器を手入れしてしまって、とやっているし、生徒さんにもそのように教えているけれど、楽器に技をかけて通じるようにしよう、なんていうことは思ってみたこともなかった。

でも確かに、そのように思った時の自身の心身は全く違う訳だから、これは科学的手法といっても良い。

また新たな研究課題が出来、面白いです。

ご参加くださった皆様、スタッフAさん、会場スタッフの皆様、甲野先生
本当にありがとうございました。

次回は同会場同時刻で、4月17日(木)となります。
5月はお休みで、その次は6月となります。

どうぞお越しくださいませ!



(業務連絡用)搬入・搬出、駐車場案内

2025-03-18 22:14:37 | 日常
(業務連絡用)搬入・搬出・駐車場案内


①大型荷物の搬出入経路
赤丸で囲ったところが駐車場入り口




②シークレイン共用部に関するお願い




③手前から
搬入口(サルビアホールのみ使用可なので、音楽ホールでは使用不可)
駐車場出口
駐車場入り口(突き当りの黒い案内板のところ)




④駐車場入り口案内板



⑤入ったら右へ



⑥青いコーンの箇所に車を停めて、右角にある管理事務所に行き、台車に載せて搬入(所用時間30分)




⑦赤い動線に従ってエレベーターへ移動。3階で降りる。



⑧搬入後は青いコーンの箇所から車を出し、時間決めの駐車場に移動。
(平日であればシークレーン内の時間決めの駐車場が大概空いているが、空きがない場合は他の駐車場へ)


⑨搬出時にはまた青いコーンの箇所に車を戻し、そこで積み込み作業
(所要時間30分)駐車場出口へ



含胸抜背 ・ポニョ・エイ

2025-03-16 22:05:30 | 気付き
本当に大きな気付きだったのに、なんというか隠しておきたいという深層心理が働いたせいか、カテゴリー「気付き」ではなく「日常」の一つのエピソードとしてしか書き残していなかった「含胸抜背」。

あくまでも、自分にとっての、フルートの構方としてのものなので、「それは違う」という武術方面からの突っ込みはあるかもしれませんが、御容赦を。

この四文字熟語の効果、威力だけでも、かなりの効果はある人にはあるのではないか?と思う。
漢字って凄い。

2月7日に韓氏意拳を嗜まれている方がご遠方からフルートを習いにいらしてくださったお陰。

私の演奏する姿と、それに至る構え方をお教えしたところ、「それは、まさに含胸抜背ですね!」と仰ったのだった。

その後フルート体で「鶴瓶の原理」で楽器を構える折に、上下のバランス、つまり「下がるから上がる」は気にしていたけれど、前後、フルートと身体との関係性、つまり身体とフルートの距離の変化がおろそかだったことに気付き、それを踏まえて、フルートが身体に近付く折に、重心もまた少し上にリリースするようにしたところ、本当に大きな変化が。

この構えにすると、前後左右、何処から力を加えられてもぐらつかず、安定している。それなのに、自身は力を入れて踏ん張っている訳でもなんでもない、というおよそ実感からは程遠い不思議な感覚。

昨年7月の軟口蓋の気付きよりもはるかに大きな変化がドンと来ていて、あっけにとられているのだけれど、それもまあ、軟口蓋の気付きがあればこその変化だったのかもしれません。

更に言えば、1月28日の前回の音楽家講座の折にうかがった甲野先生のとても不思議なお話によって、改めて自分自身を見つめ直すことが出来、より感情が奥底に沈んだというか、落ち着いたということが大きかったのかもしれません。
沈むといっても、暗くなるとか、そういうのではなく、何かですぐにかき回されて濁ってしまう湖の底の泥が、ずっと水底に変わらずある、というような感じでもある?
単なる年の功かもしれず、このあたりはよくわからない。

もうこれだけでも、大満足で、より吹くことが楽しくて仕方なくなっていたのですが、今朝練習していて、新たなポニョの気付きが。

これは崖の上のポニョが人間の女の子に変身する様子をTV画面で見ていて、「そうだよな、元は胸鰭だったんだよなあ」と自分の手を見つめたのが最初の気付きで、もうかなり昔。

そのお陰で、指の動きが変質し、バッハタッチなどとの共通点にも気付き、と大きな収穫があったのだけれど、本日は、それを使っていない、主に右手になるけれど、そちらで、行うことに気付いた。

やはりTVでシーラカンスの番組を観たことも影響していたかも。

ちょっと不思議な感じだけれど、つまりは「休むな」「動きを止めるな」ということなんだと思う。

以前は「使っていない指を脱力してしまうと、そこが死んでしまって響かなくなりますよ」と言って、一定の圧、テンションをかけるようにして、効果があったのだけれど、それよりもずっと音がのびやかになる。

胸鰭なんだから、動きっぱなしにしていた方が良い。

午後のレッスンで、早速生徒さんに試してみたところ、やはり驚くほどの変化に。一緒にアルテスのデュオなどすると部屋の全ての壁、天井がこれまでにない響き方をして、本当に驚きました。

そしてデュエットしながら気付いた。
胸鰭、手指は手首、肘、肩、肩甲骨と繋がっているじゃない?
ということで、最終的には、鳩尾あたりが起点になってそこからしなやかに動く感覚に。ということで、「エイ」。




3月の設え

2025-03-13 11:32:20 | テーブルコーディネート
もうだいぶ過ぎてしまいましたが、クッションカバーをコットンのキルティングにして春仕様に。

このところ、「レース」がマイブームだし、春らしいので、クロスは骨董市で入手したフィレレース。

・・確か3000円くらいで、使うたびに、とってもお買い得だったことを何度も思い出させてくれる嬉しいレースです。

センターピースは先月に続いて、マルタでのお土産をそのままに。
自由時間が多かったせいか、暮らす様な気分で過したせいか、とても懐かしく感じるので、しばらくこれで。



フキノトウのパスタも、今年は3回楽しむことが出来ました。
今は採りそこなったものが2つ大きく育って花が咲いています。



そして、このところの雨の恵か、シイタケが4っつも!



今夜は豆ごはんにする予定。
この時期ならではの春の御馳走です。

岩城正夫 先生 訪問

2025-03-12 09:08:28 | 日常
久々に、Nさんと一緒に岩城先生を訪問しました。

8月に奥様がご逝去された後、先生は奥様が生前に書かれていた様々な貴重な文章をまとめて、一冊の本にされたのですが、そのことが良いご供養にもなり、先生にとっても良かったのではないか、と思えるほどに、すっかりお元気なご様子でした。

また、先生のことを慕って、若い方達から様々な相談を受けることも多いらしく、そのことも、先生の生きる意欲、お元気さにも繋がっているのを感じました。

毎日、7000歩以上は必ず歩くことにしている、というのも健康の秘訣のひとつかもしれません。

姿勢もお顔の色艶も良く、声の張りも失われておらず、とても95歳とは思えない御元気さです。

お酒も量は減ったものの、毎晩晩酌されているとのこと。
この日も、ビールとワインで乾杯。

「人が生きるということはどういうことなのか、この頃、より考えるようになりました」と先生。

これはまさに、甲野先生もおっしゃっていることで、御二人のお話はいつも不思議とシンクロします。