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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

岩城正夫 先生 訪問

2025-03-12 09:08:28 | 日常
久々に、Nさんと一緒に岩城先生を訪問しました。

8月に奥様がご逝去された後、先生は奥様が生前に書かれていた様々な貴重な文章をまとめて、一冊の本にされたのですが、そのことが良いご供養にもなり、先生にとっても良かったのではないか、と思えるほどに、すっかりお元気なご様子でした。

また、先生のことを慕って、若い方達から様々な相談を受けることも多いらしく、そのことも、先生の生きる意欲、お元気さにも繋がっているのを感じました。

毎日、7000歩以上は必ず歩くことにしている、というのも健康の秘訣のひとつかもしれません。

姿勢もお顔の色艶も良く、声の張りも失われておらず、とても95歳とは思えない御元気さです。

お酒も量は減ったものの、毎晩晩酌されているとのこと。
この日も、ビールとワインで乾杯。

「人が生きるということはどういうことなのか、この頃、より考えるようになりました」と先生。

これはまさに、甲野先生もおっしゃっていることで、御二人のお話はいつも不思議とシンクロします。







ビリティス(六つの古代のエピグラフ)

2025-03-06 00:39:52 | 音楽・フルート
全てはピエール・ルイスの創作ではあるけれど、「ビリティスの歌」の舞台はパンフィリイ、レスボス島、キプロス島、となっていて皆地中海。
昨年のシチリア島、南イタリア、そして今回のマルタ島と地中海の旅が続いたこともあり、独特の光、風、海、空の色、とその風土全てがシンクロしてきます。

キプロス島は、ドバイで乗り換えた後、途中で立ち寄ったけれど、2時間の機内待機。
ビリティスやるとわかっていたら、キプロスにも行く旅にしたのに、とちょっと残念。

新婚旅行は個人旅行でトルコをウロっとしたのだけれど、南のリゾート地、アンタルヤがおそらく、パンフィリィにも、キプロスにも地理的には近い。

あとレスボス島は、やはりトルコのエフェスが近い。

ミュンヘン時代に女子旅したアテネ、ナクソス島も、まあ近い。

いずれも遥か昔ではあるけれど、夫々の陽光、風土の体感は記憶に残っている。

地中海の語源は「黒海」に対しての「白い海」ということだけれど、白というか、透明な、軽やかな明るさのある、様々なニュアンスのある青。


2025年1月18日マルタ共和国 ゴゾ島

確かヴェルレーヌだったか?「色ではなくニュアンス」とあったけれど、ドビュッシーの音楽にも通じている。

いくつもの門のある城壁に囲まれた古い街、そして習慣として、その外側に死者を葬るための墓地の街が作られるというのも古代ギリシャからローマ時代に繋がる風習。

フェニキア人であるビリティスのお墓も地下墓地とその冒頭「ビリティスの人生」の中でルイスが書いている。

マルタ共和国の古都イムディーナも同様で、街の門を出るとラバトという死者の為の街となるのだけれど、このラバトは固有名詞ではなく、「死者の街」という意味を持つ名前であり、色々な地域にあったそう。

クラッシック音楽を学んでいると、どうしても西洋文化というのはドイツであり、フランスであり、イギリス、イタリア、となってくるけれど、西洋文化の源流はこの地中海にあるということを改めて、しみじみ感じています。

劣化の少ない石や岩で築かれた文明だからこそ、何千年、何百年と当時のものが残っているのも素晴らしい。

と同時に近代になって登場したコンクリートのビルやアスファルトで覆われた道の耐久性は何年くらいなのか?何年くらいで劣化してしまうのか?3000年とはいわなくとも、1000年後に観光客は訪ねてこられるのか?とちょっと考えさせられたりも。

といつもながらに、話しがそれてしまいました。

全文読むと、ちょっと胸やけしてしまう程の妄想力のピエール・ルイスのビリティスですが、最後は芸術賛歌で終わっている。

ちなみに「墓碑銘」というのは実際にP.ルイスが書いたものは3つで、フランス語表記では LE TOMBEAU。
それ以外は、BUCOLIQUES, ELEGIES,  EPIGRAMMES の3つの詩集となって編纂されている。

意味は、夫々、「牧歌」、「哀歌」、「エピグラム(短詩)」。
エピグラムにも碑文、碑銘という意味があるので、ややこしいのだけれど、この場合は、既にLE TOMBEAU「墓碑銘」が別途あるし、3つ夫々の詩(歌)のスタイルを表す言葉である「短詩」と解釈する方が、「碑銘」よりも妥当だろう。
より揃えるのであれば、
「パストラーレ」「エレジー」「エピグラム」が良いかも。

エピグラフとエピグラムが一字違いで似ているのもややこしい。(´;ω;`)


エピグラフというl記載はルイスのものにはなく、おそらくこの6曲をまとめたドビュッシーによる命名だろう。もしくは出版社かも。

それまでの作品は、ルイスが出版の時に命名したChansons de Bilitis 「ビリティスの歌」を使用していたのに、ピアノ連弾に編曲しチョイスしたこの6曲に関してのタイトルはいきなり、Six Epigraphes antiques 「六つの古代の碑銘」となっている。まあ、確かに「古代の碑銘」というのはかっこいいけどね。

フルートとピアノのものは、その連弾をさらにドイツのフルート奏者であるカール・レンスキーが編曲したもの。
彼は、タイトルをバッサリと「ビリティス」のみに。
とても良い決断だと思う。
ちなみに、彼がもう一人のカールである楽器歴史の研究者のカール・ヴェンツケと共著での大きくて重たくて、ついでに高価なフルートの本がドイツから出ているのだけれど、これはかなり役に立ってくれている。
私の狭くて浅い知識教養を補ってくれている種本でもある。

昔はおぼつかないドイツ語を辞書を引きながらだったので楽しかったけれど大変で、それが今はもうスマホの翻訳サイトのカメラ機能でパチリとすれば、あっという間にサクっと日本語に。精度もかなりのもので、本当にとてもラクになりました。

(ドビュッシーのビリティス関連作品はそれまでの成り立ちが複雑なので、こちらで。)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%AD%8C)


でも、この場合も、もとは「歌・詩」なのだから、碑銘という意味ではなく、強いていえば「六つの古代の歌」もしくは「六つの古代の詩」で良いのでは?
とはいえ、かっこいい碑文のニュアンスも残したい、ということで、もう「エピグラフ」でいいんじゃないか?という結論に到達し、プログラムには「六つの古代のエピグラフ」とすることに。
「の」が重なるのがやや気に入らないけれど、他に思いつけないので。


これまたややこしくて、エピグラフも、エピグラム同様に碑文、碑銘の意味があるのだけれど、果たして巷に普及しているように「碑銘」(時には「墓碑銘」)と訳して良いのか?と疑問に思う。

ちょっと想像してみる。
140以上もの詩をみな岩に刻んだのか?誰が?ビリティス自身が?
(それはちょっと大変じゃあ?)
そもそも、そんなに沢山の碑銘を刻める程の豪華なお墓だったのか?

ルイスは墓碑銘としては3つのみ記していて、それはビリティスが納められた石棺、そして次は・・とこれまた詳しく・・
多分「墓碑銘」はその3つのみであって、それ以外は、パピルスに書かれ残された彼女の沢山の作品、つまりは詩ではなかったか?と、思う。

ルイスの妄想の世界をまた妄想しているだけなので、ここまでこだわる必要はないのかもしれないけれど、昔からとても違和感があったので、考察してみました。



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ビリティス(六つの古代のエピグラフ)   
  作曲/ C.ドビュッシー/1915年
      詩/P.ルイス/1894年    訳詞 /栗田勇         

Ⅰ.牧場の歌  
パンフィリィの牧歌・・故郷パンフィリィ(トルコ南部)での少女時代

夏の風の神 パンに加護を祈るため 牧場の歌をうたわなくては
わたしは わたしの羊の番を   セレニスは セレニスの羊の番をする  風にふるえる オリイブのまあるい木陰で (後略)



2025年1月19日 マルタ共和国 ハジャーイム神殿近郊





Ⅱ. 名のない墓 
ミュティレネの哀歌・・レスボス島 サッフォー、ムナジディカとの恋
            (16歳以降)

ムナジディカがわたしの手をとり  町の門を幾つかくぐり 
耕されない小さな空き地までつれてった
そこには一つの大理石の墓碑があった  あのひとは わたしに言った  『このひとは お母さんの女友だちだったのよ』 (後略)   

 
2024年3月9日 ポンペイの墓地




2025年1月20日 マルタ共和国 イムディーナの門 朝と夜




2025年1月20日 マルタ共和国 ラバト 聖アガサ地下墳墓



Ⅲ. 夜への賛歌   
キプル島のエピグラム・・キプロス島 遊び女としての暮し(20歳前後)

樹々の暗いかたまりは もう山のようにうごかない  
あの限りない空には星がいっぱい ひとの子の息吹のように暑い風  
わたしの瞼と頬をくすぐるの  (後略)


2025年1月16日 マルタ共和国 ヴァレッタ



2025年1月20日 イムディーナ




Ⅳ.カスタネット(クロタル)を手に持つ踊り子 
キプル島のエピグラム・・キプロス島 (30歳以降)


そなたは鳴りひびくカスタネットを 軽やかな手に結び 
わたしの可愛いミリニジオン 
そしてローブを脱ぎ捨て裸になると せんさいなその手肢をひき伸す

2024年3月11日 ピアッツァ・アルメリーナ






Ⅴ.エジプト人の遊び女たち   
キプル島のエピグラム・・キプロス島 (30歳以降)

プランゴと二人で 旧い市街のいちばん奥の 
エジプト人の遊び女たちの宿へゆく
そこにあるのは素焼きの酒壺 銅の皿 黄色い莚(むしろ)  
そこに彼女たちは力もなげにうずくまる (後略)

(2019年4月 エジプト 王家の谷)
 


Ⅵ.朝ふる雨
キプル島のエピグラム・・キプロス島(40歳前後)

夜は消えさる 星ははるかに遠ざかる  
いまこそときは 最後の遊び女たちも情人たちと家路についた 
そしてただわたしだけ 朝(あした)ふる雨に濡れそぼれ 
砂の上に 詩句をかく (中略) 
ひとしずくまたひとしずく雨がわたしの歌をうがってゆく (中略)
ミルタレ、タイス、グリケラも 美しき頬のこける日に 
その身を語りはしないだろう
けれど後の世に生まれ 恋するひとはうたうだろう  
わたしの詩(うた)を もろともに



2024年3月9日 ポンペイ

2024年3月9日 ポンペイ

2024年3月9日 ポンペイ


(告知)4月24日(木) Flute meets Minipiano 鶴見区民文化CサルビアH3F音楽ホール

2025-02-28 08:38:51 | 音楽・フルート
早いもので、今年も、もう2カ月が過ぎようとしていますが、如何お過ごしでしょうか?昨年末のコンサートは、お忙しい中、沢山の皆様にお越しいただき、感謝しております。本当にありがとうございました!

4月24日(木)19時より、鶴見区民文化センターサルビアホール3階音楽ホールにて、とても珍しいミニピアノとのコンサートを開催します。
(全席自由 3000円、未就学児不可)
チラシ冒頭にも書きましたが、ミニピアノは「初めて聴くのに懐かしい」という形容が最もしっくりとくる、繊細で親密な響きの楽器で、フルートとの相性は最高です。
おそらく関東地方でこの楽器が演奏されるのは初めてではないかと思います。






プログラムは春の宵に相応しい作品を集めました。
お馴染みの名曲「アルルの女のメヌエット」や「精霊の踊り」等の小品も、ミニピアノとのデュオでは、新たな魅力を放ちます。

また最後の3曲はドビュッシーの作品ですが「夢」を導入とし、「シランクス」でギリシャ神話の世界に遊び、古代ギリシャの「ビリティス」へと繋がります。
「シランクス」は20世紀最高のフルート無伴奏作品で友人ガブリエル・ムーレイの劇「プシュケ」の付随音楽として作られました。

「ビリティス」はやはり友人ピエール・ルイスの奇書?「ビリティスの歌」がテキストで、当時のフランス人が憧れ夢想した古代ギリシャの奔放なビリティス(遊女・詩人)の生涯が描かれたものです。
舞台はトルコ南部のパンフィリィ、レスボス島、キプロス島です。
古代の地中海の風や風土に思いを馳せて頂くことができるよう務めたいと思っております。

会場は鶴見駅から徒歩2分と便利で、とても響きの良い会場です。御都合つくようでしたら、どうぞお越しくださいませ。

お問い合わせ、お申し込みは白川まで。 karadatoongaku@gmail.com

どうぞよろしくお願いいたします。 白川真理

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(プログラム)
〖 Minipiano  Solo 〗                           

  未定(演奏とお話 砂原悟)


〖 Flute meets Minipiano 〗

・踊る人形                             E.ポルディーニ(洪1869-1957)    
・精霊の踊り               C.W.グルック(独1714-1787) 
 
・シチリアーノ            G.B.ペルゴレージ(伊1710-1736) 

・ヴァイオリンソナタK.304ホ短調  
Ⅰ. Allegro   Ⅱ. Tempo di Menuetto   W.A.モーツァルト(墺1756-1791) 

           ・・・休憩15分・・・

・メヌエット(『アルルの女』より)        G.ビゼー (仏1838-1875)   

・瞑想曲(オペラ『タイス』より)        J.マスネ(仏1842-1912) 

・コンクール用小品               G.フォーレ(仏1845-1924)   

・夢                  C.ドビュッシー(仏1862-1918) 
 
・シランクス  Fl.Solo                   
      
・ビリティス(六つの古代のエピグラフ)   
           
Ⅰ.牧場の歌    Ⅱ. 名のない墓   Ⅲ. 夜への賛歌 
 
Ⅳ.カスタネットを手に持つ踊り子

Ⅴ.エジプト人の遊び女たち   Ⅵ.朝ふる雨





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3月29日(土)午後3時、京都では、こちらのコンサートが。
御都合のつく方は是非!

(以下引用)
砂原悟教授退任記念演奏会「minipiano 2.0」
2025年3月29日(土曜日)、京都市立芸術大学 堀場信吉記念ホールにて、2025年3月をもって退任する砂原悟教授退任記念コンサートを開催いたします。
在職14年、音楽学部長や副学長を務め、学生の学びと本学の発展のために尽力した砂原教授が、自身が指導した卒業生やガムラングループ・パラグナと共演し、ミニピアノの新しい響きへ挑戦します。
皆様の御来場をお待ちしています。





アンティークレース

2025-02-23 14:48:50 | アンティーク
「いい?ものを大切にするっていうことは、使ってあげることなの!」

とお気に入りのTV番組「うち断捨離しました」の冒頭でやましたひでこさんが言っている。

それを聞くたびに、「そうだよね」と深く納得はするものの、その後の行動がそれほど変わる訳ではありませんでした。

でも、マルタのゴゾ島で、手仕事のゴゾレースを入手してから、押し入れにしまいっぱなしにしていたフランス製の大きなアンティークレースのことが気になるようになっていました。

約10年前、デパートのアンティークの催事のディスプレイに使われていたもので、最終日だったこともあり、破格値がついていて、驚いて思わず手にとってしまったもの。
ついでに更に、大切にしてくださりそうなので、その三分の一の価格で良い、とまで言われ即決したものでした。

リビングとキッチンの仕切りに下げて使っていたものの、やはりキッチンからの空気にいよる汚れ方が激しく、3回程、洗ったものの、これ以上は気の毒な気がしてずっとしまいっぱなしになって早3,4年か?

でも、押し入れで見かけるたびに、申し訳ない気持ちになっていたのは確かで・・

なんとか活用できないものか、と今回思いつきました。

実家の頃からあった、なめらかな竹竿。

半分に折ってこれにかけて、カーテンレールの上部においただけ。

測ったように、竹竿の寸法もぴったりで、これならレースを痛めることなく楽しめます。

唯一、危険なのはピピ。
もう作業しているそばから「何にゃ?なんにゃ?」と目を輝かし手を伸ばしてくる。
それをひとまず、チュールで落ち着かせてから、部屋の外に出して作業。
猫の爪でやったら、あっという間にだめになってしまいます。

来客時や、フルートの練習時にだけとはなりますが、取り外しも簡単なので大丈夫。

普段から、という訳にはいきませんが、とても素敵な窓辺になりました。

これでお店の人の「大切にしてくれそうなので」という期待に沿うことも出来ました。










お腹の風邪

2025-02-21 23:18:08 | 日常
2023年末から24年にかけての冬場は寒暖差アレルギーになり散々でした。

蛇口をひねったように流れ出す鼻水、それに伴う喉の荒れ、咳などなど、笛吹きとしては最悪のコンディションでした。

その後持ち直して、スギ花粉のない南イタリア・シチリアでは体調も持ち直したものの、帰国するともうすぐに花粉症で、4月あたりからは咳が残る風邪がずっと長引いて気力体力ともにかなりダウンしていました。

23年秋に弟が逝ってしまった影響はもちろんあっただろうけれど、やはり年齢的な衰えを感じずにはいられない反省ばかりの冬と春だったので、23年末に、24年末の奏楽堂でのコンサートを決めた時に、「とにかく冬場の体調管理」というのが一番の課題でした。

それからは年賀状にも書いたけれど「早寝早起き飲酒控えめ」をモットーにして、宴会も減らし、出ても1次回で帰宅という、昔の私を知っている人が聞いたら信じないだろう暮らしぶりとなりました。

音楽家講座の懇親会でも、前回、ウーロン茶を飲んでいたら、甲野先生が

「え?白川さん、ビールじゃないんですか!?」

ととても驚かれていらした。

自分でも信じられない程です。

加えて、青汁、プロポリス、漢方薬で、驚くほど元気になったし、3キロ痩せた。
(本当はもう3キロくらい痩せると健康体重ですが、まあおいおいに。)

マルタで同行した大阪の若いご夫妻のご主人がワイン好きで、色々お話しした後、
「でも、かくかくしかじか、今はワインはもう外で飲むだけで、家では毎日青汁なんですよ」と言ったら、

「ナルホド。赤と白から青にですね~」

と上手い事言っていたのも今思い出しました。流石大阪。

ちなみに「塩浴」も毎日ではなくなったけれど、続いているし、化粧水を使わなくなって1年と3か月経ちましたが、何ら問題なかった。というかむしろ調子良い?

ともあれ、本当に色々調子は良かった。
風邪も全くひかなかったし、奏法の進展もあり、肩の凝りも激減で、階段なんかは人生最新記録の速さで上っていたし。

それが一昨日の水曜日。
その前日火曜日から、妙にお腹が張る兆候があり、「?」と思っていたものの、特に不調はなく水曜日も夜は普通にレッスンに行くつもりで準備していました。
午前中は夫とスーパーに買い出しに。
そこにあるリペアコーナーでヴァレッタで買ったその日に強風で壊れた赤い傘をみてもらったところ、その場で400円で修理してもらえて喜んだりして普通に元気だった。

ただ今から思えば、スーパーでカートを押して歩く時、ちょっといつもより重たい気がしたし、前回はランチの夫のお寿司に対抗して鰻弁当を買ったりしていたのに、あまり食欲がなく混ぜご飯の小さなおにぎり2個だけにしたり、とちょっといつも通りではありませんでした。

でも、普通に御昼を食べて、1時からは二人ではまっている中国ドラマ
「瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」を観ていたのだけれど、その後、お腹がゴロゴロしだし、膨満感も増し、吐き気も。
ついでにボーっとして急激な眠気も。
でも、それほど大したことないので、寝れば治るか、と思い昼寝して3時に起きて出かける準備をし始めたのですが、よりボーっとしていて熱を測るとまさかの38度2分。

お腹の風邪(ノロウィルス?)とは思うけれど、万が一インフルやコロナの可能性もあるし、ノロウィルスも感染するので、直前で本当に申し訳なかったのですが、「38度越えの熱があるのにレッスンという訳にはいかない」と会場に電話して生徒さん達にお休み連絡をしていただきました。

お腹に来る風邪は息子が小さい頃、もっと酷いのをもらって以来、おそらくひいていないこともあり、ちょっと対応にとまどいましたが、とりあえず、葛根湯はウィルスの増殖を抑える作用もあるかも?とも言われているので、プロポリスと一緒に飲んで、またひたすら眠りました。

夜には大分下がりましたが、37度2分。

去年までの平熱は35度6分とやたら低かったのですが、青汁を飲み始めてからは36度3分になったので、まあ人並みに。
でも、やはり37度越えは私にとっては高熱。

何より、いくらでも眠れるというのが異常事態。

夕方、6時頃、ピピが心配したのか、お父さんもリビングで寝ていて起きなかったせいで、ごはんの催促なのか(絶対こっちだね)フミフミゴロゴロして起しにきてくれたけれど、それがなければ、多分ずっと眠っていました。
幸い、食欲も戻り、いつもより量は少な目ですが、サラダと豚汁とお豆腐、デザートに文旦を美味しくいただきました。

翌日木曜日は、岩城先生とお約束していたのだけれど、連絡してキャンセル。
楽しみにしていたのですが先生にうつすわけにはいかない。

木曜日もほぼ寝たきりで過したら、本日金曜日は、朝からスッキリで、もうすっかりよくなり、通常に午前中に練習、午後はレッスンと社会復帰出来ました。

フルートも絶好調で、銀の五代目までもが初代みたいなハイスペックな笛に育ってきた感じに鳴ってくれるようになりました。

このところずっと考えていて、寝ている時もツラツラ考えて、ようやくやり方がまとまった新たな
「フルート体での站樁」のやり方をずっと試したかったのですが、その成果もあり、
本日のレッスンで生徒さん達に試していただいたところ、驚きの効果が挙がり上機嫌。

本当に人の身体というのは協調させて使えれば凄い可能性を秘めているということを再認識。

私のやり方は、特に站樁をやり込んだ訳でもなく、生徒さん達も同様で、つまりはなんちゃって站樁、であり、ラフで雑なものなのに、それでも、これ程違うということに驚きました。

「部分ではなく全体で」「ひとつながりで動く」(南京玉すだれ的、一筆書き的に)

というのは最初の頃からの甲野先生の教え。

それを心掛けながらの「フルート体での站樁的構え」とでも表現すればよいか。

この精度をより高めていければ、もっと違う世界が広がっているのかもしれません。
でも、まあ、あまり欲張らず焦らず、身体と相談しながらやっていくしかない。


今回熱があっても、鼻喉は全く大丈夫で、咳やクシャミも全くなかった、というのが不思議な感じがしましたが、そのお陰で消耗もなく治りが早かったのもしれません。

4月は13日にフルートフェスティバルin横浜、17日に甲野先生の音楽家講座、そして24日に砂原さんのミニピアノとのコンサート、26日は楽器店の発表会と講師演奏があるので、ここで体調崩す訳にはいかない。

ということで、今後はより慎重になって、様々なお付き合い等では不義理してしまうことも増えるかと思いますが、どうぞご容赦くださいませ。

岩城先生からはお見舞いの言葉と共に

「このところ空気が乾燥しているので、ウイルス繁殖の好条件です。」

との先生らしいメール。

一緒に行くはずだったNさんからも、お茶のお仲間でもウィルス性胃腸炎で体調を崩された方が複数いるとうかがいました。

幸い今のところ家族にも感染しておらず、ほっとしています。