『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

恐竜・滝壺・江平の笛

2022-12-09 23:19:14 | 気付き
気付きのメモです。

(恐竜)
11月30日の講習会で魔女トレ・美彌先生から伝授していただいた腰骨の操作で、背骨がビュ~ンとなって、尻尾まで生えたような感じ。
結果、胸が開き、喉が落ちる。
恐竜??のイメージで立っている。
腕は「ここしかない」場所だけれど、ティラノサウルスの腕というか前脚も、「ここしかない」場所!?
自分の身体のスケールが二回りくらい大きくなった感じになる。


(滝壺)
先日の写真展で見た、屋久島の滝壺の写真に喚起されたもの。
息は滝壺に落ちる滝。重力に任せる。


(江平の笛)
10年以上ぶりか?最近、また時々、『江平の笛』を吹いている。
福島県江平遺跡から炭化して発掘された日本最古の竹笛で、同時に発見された木簡から奈良時代、つまり日本最古の竹笛の一つ、と言われているレアなもの。

その正確な寸法を入手された先生が作ってくださった小さく華奢な竹笛。

一時は、お寺でのコンサートや、コンサートホールでも、さらには関根先生の御紹介で、江平遺跡でのイベントや、NHKTVの朝の番組でも演奏させていただいて、多くの方に喜んでいただけた。

小さいけれど、エネルギーのある笛。

ペンタトニックで、曲はないので、自作するしかなく、色々と試しているうちに生まれた曲の一つが「水月」。

何故、封印していたかというと、あまりにも、この竹笛の方が評判がよく、フルートと一緒に吹くと、完全にフルートが霞んでしまうから。

それは、自分の技量が足りないせいでもあるのだけれど、やはり日本人は竹笛の方がフルートより好き、ということではないかと思う。

このまま竹笛奏者としてやっていくには、曲数も少ないし、やれることも限られてるし、やはりバッハも吹きたいし、ということで封印してしまいました。

このままではどっちつかずになる、という不安もあった。

加えて、関根先生が「クラッシックなんて!?」とわざと私を試すかのように、何度も仰って「こっちにおいで~~」(どっちだ?)と半分冗談半分本気で手招きしてくるので、うっかりすると、そっちに行ってしまいそうで。

でも、私はやっぱりロット吹きで居たいよ、ということで、もう封印、となりました。

それが、11月6日の岩城正夫先生の講座の折、先生から「僕が85才からギターを始めようと思ったのは、白川さんの『江平の笛』を聴いて、初めて音楽っていいもんだなあと思ったからなんですよ。」

とお話がありました。

え!?知らなかった!?・・・でもフルートじゃなくて竹笛の方?

あの日、初めてうかがって本当に驚きました。

これはもう、封印なんて言ってられない。
先生に是非また聴いていただかなくては、と久々に江平の笛に息を送りました。

ところが、昔はそれなりに吹けていたはずなのに、全く音が出ない。

特にフルートを吹いた後は全く。

色々進展して、よくなっているはずなのに何故???

と試みる中、ある仮定に辿り着き、試してみたら、どんぴしゃり。

それまでは、江平の笛の後のフルートも鳴らなかったのですが、この気付きで、フルートの音も大きく変化。より雑味のないふっさりとした響きとなりました。

まだまだ最初の刷り込みによってしみ込んでいた口元の緊張があった、ということです。

昔は、フルートも江平の笛もこより強い緊張の口元の「間に合わせ」で吹けていた。

それが大きく取れたことで、歌口がとても小さい江平の笛は鳴らなくなってしまったのだけれど、まだ残っていた緊張の残滓を掃除したことで、さらに力強い音のする笛となりました。

とはいえ、まだまだ不安定で、間に合わせをしなくなった分、本番で吹くのはまだ無理。

これが、すっと当ててさっと吹けるようになれば、またフルートも変わるはず、と吹いています。

江平の笛の音は、異界に引っ張られるような不思議な力があるのを、改めて感じています。

不思議な笛。
ずっと寂しい思いをさせて申し訳なかったです。

・・・・・・
茶杓入れみたいな、江平の笛の収納ケースも関根先生の作品です。
蓋は、なんとシャンパンのコルク。
膨張して竹が割れてしまった箇所を麻糸で巻いて、コルクを少し削って補修しました。




写真展

2022-12-09 00:43:42 | 日常
東京玉翠会の幹事会の仲間、後輩のOくんが、写真の個展をやる、というので、レッスンで東京に出るついでもあり、観に行きました。

http://fotori.net/?p=29537

20年間、本業の合間の休日、山に登って、1954年製(うろ覚えなので不正確だったらすみません)のカメラで撮り続けたモノクロの写真。



学士会館での懇親会の時に御案内いただきましたが、
デジタルのこのご時世に、敢えてのアナログが良いなと、興味が湧いた。
やはり、「古い物好き」の血が騒いだのでした。

写真は、どれも体温が感じられる、素晴らしいものでした。

木漏れ日、木々、水平に見える朝日や夕日、眼下に広がる雲、そのどれもが、少しざらついたリアリティを持って切り取られ語りかけて来る。

たまたま本人が居て、色々と解説していただきました。

趣味だから、と謙遜していたけれど、真摯に20年やり続けて磨いた技は、もうそのような括りは超越しているのではないか?と感じさせられました。

会場には山登りの時に背負っているリュック?もあり、私も担がせてもらったのですが、
25キロ!?

・・・色々と古武術奏法?やっているから、身体を傷めずに担ぐことくらいはできたけれど、これで山を登って降りて、なんて、とてもとても・・

加えてカメラ関係をべつのポーチに入れたものが4キロ。

合計で約30キロなのだそうです。

会場にはカラー写真のフォトブックもあって、こちらはなんとインド。

「何故か、会社の研修先がインドだったんですよ~」

インド人の「イエス」という時の首の傾げ方が、まるで「え?」というような様子で最初知らずに戸惑ったとか、美味しいミルクティーの淹れ方とか、レアな異文化の話も色々聞き、面白かった。

フンコロガシの写真もレアだった。インドにも居るのだな、とびっくり。
エジプトでは見かけなかったけれど、今でも普通に居るのかしら?

そして屋久島の写真も。
小さな島に、九州最高峰の山があるということで、独特の風景に魅了されました。
海もとても美しい。

写真展は「写真企画室ホトリ」(浅草橋駅西口下車)にて
11日(日)まで開催です。良かったら!