『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

WAYAZ富津合宿

2024-07-15 00:11:09 | 旅行
今回の大きな気付きのきっかけとなった高校同期バンド・WAYAZの合宿でした。

ベースのN君の友人の別荘で、何度もお世話になっています。
周囲にも何軒か別荘はあるのですが、距離もあり、大概閉まったまま。
なので、早朝から夜遅くまで、音が出せるという環境。

加えて、屋外でもフルートが吹ける。

バンド練習の合間に、見晴らしの良いデッキでフルートを吹いていました。

以前もこうしたことはやっていましたが、今回は全く自身の感じ方、そして何より、周囲の山、樹木に響く音の反響が全く違うことに驚きました。

心地よい海風の中、鶯や様々な小鳥の囀りの中で吹くと、自分も彼等の仲間のような気がしてきました。
私のフルートの音を仲間の声と認識してくれたかのように、自分達の縄張りを主張する鳥たちの囀りがより増したような気もしました。
また、大きなカニがすぐ側までやってきて、しばらくじっとしていて、まるでフルートを聞きにきてくれたかのようでした。

「何故フルートか?何故音楽か?」というのは長年の私の疑問だったのですが、今回、初めて「自分が鳥やカニだった頃のことを思い出すためではないか?」とふと思いました。

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案じていたバンドでやる曲もみな上手く行き、何よりムーンリバーの完成度も上がり、一安心。

「WAYAZやってたお陰で、ちょっと信じられないくらいのフルートの進展がありました。ありがとう!」とみんなに御礼を。

練習の後は近所にあるカフェでランチしたり、海岸まで散歩したり、温泉に行ったりと、楽しいひと時を満喫。

すっかりリフレッシュ出来ました。

富津は観光客も少なく、どこもゆったりと空いていてお勧めです。

日本の田舎の海本来の落ち着き感があるところも好き。

カフェの庭の猫

カフェ






富津海岸





第137回 音楽家講座in鶴見 ~甲野善紀先生を迎えて~ 7月9日(火)

2024-07-11 01:08:48 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
重たい雲がどんよりとかかった蒸し暑い一日となりました。

今回は、この鶴見での講座が始まって以来の30名越えの参加者となり、個別指導希望も多かったことから、いつもより個別指導の時間を多くとっていただき、10名のご指導となりました。
今回、時間切れとなり、ご希望に添えなかった皆様、本当に申し訳ございません。
一度も先生の個別指導を受けたことのない方は、次回に参加される折に、申し出ていただければ、最優先とさせていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。

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先生は、新たな気付きに基づく歩き方をやっているということで、それまで使われていなかったところが全身筋肉痛。とのことでしたが、とても生き生きとされお元気なご様子でした。

数日前、講座の件で連絡する折に、7月2日に気付いた口腔内の変化が全身に影響を及ぼし、歌、フルート、ピアノ、それ以外の全ての日常生活における身体が全くちがうものになった、とご報告したところ、すぐに返信いただき、フルートをお聞かせすることになっていました。

講座開催前に、控室にお邪魔し、時間もないことからかいつまんでお話したところ、フルート演奏のビフォーアフターにとても驚いてくださり、
「メールを頂いた時から、すぐに、これはちょっと大きな気付きに違いないと思っていましたが、本当にそうでしたね。フルートも誰が聞いても、全く違う大きな変化です。これは、今日の講座で私から白川さんにふりますので、皆さんにも紹介してください。」となりました。

自分ではかなり大きな違いと感じていても希望的観測というのが入り込むこともあるので、確証が持てなかったのですが、先生にこのように仰っていただけ、ほっとしました。

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(お話)
階段上りの気付きから歩き方までが変化してきた。
車が回転するように脚が出る。
昔の日本人は如何なる場合も膝を伸ばさなかった。
膝をのばさなかった日本人の体力は凄かった。
職業によっても歩き方は違っが、みな手をふらない歩き方だった。
常に久を伸ばさず使っていれば、それが多少鍛えていることになるので膝が痛くならない。

しかしこうしたことは、火傷した時に高めの温度の風呂に7分くらい漬ければ治りがよくなることと同様に、やってみればはっきりとその効果がわかることなのに、それでも認めてもらえない。

私にも気付きがあったが、今回白川さんに大きな気付きがあったので、その紹介をしたい。もう長い付き合いになるが、今回が最も大きく変化されたと思う。

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(口腔内変化によるフルートのビフォーアフター 白川)
ここで登壇させていただき、具体的な解説も含め、口腔内の変化に伴うフルートのビフォーアフターを実践。
自分でも驚いたのだけれど、家で吹くのよりも、ずっとホールでの響き方の差は顕著であった。

会場からも驚きと祝福の拍手を沢山いただきほっとする。
何より、あれほど緊張して震えたりもしていた甲野先生の前での演奏、音楽家講座での演奏なのに、全くそうしたものはなく、ニュートラルなメンタルのままでパフォーマンスが出来たことに後で驚いた。

「確かに、白川さんの気付きは、頸椎の1番と2番に大きな影響をもたらしますね。ここさえ整えておくだけで、身体全部が良くなるというネイティブアメリカンの人もいるくらいで、それとも関連がありそうです。」とのこと。

先生には私以上に、私の中で起きている新たな変化を見ておいでのようだった。

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(個別指導)
1.テニス
高く腕を伸ばす時にはどうすればよいか?
 
私の場合、「うねり系」は使わないが、伸びている方がむしろ威力は出る、
ただ、バックハンドに両手はいただけない。
元々は片手だったもを女性がやるようになって、それが広まったらしいが、見るに堪えない。



2.ピアノ
腿の上に腰かけて、変化。
何かで太腿くらいの枕的なものを作り、それに腰かけて稽古するとよい。
ベタっと座ると感覚もそうなってしまい、ピアノの響きもベタっとしてしまう。


3.ピアノ
首にネックレスの様に丸紐で変化。


4.ピアノ
指紐で変化

5.バレエ
足先から頭まで、気持ちの良い場所に立てることが増えてきた。
稽古着がロウレグかハイレグかで身体が変わる感覚もある。
床のエネルギーが全身に来る。
筋トレは頭で調子を整える感じがする。
インナーが使えるとポジティブになれる。

それだけよく観察されているのであれば、筋トレのやり方を変えた方がよい。
自分の身体の感覚が揃う時は会館だが、やり過ぎると義務感になる。
やめることの技術が必要。
技は効くか効かないか、型は型として成立するか否かである。
必然性で繋がる・
ある型にピタと入った時に、ある集中が生れる。
精度を上げることへの興味関心が身体の中にある。
ある状態にはいると、ピタっと疲れもなくなる。
自分ではない自分が出てくる。かつて自分の中に鬼を飼っていることがわかり、それ以来そうしたことはないが、震えるほど怖かった。
自分の中にある何かはみな持っている。


6.ピアノ
四方襷で変化。

7.ピアノ
首が痛いという症状
歩く稽古と祓い太刀で変化

8.ジャズシンガー
胸紐で変化
寝ている時に力が入ることの解消には、寝る時に足首を縛り、踵を広げ、親指同士を付ける方法を紹介。寝付けない時にも有効。

9.ピアノ
偏頭痛と右鼠径部の痛みがある

歩く稽古。歩いていくうちにほぐれるような感じがあると良い。
祓い太刀で頭痛が解消。


10.声楽
高い声をより出したい。
虎拉ぎ、鉄棒などで逆さになって、声帯を釣鐘状にして発声。

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今回も皆さまの変化が顕著で、充実のひと時となりました。
懇親会もとても楽しかったです。
ご参加くださった皆様、会場スタッフの皆様、お手伝いくださったAさん、Nさん、
そして甲野先生、本当にありがとうございました!

次回は同会場同時刻で9月11日(水)に開催予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。

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本日お電話いただき、更に、今回の気付きに関する様々な検証をお話する。

「先生、私は器が小さいので、実は今回のことは内緒にして企業秘密、秘伝にしてしまおうかと思っていたくらいでした。でも、こうして先生にお話ししたことで、音楽家講座でも取り上げてくださり、感謝しております。これで良かったと心底思えます!」

「そうですよ。講座の後、沢山の人に囲まれていたじゃないですか。みな関心を持たれたのですよ。今回は本当に大きな気付きですから、それを隠してしまうと、大層大きな人生の税金を払うことになりますよ。それにこうしたものは出せば出すだけ、もっと大きなものが入ってきますから。これから更にまたどんどんと進化されていくことと思います。それにしても、こうしたことが見つかるというのは、やはり時期とご縁なのでしょうね。」

と大変励ましていただけた。

65歳からの初心者として、第二のフルート人生が始まった心地です。
これも、甲野先生、そして音楽家講座のお陰です。
本当にありがとうございます!












直腸動物

2024-07-06 14:06:18 | 気付き
7月2日火曜日は、久しぶりに何も予定のないお休みとなったので、この15日にある生徒さんの発表会のための伴奏譜や、高校の同級生バンドWAYAZの課題曲にも手を伸ばして練習。

本業のフルートではなくピアノなので、結構大変ですが、とても楽しいです。
ピアノでの気付きや進展もフルートの進展に繋がるので、私にとっては必要な時間です。

でも、歌は・・・

大好きなのに、本当にヘタ。

コールユーブンゲン的なものはまだしも、みんながバンドやカラオケで歌うような歌い方が全くできない。

そんなこともあり、WAYAZで歌うことも少なくなってきた。

でも、今回曲決めの時に、他のメンバーからかつて私がボーカルを務めたユーミンや竹内まりやの曲のリクエストが沢山。

・・みんな気を使ってくれてるのだろうけど・・

「初見レベルに毛が生えた程度(練習すればいいのだけど・・)ピアノを弾きながら、覚えていない歌詞(覚えればいいんだけど・・)を見つつ、かつ英語の発音にまで気を配って歌うのは難しいし、忙しくて練習するヒマもないから、無理。
お気持ちだけ頂戴いたします。」

と断ったのだけれど、そのあと、フト、これならゆっくりだし、音域も狭いので、ピアノ弾き語りでもなんとかなるかも?
と、ムーンリバーをピアノで弾き語りして、その後転調して、ギター1本の伴奏でフルートでジャズバージョン、というのをやることにしました。

まあ、フルートの方は問題ないのだけれど、問題は歌。

ピアノ伴奏も、凝ったものにせず、コード進行だけ、ちょっとお洒落なものにして、あとはとてもシンプルなので、これなら出来そうと思ったのだけれど、やはりピアノを弾きながら歌おうとすると、ただ歌う時よりも喉が詰まった感じになって、出だしが特に難しい。

・・やっぱり歌はやめて、フルートだけにしようかなあ、とも思いつつ、かつてないくらい色々な声の出し方を試していました。

そして、変な話ですが、練習も終え、夕食後、トイレに立った瞬間に閃いた。
!そうだ、これって、英語、そして日本語と韓国語の母音の違いが大きいのではないか?と。
その途端、普通に日本語をしゃべっている時の上口蓋に変化が起きた。
自分の身体なのに、変な言い方になるけれど、瞬間にパっと変わったのでした。

それで歌ってみたら、胸部にも響いて振動している!?

こういう声は、てっきてり、しっかりした「お腹の支え」から出るものとばかり思っていたけれど、なんというか、お腹の状況は原因ではなく結果なのね、としみじみと判った。

ちょっとした口腔内の変化がお腹の状態に結びつく。

口、食道、胃、小腸、大腸、と色々と別れているみたいだけれど、人間も進化の最初は「直腸動物」だ。

つまり繋がっている、ってことは、とても影響し合っているのだね、と思う。
口腔内が変化した結果腸の状態も変わるのでは?
それが、所謂、「支え」と言われている、臍下三寸の腹の奥、丹田と言われている箇所にも影響を及ぼしているのでは?

と、勝手な妄想かもしれませんが、自分にとってはリアルな実感。
なんだかポヨンとしていたお腹がシャキっとなる。
力を籠めるとか入る、とかではなく、ただポジションが内側から変わるという感覚。

ずっと逆のことばかりやろうとしてきたのではないかしら?
腹に力を籠めると、横隔膜が硬くなるので、とっくの昔に却下していたと思っていたけれど、基本の考え方としては、「身体全体の釣り合いを整えて、腹に集める。しかる後演奏」だった。

腹からスタートしてたのが大間違いでした。

歌は大好きで、小学校の頃は合唱部。
音大でも、課題のドイツ歌曲などをフルートで演奏するのが好きだった。
ミュンヘンではオペラにドはまりして、仲間たちとオペラごっこなどして遊んでた。
帰国後は、藤原のオペラ歌手の先生に1年くらい教えていただいたこともある。
友人のオペラ歌手のレッスンを受けたことも。

と、こんなにやってきたのに、やっぱりヘタだった・・

それが、生まれて初めて、「なんて楽しいの?」
そして、「なんてラクなの?」という感じ。

何もかもがガラっと違って、ムーンリバーの英語の発音もマシになった。

そして、もちろん、フルートも。
水木、とこの状態で吹いたところ、全く違う。
でも、憧れていた師匠の音に少しだけ近づけた。
そうそう。これが欲しかったのよね。

歌はダメだけど、フルートなら、まあまあ、と思っていたのが大間違いだったことに気付かされました。

全く、まだまだだったじゃない!?

。。。。。。。
昨年59歳で弟が胃癌で逝ってしまってから、より人生の残り時間のことを考えるようになりました。気持ちも塞ぎ気味だったし、体調もイマイチだった。

元気な内に、もっと、親しい人達と過ごす時間を持っておきたい、と考え、
「もっと遊ぼう!」と決めた今年でした。

実際、夫と海外旅行など行くと、もうフルート引退して、呑気に遊ぶだけの暮しにしてもいいなあ、65歳だしなあ、と思うくらいだったのですが、これ程の喜びは、やはりフルートをやっていればこそ。

WAYAZメンバーから「真理ちゃんも歌いなよ!」と振られたことも大きなきっかけで、遊んでいたからこその、気付きでした。

フルートだけ真面目に吹いていたのでは、こうした質的変換って中々得られなかったのではないかと思います。

2003年、甲野先生に出会って、「ねじらない、ふんばらない、ためない」という術理をご教示いただき、実際に抜刀術などに触れ、結果フルートの構え方も変化し、生まれて初めて、フルートでの呼吸がラクになったことは、私にとっての大きな感動と喜びですが、今回の気付きはそれに匹敵するくらいのもの。

身体って本当、繋がっている。


夏の風物詩

2024-07-05 09:53:23 | ピピ
夏の風物詩とえいば、「猫の開き」ではないかしら?



「ピピ、その恰好はもう猫の開きだね!」と声をかけたら、

「何か問題でも?」

という感じで振り返ったところ。



それにしても暑いですね。
皆さまどうぞご自愛ください。