里山の風に吹かれて

千葉県は外房の里山に暮らしています
 
身近な自然の中で見かけた”花鳥風月”を

綴っていけたらと思っています

探鳥日和「再掲 野鳥スペシャル 第3弾 札幌その1」

2024-09-21 | 野鳥・探鳥日和
 
第3弾は札幌の野鳥にしてみました。札幌は2回シリーズの予定です。

札幌は200万人近い人口を要する大都会なのに、人間のそばに自然や生き物たちが

とっても身近に寄り添う不思議な街です。 ま、住宅街にヒグマが出没したりして、

ちょっと恐ろしい側面もあるようですが・・・

そんな札幌に生息する野鳥たちのうちでも特に私が大好きな顔ぶれを取り上げてみました。



<クマゲラ>

「キョロ、コロコロコロ」と鳴きながら飛んできて、私の目の前の木に止まりました。

「お、来た!」と思ってちょっと興奮!

#1


クマゲラは国の天然記念物で日本最大のキツツキです。深い森の奥に棲み

滅多に姿を見せないキツツキのイメージがありますが、札幌では市民が散策する

野幌原始林や円山原始林あたりで普通に見られることに驚かされます。繁殖期に

なると森の向こうから「キョーオ!」という鋭い鳴き声が聞こえてきたりして、

自然豊かな中を歩いていることを素直に実感します。










木を突きながら少しずつ上へと登っていきます。木の中に潜む虫を探して

いるようです。クチバシのシャープさにもカッコよさを感じます。

#2










オスの象徴である、この頭頂の大きな赤い羽毛が印象的です。

赤と黒のコントラストも見事です。

#3










白眼の真ん中に黒眼がちょこんとあるので、このコワモテさんにも

どことなく愛嬌が感じられます。

#4










<ヤマセミ>

深山幽谷に棲むと言われていて、滅多に見ることができないはずのヤマセミです。

#5


でもここは札幌郊外の住宅街、このヤマセミが縄張りにしている川の岸辺は

遊歩道になっていて、ご近所の人が犬を連れて散歩したりマラソンをする人も

いる場所です。何度も言いますが、札幌ではこんなところで幻のヤマセミが

見られることに驚いてしまいます。散歩している人に聞いても

「ああ、ヤマセミね。普通にいるよ。別に珍しい鳥じゃない」

う~む、札幌恐るべし!










<マガモ>

私が住んでいる外房ではマガモは冬鳥ですが、札幌では夏でも普通に

見ることができます。

さてこのマガモ、クチバシをよく見てください。本来は鼻の穴ですが、

これを目に見立てると別の顔が見えてきませんか?

ある種騙し絵のようにも見えて笑ってしまいます。おまけにクチバシの

先には鼻まであるかのようで・・・

#6










<オシドリ>

「情熱の恋」、オシドリのオスによく似合う言葉かもしれません。こんなにも

煌びやかな野鳥は、日本ではそんなに多くはないように思います。

#7










川の中でのふたりきりのデート、寄り添うふたり、なんとも楽しそうです。

このふたりも間違いなく、人間と同じようにお互いに恋心を抱いているんだと

思います。

#8










こちらではデート中のふたりに小さな女の子が何か食べ物を投げ与えたました。

「なんだ、これ?」 思わずふたりともガン見!

#9










すかさずそれをメスがペロリと食べてしまい、オスが、「今食べたよね? 自分ひとりで!」

 「え? なんのこと? 私知らないわ」

メスのとぼけ顔が秀逸でした。でもクチバシの端には食べかすが・・・

#10










発情期のオスは見事に綺麗ですが、このオレンジ色の銀杏羽は特によく目立ちます。

これは翼の一番根元にある三列風切りで、これを立ててメスにアピールしているんですね。

#11










頭頂部も凝った色合いで、後頭部を膨らませてメスへアピールする姿はどこまでも

恋に一途のようです。

#12










オスは水浴びもダイナミック! 仕草の全てがメスへのアピールなんでしょうね。

#13










それに引き替えメスの水浴びは、慎ましやか、お淑やか、そのもの。

#14










メスはオスの艶やかさとは裏腹に、とってもシックで清楚です。体全体の色使いにも

細やかなセンスが感じられます。面白いことにメスの目にはヒナの頃にあった過眼線が、

白く色を変えて残っています。これも彼女のチャームポイントになっているようです。

♪メガネ美人さん♪

#15










<オシドリの子育て>

オシドリ母さんがたくさんのヒナを連れて歩いています。ヒナは11羽写っていますが、

お母さんの後ろにもう2羽ついてきています。ここで写真を撮っていた人の話によると、

最初ヒナは15羽いたとか。

#16


オシドリは母親がひとりで子育てをします。父親はどうしているかというと、

新しい恋の相手を求めてどこかへ行ってしまうんです。「おしどり夫婦」という

言葉とは裏腹に、これがオシドリ流の生き方! 人間がとやかくいう筋合いの

ものではありません。彼らはこうやって子孫を繋いできたのですから。









季節は6月、今日も今日とてオシドリ母さんがヒナたちを連れて泳いでいました。

#17


オシドリ母さんが子育てしているここは北大工学部の大野池。たくさんの人に

見守られて安全に子育てしていますが、それでもヒナの数はずいぶん減って

しまいました。北大には大きな木がたくさんあって、カラスもたくさん

棲みついています。そのカラスにヒナが狙われてしまうようです。

そんなことも計算に入れて多くのヒナを産んでいるのでしょうが・・・

これは自然が生態系のバランスを保つための巧みさだと思うのですが、

人間から見るとちょっと厳しい現実かも。










子供たちも母親にピッタリ寄り添って、仲良し家族の微笑ましい風景です。

そういう警戒心もあってか、きちんと最後まで生き残る子はいるようです。

母も子も強し!

#18










北海道庁の池でも同じような光景が見られます。白いメガネをかけたお母さんの顔が

凛々しいですね。

#19










ヒナをアップにしてみると、これがまた可愛らしい顔をしているんです。 ね♪

#20










体の模様は木漏れ日の中なんかにいたりすると、全く目立たない保護色に

なっているようです。

#21


しかし、#6のマガモでも指摘しましたが、この子のクチバシも

鼻の穴を目に見立てると、これまた不気味な顔が見えてきてしまいます。

これがカラスなんかへの威嚇になればいいのですが、どうもそうはなって

いないようです。









それにしても、もうこんな小さなヒナの時から、足には大きくて立派な水掻きが

ついているんです。素早い泳ぎも得意のようでした。

#22


生まれた早い時期から親について泳ぎ始め、自分でエサを採り、自活を始める

ヒナの逞しさだと思います。

シジュウカラやウグイスのように目も開かず、羽毛も生えずに生まれてきて、

巣立つまで親にエサをもらっている鳥とは完全に一線を画しているような感じが

します。










一方こちらはマガモの親子です。マガモもオシドリと同じ時期に子育てをします。

#23


マガモも母親中心の子育てですが、オシドリと違ってマガモの場合はお父さんも

いつもこの子育てのそばにいて、母親の子育てをサポートしているようでした。

この写真には写っていませんが、この時は向こうのスイレンの葉っぱの上で

子供たちを見守っていました。










<<おまけ>>

<ひょっとこの木>

野幌原始林を散策している時に見つけました。思わず「ひょっとこじゃん!」

と思ってシャッターを切ってしまいました。

#24


点が三つ逆三角形に並ぶと人間の顔に見えるというシミュラクラ現象ゆえの

楽しさだと思います。



















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