夕暮れの街には
時々
大きな透き通った鳥が
飛んでいる
けれど
横断歩道で
もう三度も青信号を見送り
鳥を眺めている私のことなど
気にかける人は
誰もいない
みんな
どこかに急いでいるから
みんなには
行くところがあって
もちろん
私にも
行くところがあって
けれど
あちこち寄り道しながら
結局は
ただ一つの建物の中に
吸い込まれていく
また一羽
大きな鳥がやって来る
広げた翼の向こう
駅前で一番高いビルが
クリスマスツリーみたいに
輝いている
鳥は滑空しながら
口を開いて
横断歩道を渡る人たちを
すくい上げるように
飲み込んでいく
透き通った鳥の体の中
みんなはまだ
横断歩道を渡り続ける
鳥が
ぐるっとビルを回り
また舞い降りてきて
私の前で口を開く
透き通った舌が
ゆったりと波打ち
まるでいつかの
海のようだ
両手を高く上げ
振り回し
振り払う
鳥は砕け散り
私の頬に
光る欠片が
プツプツと刺さる
流れていく血
流れていく星
流れていく時間
壊すことで
つかまえようとして
失くしてしまった
また一羽
透き通った鳥が
藍色の空を
飛んでいくのに
時々
大きな透き通った鳥が
飛んでいる
けれど
横断歩道で
もう三度も青信号を見送り
鳥を眺めている私のことなど
気にかける人は
誰もいない
みんな
どこかに急いでいるから
みんなには
行くところがあって
もちろん
私にも
行くところがあって
けれど
あちこち寄り道しながら
結局は
ただ一つの建物の中に
吸い込まれていく
また一羽
大きな鳥がやって来る
広げた翼の向こう
駅前で一番高いビルが
クリスマスツリーみたいに
輝いている
鳥は滑空しながら
口を開いて
横断歩道を渡る人たちを
すくい上げるように
飲み込んでいく
透き通った鳥の体の中
みんなはまだ
横断歩道を渡り続ける
鳥が
ぐるっとビルを回り
また舞い降りてきて
私の前で口を開く
透き通った舌が
ゆったりと波打ち
まるでいつかの
海のようだ
両手を高く上げ
振り回し
振り払う
鳥は砕け散り
私の頬に
光る欠片が
プツプツと刺さる
流れていく血
流れていく星
流れていく時間
壊すことで
つかまえようとして
失くしてしまった
また一羽
透き通った鳥が
藍色の空を
飛んでいくのに
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