祝祭と暴力―スティールパンとカーニヴァルの文化政治二宮書店このアイテムの詳細を見る |
スティールパン(別名スティールドラム)という楽器のことは以前から知っていたのだが、それが「20世紀最大のアコースティック楽器発明」などと言われているらしいことはまったく知らなかった。
その上、この本にも書かれていたのだが、私もてっきりどこか南の島のきれいな砂浜なんかで演奏されているのだと思い込んでいた。でもよく考えてみると、海のそばだとスティールパンはすぐに錆びてしまうよな。元はドラム缶なんだから。
この本にはスティールパンの発祥やその後の発展の過程とともに、それがいつどのようにして使われ、またその当時その周囲ではどのようなことが起こっていたかなどが、非常にマニアックに詳しく書かれている。
どれほどマニアックかというと、何とスティールパンの作り方が載っている。付録のDVDには、実際に作る工程が収められている。少々音階が変でも、自分で作った楽器を演奏するのはなかなか楽しそうだ。
でも私が一番興味深かったのは3章の「黒人大学留学日記」だ。これは面白いというより、なんか怖かった。
あ、DVDにはカーニヴァルの様子も収められているのだが、その中に小林幸子もびっくりして思わず紅白の途中で家に帰ってしまいそうなもの凄い衣装がいくつも出てくる。スティールパンの演奏とともにこれは一見の価値あり。
だれか名古屋でもスティールパンのワークショップをやらないかな、などと思う。
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