肉体は、断食(だんじき)や、その他 自己否定的な修行では 実相化する事は
出来ないのであります。
肉体から物質的なものを除去(とりさ)っても 肉体を霊化(れいか)さすことは
出来ないのです。
肉体を霊化するのは、ただ自分の念(ねん)を霊化し、自己を霊的実在だとの念を
常に把持(はじ)することのみによってであります。
自己の存在の実相が霊であるということを 一層完全に知れば知るほど、
吾等(われら)は いよいよ ますます 全体を霊化することが出来るのであります。
だから自然に嗜好(しこう)が変って、物質的な嗜好が剥落(はくらく)するまでは
肉体的存在を楽しませ、これに美を与え、これを豊富にするところの何物(なにもの)をも
全体より拒(こば)む必要はないのであります。
外界に属する一切の善きものは 一物(いちもつ)として除(と)り去る必要は
ないのであります。
自己否定的な一切の行法は 「 生長の家 」 では とらないところであります。
唯(ただ)、内界(ないかい)に善き念(ねん)を いよいよ ますます 多く加えよ。
この方法によって 「 生長の家 」 では内(うち)より心霊(しんれい)の力を増して、
現実の自己を 一層完全な実相の投影(とうえい)たらしめ、これを通(つう)じて
現実界を一層自由に支配し得(う)ることになるのであります。
『 生命の實相 』 ( 新編版 第15巻 21頁~22頁 、 頭注版 第8巻 104頁~105頁 )
谷 口 雅 春 先 生
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