ショルダーバッグにリングメモ のち ビール な雑記帳

空の下が好き。ちまちました生きものが好き。妄想できる時間が好き。それからそれから…

8年は「ちょっと長いな」 CFY横浜公演感想

2023-06-14 | ライブ(芝居など)

生の舞台を観るのが4年ぶり。
クレイジーフォーユー観劇が8年ぶり。
まさに「この日が来るのを信じていたよ」


劇団四季ミュージカル「クレイジー・フォー・ユー」
2023/5/27 夜公演 KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉

<メインキャスト>

ボビー・チャイルド  萩原 隆匡
ポリー・ベーカー  町 真理子
ランク・ホーキンス  渡久山 慶
アイリーン・ロス  恒川 愛
ベラ・ザングラー  荒川 務
エベレット・ベーカー  青木 朗
ボビーの母  原田 真理
テス  宮田 愛


知らない役者さんたちがたくさんいて新鮮だった!
そりゃそうだ。四季さんの作品、ほぼ観なくなってしまったもの。
でも、クレイジーだけはやめられない。やっぱり何度観ていても観たい。

-----観劇メモ

萩原くん。
2015年以来のハギーボビー。
どことなくきちんとしていた印象から、ラフで少しおとなのボビーになっていたね。
ダンスはやっぱり素晴らしく、表情も台詞回しも魅力的だった。
タイプはちがうけど、ちょっと敬二さんのボビーを思い出した。

町さん。
はじめまして。なかなか勢いのあるポリーですな。
で、恋する女の子になったときの変わり様は大きくて、こういうポリーもありなんだなと。
歌い方がきれいでした。

ツトムさんのザングラーは違和感でしかない(笑)
いやいや、素晴らしかったです。
ボビーのときと同じで、どこか紳士的でやさしい雰囲気のザングラー。
2幕の「What Causes That?」での歌、ダンス、掛け合い、すべてが最高。さすがでした。

恒川さんのアイリーン。
色気あって迫力もあって素晴らしかった。で、チャーミングな部分もしっかりみせる。
テスのときより役が合っているんじゃないかな。

渡久山さん。
♪こんなランク、こんなランク、どうでしょ♪
今までにないタイプで、ワイルドでなんかかっこいい。好きになっちゃうじゃん。
ランクは、もっとべとつき感がないとダメなんじゃないか?

前回ポリーだった宮田愛さんがテス。
かわいらしいイメージだったのに、すっかりおとなの女性になっていた。
キリッとしていてはまり役だと思う。


今どきの演出なのか、全体的に芝居のテンポが速くなっていたね。
「おどき!」のセリスのところとか、もう少し間があるほうが好みなんだけど。

男性アンサンブルの中で、とてもいい声(歌)が聞こえた。
あれはどなた? ちょっと知りたい。

-----

とにかく久しぶりすぎて小さいおもしろいところをあちこち見逃した。仕方ない。
1幕の途中で何だか急に感極まっちゃうし、まいった。
もう1回は、観ておきたい。
全国公演も取りたいけど、四季会やめたし席とかキビシイだろうな。
あざみ野バイト時代の勉強用観劇とかありがたかったなー。何十年前の話だ?
今日も音楽が頭に中でぐるぐる。


「終わりのない」感想

2019-11-30 | ライブ(芝居など)

私が今まで観た前川作品で、SF要素がいちばん濃かったかも。
よく混乱しないで観られた!とも言える。

舞台「終わりのない」
2019/11/15 世田谷パブリックシアター

作、演出:前川知大
キャスト:山田裕貴、安井順平、浜田信也、盛隆二、森下創、大窪人衛
     奈緒、清水葉月、村岡希美、仲村トオル


冒頭で「これは僕の物語だ」と言う18歳の主人公ユーリ。
両親や友人と一緒に来たキャンプ場から、彼の“旅”は始まる。
幼いころにおぼれたこと、中学時代にひどく傷つけた彼女のこと、受験の失敗…
誰にでもありがちな経験は、その答えをどうするかで人生の分岐点は無限。
それはいわゆるパラレルワールドであり、それが“旅”なのだ。
彼は時間や空間を超え、現実なのか意識の中なのかもわからず、宇宙船や地球じゃない星まで行ってしまう。

いろんな苦難の末に、元のキャンプ場に帰ってくるユーリ。
そこで聞く両親の前向きな離婚話や、自分の道を決めた友人たちの言葉に、また自分と向き合うことになる。
そして自分の足で未来へ…

あれ? これって若者の成長物語なの?
それとも壮大な自分探しの話?
そんなことを思いながら観ていたら、いつのまにか涙がどんどん出てきてしまった。
自分の中の何かと勝手にシンクロする感じ。一緒に旅していたのかな。

父役のトオルさんが地球の危機を熱く語るシーンでは、また別の感動があった。
人類を救えるのは人類だけ。そんなメッセージがあったのだ。
作品のテーマは想像以上に壮大だったと知りました。

何度でも観たいと思ったけど、何度も観るのは精神的にキツそうだ。

俳優さんは皆、とてもよかったけれど、
なんといっても、ほぼ舞台に出づっぱりだった山田裕貴くん。
朝ドラしか知らなかったけど、恐ろしいくらい自然体でうまくて、しかもかわいい。
のめりこむように観てしまった。
また舞台でお目にかかりたい。

 


舞台の妖怪たちが愛おしかった。ゲゲゲの感想

2018-10-29 | ライブ(芝居など)

タイトルは、水木しげるへのオマージュ作品からとのこと。

『ゲゲゲの先生へ』
2018/10/12 東京芸術劇場プレイハウス

原案:水木しげる
脚本・演出:前川知大
出演:佐々木蔵之介 松雪泰子 白石加代子
   手塚とおる 池谷のぶえ 水上京香 水田航生
   浜田信也 盛隆二 森下創 大窪人衛


平成60年(おいおい…)の人口が激減した日本。
地方の村は朽ち果て、人は都市に集中している。
そんな中、廃村で暮らす根津という男のところに、都市からある妊婦とその彼氏が逃げこんでくる。
根津は2人に、自身が半妖怪になるまでの話をしながら、自分の存在意義を自問自答する。
やがて妊婦の父親である市長が、逃げてきた2人を連れ戻しに来る。
さらに市長を追ってとんでもない怪物がやってきて、最後は…。というあらすじ。

笑ったり、泣けてきたり、考えさせられたり。
モチーフになっていたという水木作品「丸い輪の世界」「錬金術」「コケカキイキイ」は知らなかったけど、自然に自分の中に入ってきて、不思議な感覚にどっぷり浸ってしまった。
生のパーカッションの独特な音色と、湿った感じの舞台美術もおもしろかった。


蔵之介さん演じる根津は、ねずみ男がモデル。
もうこれがね、とても素敵でね、力の抜け具合とか哀愁漂う感じとかたまらなかった。
屁はちょっとアレですけど。

他の皆さんもほんとに妖怪チックで。
白石さんのお茶目な元神おばばとか、松雪泰子さんの美しい精霊(幽霊じゃないから!)とか、
純粋な三太はかわいかったし、池谷のぶえさん演じる怪物は突き抜けてたし。


話の後半は、日本の近未来の問題を妖怪や怪物に言わせた感があって、せつなくなった。
人間がいなくなれば存在できない妖怪たち。
行きどころのない怒りや悲しみでできた怪物。
なんだか古いウルトラマンシリーズを思い出したりした。

私も半分妖怪なのかもしれない。

この世とあの世を行き来する前川作品、今回もよかったです。


待っていた芝居、奇ッ怪其ノ参 感想

2016-12-11 | ライブ(芝居など)

「奇ッ怪」シリーズは一作目ですっかり虜になったのに、2011年の二作目は残念ながら見逃してしまった。
今回“其ノ参”を観ることができて、ほんとによかった。


遠野物語・奇ッ怪 其ノ参

2016/11/11 世田谷パブリックシアター

原作:柳田國男
脚本・演出:前川知大
出演:仲村トオル 瀬戸康史 山内圭哉 池谷のぶえ 安井順平
   浜田信也 安藤輪子 石山蓮華 銀粉蝶


「遠野物語」の著者であり、エリート官僚だった柳田國男(ヤナギタ役でトオルさん)
迷信打破を掲げ、妖怪博士と言われた哲学者の井上円了(イノウエ役で山内さん)
遠野郷の伝説を、柳田に語った民俗学者の佐々木喜善(ササキ役で瀬戸くん)
実在した彼らをモチーフに、でも実際とはちがう、少し昔の日本という設定だ。
そしてそこは、迷信が「悪」とされ、方言を使った書物の出版を禁じられていた。

警察の取り調べ室で、方言で書かれた怪異と思われる「遠野物語」をめぐって物語は展開する。
作家ヤナギタと学者イノウエがそこで対立し、イノウエが確認のためにその本を読み出すと、それがそのまま劇中劇になり、最初はその境がわかりやすく、やがてごちゃ混ぜになっていく。
その内容は、山姥、座敷童、神隠しなどなど、まさに不可思議なものばかり。

大きな舞台変化もないのに、場所が遠野になったり取調室に戻ったり…
俳優さんは、トオルさん、山内さんをはじめ皆さん素晴らしく、セリフや小道具だけでいろんな役になり、とてもおもしろかった。
そして「ほんとに乗り移っちゃってるのでは?」と思わせる瀬戸くん、すごかったな。

「彼らはありのままの事実を伝えているのだ」と力説していたヤナギタが、有罪を受けたあとに「私は伝えましたからね」と困惑するイノウエに言い放つのだが、これはもう観客に向けての言葉だった。
「人から人へ物事を伝えていくことの大切さを忘れるな」というメッセージでしょう。

私は怖い話は決して好きじゃない。
でも、生と死は日常でつながっていて、そこに大切なものがあるという前川作品にはいつも共感してしまう。
また奇ッ怪な作品、観たいです。


ごめん、映画のほうを観たくなった 四季版WSS感想

2016-04-09 | ライブ(芝居など)

この作品、以前観たのはいつだっけ?
…と思ってチケットファイルを調べたら、95年の日生劇場だった。21年前!
トニーは石丸幹二さん、マリアは堀内敬子さんだったと思う。
でも、あのときは仕事半分だったのと、演出もほとんど忘れてるので、新鮮な気持ちで観られた。


劇団四季ミュージカル「ウェストサイド物語」
2016/4/2 昼 四季劇場[秋]

<メインキャスト>

リフ 上川 一哉
トニー 神永 東吾
マリア 山本 沙衣
アニタ 相原 茜
ベルナルド 萩原 隆匡
チノ 林 晃平


舞台は1950年代のニューヨーク。
ポーランド系アメリカ人とプエルトリコ移民の若者たちの対立と、その抗争の犠牲になる男女の悲しい恋の話。
エネルギーに満ちたダンスと、レナード・バーンスタインの曲が魅力的な作品なんだけど、現代にもつながるさまざまな差別などの社会問題を描いているので、内容は重い。

感想としては「なんか健康的だな」というのが正直なところ。
ダンスとか素晴らしくて見事なんだけど、なんだろう、あまり胸に迫ってくるものがなかった。
21年前も同じような印象だったっけ? うーん…
自分が10代のときにTVで観た映画版「ウェストサイドストーリー」と比べてはいけないんだろうけど、社会から見捨てられた彼らの内面の熱い想いが、この舞台では今ひとつ感じられなかったんだよね。

そんな中でも「すごいな、いいな」と思ったものメモ

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・生オケだった!やっぱり生演奏でのミュージカルはうれしい
・神永トニーと山本マリアの歌のうまさ(セリフはたまに「?」だったけど、歌はよかった)
・難しい役どころのアニタをきっちり演じた相原さん
・圧巻だった体育館のダンス合戦。Mambo! 
・名曲Tonightの五重奏の演出の美しさ

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観劇後は新橋へ。
一緒に観劇した友人と、"あの店"の"ビストロ"しかも"はなれ"で4時台から乾杯♪
おいしかったなー。もう少しゆっくりしたかったなー。