ショルダーバッグにリングメモ のち ビール な雑記帳

空の下が好き。ちまちました生きものが好き。妄想できる時間が好き。それからそれから…

舞台の妖怪たちが愛おしかった。ゲゲゲの感想

2018-10-29 | ライブ(芝居など)

タイトルは、水木しげるへのオマージュ作品からとのこと。

『ゲゲゲの先生へ』
2018/10/12 東京芸術劇場プレイハウス

原案:水木しげる
脚本・演出:前川知大
出演:佐々木蔵之介 松雪泰子 白石加代子
   手塚とおる 池谷のぶえ 水上京香 水田航生
   浜田信也 盛隆二 森下創 大窪人衛


平成60年(おいおい…)の人口が激減した日本。
地方の村は朽ち果て、人は都市に集中している。
そんな中、廃村で暮らす根津という男のところに、都市からある妊婦とその彼氏が逃げこんでくる。
根津は2人に、自身が半妖怪になるまでの話をしながら、自分の存在意義を自問自答する。
やがて妊婦の父親である市長が、逃げてきた2人を連れ戻しに来る。
さらに市長を追ってとんでもない怪物がやってきて、最後は…。というあらすじ。

笑ったり、泣けてきたり、考えさせられたり。
モチーフになっていたという水木作品「丸い輪の世界」「錬金術」「コケカキイキイ」は知らなかったけど、自然に自分の中に入ってきて、不思議な感覚にどっぷり浸ってしまった。
生のパーカッションの独特な音色と、湿った感じの舞台美術もおもしろかった。


蔵之介さん演じる根津は、ねずみ男がモデル。
もうこれがね、とても素敵でね、力の抜け具合とか哀愁漂う感じとかたまらなかった。
屁はちょっとアレですけど。

他の皆さんもほんとに妖怪チックで。
白石さんのお茶目な元神おばばとか、松雪泰子さんの美しい精霊(幽霊じゃないから!)とか、
純粋な三太はかわいかったし、池谷のぶえさん演じる怪物は突き抜けてたし。


話の後半は、日本の近未来の問題を妖怪や怪物に言わせた感があって、せつなくなった。
人間がいなくなれば存在できない妖怪たち。
行きどころのない怒りや悲しみでできた怪物。
なんだか古いウルトラマンシリーズを思い出したりした。

私も半分妖怪なのかもしれない。

この世とあの世を行き来する前川作品、今回もよかったです。


初めての川越

2018-10-07 | ふらっとお出かけ

9月のあの台風前に、川越へ行ってきた。
同居人びおごん氏の職場の写真同好会企画で、家族枠で参加したのだ。

蔵造りの町並みは、やっぱり風情があった。
蔵を家(店)にしたという発想はすごいと思う。
昔からのお店だけでなく、おしゃれなカフェ、おみやげ屋さん、行列のできる和風ファストフード店などいろいろだったけど。

一軒一軒が個性的で、少し違う通りには「ルネッサーンス!」な感じの大正時代の建物もあった。
建築様式に詳しかったら、もっとおもしろいんだろうね。


ゆるゆると食べ歩き(ちょい飲みも…)しながら、有名な「時の鐘」を見たり「菓子横丁」をのぞいたり。

懐かしい感じのするショッピングモールもよかったし、喜多院では、表情豊かな五百羅漢に気持ちがほっこり。
最後は「小江戸蔵里」で、埼玉の日本酒の利き酒体験。


一か所だけ、川越に行く前にチェックして行くのを楽しみにしていた店があった。
それが「水上製本所」
本業の製本と、その技を活かしたオリジナル小物を販売していて、店内には私好みの和柄の商品がいっぱい並んでいた。
手に取ると、布や和紙の温かさが伝わってくるものばかり。うーん、素敵!
ワクワクして、さんざん悩んで、布張りの文庫本カバーと手帳を購入。
手帳は、和紙のレフィルが追加できるうれしい作りだ。

オーダーメイドの製本もできるとのことで、いつかお願いしたいものです。

今回の川越は、行きは八王子から八高線でのんびりと。帰りは乗り慣れない西武新宿線経由。
どちらにしてもそこそこ遠い。
欲張らなければ、いい日帰り旅になるね。
個人的にまた出かけるとしようかな。