満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

エル・アルコン-鷹- 作:青池保子

2008-02-05 | 漫画紹介


作者の青池保子と言えば…
漫画好きな人はピンっとくるハズ

そうあの「エロイカより愛をこめて」の作者である

ドリアン・レッド・グローリア伯爵(エロイカ)と、
NATO(北大西洋条約機構)に属するドイツ人
クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐(鉄のクラウス)
KGB(ソビエト国家保安委員会)の「小熊のミーシャ」などが
様々な事件で絡みあうってな現在もなお継続中の漫画である

70年代の世界は、まだ資本主義と社会主義がお互い一歩も譲らず
水面下で争っておった
ドイツ人・ロシア人・アメリカ人・イギリス人のスパイ達の攻防に
美青年好きで世界を股にかける大泥棒のエロイカが絡み
そりゃ~も~当時のビバプリンセス愛読者のハートをワシづかみじゃった~

この「エロイカより愛をこめて」の少し前に
「イブの息子たち」の連載がプリンセスで始まっておった

詩人のバージル・ワードとピアニストのヒース・イアソン
そして女の子のような美貌のロック歌手のジャスティン・レイ
彼らはイブのあばら骨から生まれた、男でも女でもない
ヴァン・ローゼ族であった
バージルとヒースはジャスティンを女性として目覚めさせ
愛し合おうとするが変態扱いされて敬遠されてしまう
ある日3人はヴァン・ローゼの世界に強引に連れ去られてしまう
ってなお話なのだが…コレが微妙にホモっぽい(笑)

今でこそオカマは人権を得ておるが
70年代当時には表立ってのホモ話は敬遠され気味だった
しかも…細身でスレンダーで儚げな美少年が主流の少女マンガ界において
ガッチリとした肉体を持つ男同士の愛だの恋だのは
当時の少女達にとっては、ビックリして目が3センチは見開き
口をあんぐりさせたものだった(笑)

それとほぼ同時期に同系列のビバプリンセスより現れた
「エロイカより愛をこめて」は微妙~なホモっぽさも持ちつつ
ハードボイルド系のスパイ大作戦も加えた作品であった
「イブの息子たち」でビンタを食らい
ガッチリした肉体に目が慣れてきておった少女達の心に
スルっと入り込んだのである(笑)

貴族的な華やかさを愛する少女達は「エロイカ派」(白い天使好き)
鉄の心を持ちトレンチコートと黒皮の手袋に銃を愛する少女達は
「エーベルバッハ少佐派」(黒い天使好き)っと真っ二つに分かれておった

満天さんは残念ながら、どちらにも属さず
ド・ケチ変態の「ジェイムズ君」や太っちょ「ボーナム君」
ボクシングのゴールドメダリスト「小熊のミーシャ」を心より愛し
現在に至る変態ぶりな性格の片鱗をのぞかせておった

これらの作品と同時期に
ちょいと上のお姉さま達がお読みになっておられた
セブンティーンから出たのが、この「エル・アルコン」であった
(やっと、本題に入るの~笑)

16世紀後半。
ヨーロッパの海はスペイン、イギリス、フランスが覇権を争い
度重なる戦いを繰り広げていた。
イギリスの貴族だがスペイン人の母を持つティリアン・パーシモンは
イギリスよりもスペインを愛しておった
彼はイギリス海軍へ入隊し、あらゆる手段を使い着々と出世していく
いつかイギリス海軍内で揺るがぬ地位を手に入れ
愛するスペインにイギリスを売るために・・・・

ってなお話である
主人公のティリアン・パーシモンは
「エロイカより愛をこめて」の鉄のクラウス
エーベルバッハ少佐をもう少し黒く染め上げ
前髪をパッツンっと切った姿そのものである
行いは極悪非道なのだが何故か憎めない
その理由は彼がエーベルバッハ少佐にソックリなので
心のどこかで「きっとエエ~人なんじゃろうの~」っと
思ってしまうからであると思う(笑)

現在、東京宝塚劇場で宝塚「星組」が公演中である
学生時代の演劇部の先輩が宝塚花組に入団しておった時期があり
何度か足を運んだ事がある宝塚だが
自分で率先して見に行った事はない
NHKのBSでたまに宝塚の映像を見るのだが…
好きでも嫌いでもないクセに見入ってしまう
もともと自分が演劇をやっておったので舞台が好きなのと
あの華やかな衣装に目を奪われるのである
もそっと若く腹が凹んでおった時は男装の麗人もやってみたかった(笑)

華やかな場面に欠けるエル・アルコンの漫画なので
宝塚で上演する為に相当脚本でストーリーに手を加えていると思われる
別モノとして見るには面白いかもしれん
NHKのBSでやってくれないだろうか~
主演の安蘭けいは中々の美形なので見てみたい(笑)

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