花見の季節と言っても…
日中働いていて、表に出る機会のない社員の場合
通勤途中にチラっと見るか、休みの日に近所の公園へ出かける以外は
見る桜といえば「夜桜」が多い(笑)
しかも…美しい桜の下では、鬱屈とした会社員たちが
酒を飲み、弁当を食い、歌ったり、踊ったり、ケンカしたりしている。
桜の饗宴は、色んな匂いも入り混じり…風情どころの話じゃ~ない(笑)
なもんで、若い頃は誘われれば参加していた夜桜見物であるが
ここ数年は、誘われても丁重にお断りしておった
また、妖怪といえば花見と酒が大好きだと思っていたのだが
オール妖怪メンバーの我が社では、夜に花見と洒落こむ妖怪が居ないらしく
入社して7年となるが…とんと話を聞いたこともない
ところが今年は珍しく「花見をしましょう」と、社長自ら言い出した
仕事を父親である会長から引き継いだ社長は、大方の不安をよそに
時流に乗ったのか、会社の売上が伸び、気分はウハウハなのであった
しかも…血迷ったか
「経費は一切、会社が持ちます!」とまで言いきった
「ケチ」を絵にしたらウチの会社だろうってほどケチな我が社が、である
一切の経費を持ってくれるなら…妖怪と花見も悪くはない
そう思い、私も参加を決意した(笑)
しかし…「タダ」って言葉に反応した輩が思ったより多く、50数名もの人が集まり
また…花見を企画した部署が元バブリー世代だったからか…
一人4,000円もの見積金額を提出したため
大まかな概算金額で「20万円」を超えるとの報告が上へとあがった。
そして…またこの報告が、たまたま外出していた社長を飛び越え
「大権現ケチ」である会長の耳に届いてしまったから、さぁ大変(笑)
「花見というのは…一人一人が一品持ち寄って
少ない酒をチビチビやるのが、風情があってよい」
とか言い出した(笑)
それって…昼間に主婦が近所の公園で花見をする風情と一緒じゃないかい?
会社としては、「歳暮で頂いたビール券」は出すが
食い物は、各自自腹で一品持参しろ!とのお達しが来たのだ
もちろん…参加人数は急降下の一途をたどったことは、言うまでもない(笑)
50数名の参加人数が、20数名に激減
つまり、ビール券で買った数本のビールと
20数個のおつまみで、夜桜見物は始まったのだ~(笑)
その会場に…会長と社長は一台数千万円の車で到着
暖かくなったとはいえ、夜桜見物は寒い
ビールって…なんでこんなに体が冷えるんだろう~と思いながら
自分で持参したポテトチップスをポリポリと食う
上座では、あんまり会社が儲かり過ぎて笑いが止らない社長と会長が
何にも持参せずに笑いながら、社員が少ない給料で持参したつまみを食っている
「なければないで さくら咲き、さくら散る。」by山頭火
つまみが少なく侘しい花見でも…
フと見上げれば一生懸命に生きている桜がそこにある。腐ってはいかん。
「おらが春そこらの草ももちになる」by一茶
つまみが少なく侘しい花見だと…腹があんまり減りすぎて
そこらの草でも、草もちに見えてしまう
「散るさくら残るさくらも散るさくら」by芭蕉
つまみが少なく侘しい花見に参加していると…
あそこで騒いでいる人達も、いずれは散るのだろうの~と、つい、思ってしまう
皆様は、楽しい桜の季節を過ごされましたか~~~~?
これからの方も、良いお花見が出来ますように、お祈り申しあげまする~(笑)