何かただの日記です。
昨夜も塾で作業中に力尽き、朝になって帰宅。にゃんにゃん、おお、すまんすまん、じゃらじゃらとキャネットを置き、さて仕事に。しかしそういえば、起きた時、J-WAVEでサッシャとキミちゃんが松坂:イチローで騒いでいたなと思い、うっかり後で楽しみのチャンピオンズリーグが映らないように細心の注意の下、NHK-BSを。第1打席は、これぞスポーツの真髄と思われる緊張した時間だった。
始まる前から最高潮のフェンウェイパークに、過去の2人の対戦を思い出そうとしたがまったくない。調べてみると99~00シーズンだけで、初対決3打数3三振で「自身が確信に変わった」というインタビューは憶えていたが、内容となるとまるでおぼつかないのだ。
私が日本の職人イチローでもっとも舌を巻いたのは、松井がまったく打てなかった阪神・遠山の外角球をオールスターの初対戦で、テニスのようなチョップショットでレフトに打ち返した時。なるほど、線で打とうとしたら難しいけど、ああやって点で捕らえれば、少なくとも世界最高級の技術があればああやって打球は飛ぶんだ。野球って何てわけわからないんだろう、と嬉しさに震えた。難しいボールはからだを開いても外に向かって点で捕らてはね返す、それが職人としてのイチローの真骨頂なのだと思う。
そして注目の第1球。真ん中低めに普通の投手のスライダーのように素早く曲がるカーブに、イチローのバットは動かない。解説・長谷川が「これは意外ですね。まさかこう来るとはイチロー君も思わなかったでしょう」。正しいスポーツ解説とは、素人にわかりえないことを語り理解と興奮を促す、こういうものだ。
そしてスライダーと低めのストレートをインサイドに集中。これではあの流し打ちはできない。追い込まれて打たされるかたちになった打球は本来のスピードは持てず、これまた一流の松坂のグラブに吸い込まれた。
その後も松坂は徹底的に内角を攻める。長谷川がおしえてくれる。「これは松坂がバルテックにそういってあるとしか思えませんね」。松坂は揺るがない。
フォーク、スライダー、ストレートは内角低目だけ。同じような4打席の中で、伸びのあるストレートは確か1球もなかった。私としては、打てるもんなら打ってみろという果し合い的な外角高めストレートをイチローがどうすべきかという力のぶつかり合いがみたかったのだが、それは見事なかたちで果たされなかった。
「イチローさんは、何が何でも、どんな形でもいいから打ち取りたいと思う人。すべてを使って抑えたいと思う」、「イチローさんは、僕が成長を認めてもら
いたい、と思う唯一の人」というゲーム後のインタビューが泣かせる。
松坂はどこまでもリアリストなのだ。われわれ凡人は、試合に負けたが勝負には勝ったとか好き勝手をほざいてやまず、一番いい球を放れば負けても仕方なしなどと思っていて、たとえば中日時代の落合とオールスターで対戦した阪急・山田がシンカーを投げず、落合が「何だよ山田、シンカー全然投げないじゃん」などといえば、まったく山田のやつの卑怯者め、などと抜かしていたが、それは見当違いもいいところなのだろう。
一流のアスリートは、常に勝つことをめざすのではないか。何をやっても勝つというアティテュードこそが、トップアスリートの証明なのだ。
しかしイチローを完全に封じた松坂は、最近まで対戦していた城島に打たれ、ゲームには負けた。これだから野球はわからなく、そしてすごい。
と、途中で近所の人が留守の父親を訪ねてくるのや佐川急便らに対応しながら、ボストンごしに仕事を進めたりしていると、いつの間にか11時。腹もいい具合にへってきたので、ここは月曜に達されなかった自衛隊前のとんかつ屋に行くことにする。多分開店するだろう11時に着いたが準備中だったので、これはちょっと待つかと近くの公園にこの日はキリン・ゴールドと前回に続き幸田文。芝を刈る人しかいない公園で桜はらはらの中、見事なエッセイを味わい、再びとんかつへ。ロースかつ定食720円は、十分満足の時間だった。
そして、前日壊れたカギを直すために塾に行く。と、そこでネットでいろいろチェックしていると、いつの間にか眠りの神が到来し、速やかにお誘いに応じる。寝られる時は寝る、これが正しい。
こういう睡眠は30分で効果は絶大。起きて前夜に頼んでおいた、近くに住む自転車店を営む叔父に頼みに行く。何しろ私は自慢ではないが、技術科などでいすや本棚をつくっても使えたためしがない、とんかちオンチなのだ。
お客さんがいたので少し経って叔父が登場。状況を説明すると、あっという間に完璧なパフォーマンスを見せた。いやぁ、やっぱりプロは違うと、自転車店に行き父の妹である叔母にいうと嬉しそうだった。
これで午後4時。本来なら仕事があるが、そういえば1月に行って以来、3回はね返されている携帯機種交換がある。せっかくだから、まだ桜があるうちに行っておこうと、車で3分のソフトバンクに向かった。
それにしても携帯というのは、どうしてこんなに面倒なことになったのだろう。この間もらった委任状を家族割引の父親に書かせて持っていき、1月に採りおいてもらったんですがと事情を説明するとテレビに出てくるようなみんな同じ顔の受付嬢、ではもう期間が過ぎていますのでこちらはどうでしょう、これは月々980円ですが、その代わり980円割引されるんですよ、とむちゃくちゃなことをいっている。最近、覚えた技として話を早く切り上げるためには、近くにあるパンフレットをみて説明に出てきた単語にわけわからくてもそれはこれのことですねと反応すると、そうなんですよとすぐに終わってちょうどいい。どうせ、きいてもためにはならん。
それで前はシルバーのやつだったのだがこれは実は気に入らず、電話は赤か青がいいとひそかに狙っていたらギャルが、この黒と白とピンクと青です、ああ、青か赤がいいと思ってたんですよ、ピンクはちょっと問題があるので、青でお願いしますと3秒で決まり、うっかり父親の名前なのにフルネームの実印を押してしまって書類1枚反故にした以外はスムースに完了。アドレスを移すのに20分かかるというのでギャルにではと言い残し、なぜかなくなったネジとカーテンレールの玉を買いにホームピックへ行く。
クギ売り場に行くと初老の人がすみません、ちょっと、いや私は店のものではないんです、ちょっと待ってください、今呼んできましょう、とレジ方面に走ると放送で「○○さん28番にお願いします」。たたたと28番に行くと、普通のおばさん店員が来た。まあ先に来たのはあっちだからと初老の人を探すといない。ではと、持ってきたクギを見せてこれと同じのがほしいんですというと、はいはい、これは4ミリですねと鉄の定規に穴の開いたようなのに挿して、でもちょっと違うかなあなどといい、ISOになる前の古いのはこっちなんですが、これでしょうかねとぐるぐる回している。
むう。月々980円かかりますが、980円割引ですのでというITの末端に比べ、何とシンプルなことか。ネジが回ればそれでいい、そして世の中のネジの多くを把握しているらしいこのおばさん店員は美しい。
そこへ初老の人が来たので、あっ、あの人も何か探してましたよ、でも別に飛び出しててもいい場所なのでこれでいいですよ使えなくても安いし、何といっても180円だ。そうですかでは、と初老の人に向かうと彼は、BSアンテナをつけたんですけど穴を埋めるのが……、ではパテですね、こっちです。困った人を助けるというのはこういうことだ。
カーテンレールの玉は30年前とあまり変わらないらしく一種類しかないので安心して買い、再び孫正義の手下のところへ。
もちろんギャルに罪はない。待ち構えていて、どうぞと紙バッグを差し出すのでお世話になりましたと外へ出る。では、この不条理は誰のせいなのか。
ここでだいたい5時。ではせっかくだから駅周辺の桜でも撮ろうと歩いていき、夕方の唐沢堀から下台池あたりで撮影する。
途中、土手に進出して青い花と太鼓橋の絵を撮っていると、川向こうで別の初老の人がいう、そらあ、なんつー花だい、私は野草研究家ではなくとくに詳しくないので、ええ、何でしょうかと返すと、毎年そこに咲くんだよ、でももうちょっと前の方がよかったねえ。
人間はこうでなければいかん。断言はできないが、たぶんあの孫正義の手先は花の名前どころか、ここを通っても花が咲いていることにすら気づかず、大切なカレシやお友達とのオシャベリかメールやらに現を抜かすだろう。そういう精神にとって「キレイ」ということはテレビやイオンやマツモトキヨシにあり、「美しい」は言葉すらないのかも知れないといったら言い過ぎだろうか。そしてクギのおばさんは多分、家にはクギではなくてガーデニングやプランターの花々が彼女の金属やパテとの闘いを癒しているのだろう。ただの偏見に過ぎないが。
おお、うっかり紋切り型のくだらぬ文明批判になってしまった。さてと仕事せねば。
(Phは新携帯の撮影から夕暮れの下台池。BGMはJ-WAVE)
昨夜も塾で作業中に力尽き、朝になって帰宅。にゃんにゃん、おお、すまんすまん、じゃらじゃらとキャネットを置き、さて仕事に。しかしそういえば、起きた時、J-WAVEでサッシャとキミちゃんが松坂:イチローで騒いでいたなと思い、うっかり後で楽しみのチャンピオンズリーグが映らないように細心の注意の下、NHK-BSを。第1打席は、これぞスポーツの真髄と思われる緊張した時間だった。
始まる前から最高潮のフェンウェイパークに、過去の2人の対戦を思い出そうとしたがまったくない。調べてみると99~00シーズンだけで、初対決3打数3三振で「自身が確信に変わった」というインタビューは憶えていたが、内容となるとまるでおぼつかないのだ。
私が日本の職人イチローでもっとも舌を巻いたのは、松井がまったく打てなかった阪神・遠山の外角球をオールスターの初対戦で、テニスのようなチョップショットでレフトに打ち返した時。なるほど、線で打とうとしたら難しいけど、ああやって点で捕らえれば、少なくとも世界最高級の技術があればああやって打球は飛ぶんだ。野球って何てわけわからないんだろう、と嬉しさに震えた。難しいボールはからだを開いても外に向かって点で捕らてはね返す、それが職人としてのイチローの真骨頂なのだと思う。
そして注目の第1球。真ん中低めに普通の投手のスライダーのように素早く曲がるカーブに、イチローのバットは動かない。解説・長谷川が「これは意外ですね。まさかこう来るとはイチロー君も思わなかったでしょう」。正しいスポーツ解説とは、素人にわかりえないことを語り理解と興奮を促す、こういうものだ。
そしてスライダーと低めのストレートをインサイドに集中。これではあの流し打ちはできない。追い込まれて打たされるかたちになった打球は本来のスピードは持てず、これまた一流の松坂のグラブに吸い込まれた。
その後も松坂は徹底的に内角を攻める。長谷川がおしえてくれる。「これは松坂がバルテックにそういってあるとしか思えませんね」。松坂は揺るがない。
フォーク、スライダー、ストレートは内角低目だけ。同じような4打席の中で、伸びのあるストレートは確か1球もなかった。私としては、打てるもんなら打ってみろという果し合い的な外角高めストレートをイチローがどうすべきかという力のぶつかり合いがみたかったのだが、それは見事なかたちで果たされなかった。
「イチローさんは、何が何でも、どんな形でもいいから打ち取りたいと思う人。すべてを使って抑えたいと思う」、「イチローさんは、僕が成長を認めてもら
いたい、と思う唯一の人」というゲーム後のインタビューが泣かせる。
松坂はどこまでもリアリストなのだ。われわれ凡人は、試合に負けたが勝負には勝ったとか好き勝手をほざいてやまず、一番いい球を放れば負けても仕方なしなどと思っていて、たとえば中日時代の落合とオールスターで対戦した阪急・山田がシンカーを投げず、落合が「何だよ山田、シンカー全然投げないじゃん」などといえば、まったく山田のやつの卑怯者め、などと抜かしていたが、それは見当違いもいいところなのだろう。
一流のアスリートは、常に勝つことをめざすのではないか。何をやっても勝つというアティテュードこそが、トップアスリートの証明なのだ。
しかしイチローを完全に封じた松坂は、最近まで対戦していた城島に打たれ、ゲームには負けた。これだから野球はわからなく、そしてすごい。
と、途中で近所の人が留守の父親を訪ねてくるのや佐川急便らに対応しながら、ボストンごしに仕事を進めたりしていると、いつの間にか11時。腹もいい具合にへってきたので、ここは月曜に達されなかった自衛隊前のとんかつ屋に行くことにする。多分開店するだろう11時に着いたが準備中だったので、これはちょっと待つかと近くの公園にこの日はキリン・ゴールドと前回に続き幸田文。芝を刈る人しかいない公園で桜はらはらの中、見事なエッセイを味わい、再びとんかつへ。ロースかつ定食720円は、十分満足の時間だった。
そして、前日壊れたカギを直すために塾に行く。と、そこでネットでいろいろチェックしていると、いつの間にか眠りの神が到来し、速やかにお誘いに応じる。寝られる時は寝る、これが正しい。
こういう睡眠は30分で効果は絶大。起きて前夜に頼んでおいた、近くに住む自転車店を営む叔父に頼みに行く。何しろ私は自慢ではないが、技術科などでいすや本棚をつくっても使えたためしがない、とんかちオンチなのだ。
お客さんがいたので少し経って叔父が登場。状況を説明すると、あっという間に完璧なパフォーマンスを見せた。いやぁ、やっぱりプロは違うと、自転車店に行き父の妹である叔母にいうと嬉しそうだった。
これで午後4時。本来なら仕事があるが、そういえば1月に行って以来、3回はね返されている携帯機種交換がある。せっかくだから、まだ桜があるうちに行っておこうと、車で3分のソフトバンクに向かった。
それにしても携帯というのは、どうしてこんなに面倒なことになったのだろう。この間もらった委任状を家族割引の父親に書かせて持っていき、1月に採りおいてもらったんですがと事情を説明するとテレビに出てくるようなみんな同じ顔の受付嬢、ではもう期間が過ぎていますのでこちらはどうでしょう、これは月々980円ですが、その代わり980円割引されるんですよ、とむちゃくちゃなことをいっている。最近、覚えた技として話を早く切り上げるためには、近くにあるパンフレットをみて説明に出てきた単語にわけわからくてもそれはこれのことですねと反応すると、そうなんですよとすぐに終わってちょうどいい。どうせ、きいてもためにはならん。
それで前はシルバーのやつだったのだがこれは実は気に入らず、電話は赤か青がいいとひそかに狙っていたらギャルが、この黒と白とピンクと青です、ああ、青か赤がいいと思ってたんですよ、ピンクはちょっと問題があるので、青でお願いしますと3秒で決まり、うっかり父親の名前なのにフルネームの実印を押してしまって書類1枚反故にした以外はスムースに完了。アドレスを移すのに20分かかるというのでギャルにではと言い残し、なぜかなくなったネジとカーテンレールの玉を買いにホームピックへ行く。
クギ売り場に行くと初老の人がすみません、ちょっと、いや私は店のものではないんです、ちょっと待ってください、今呼んできましょう、とレジ方面に走ると放送で「○○さん28番にお願いします」。たたたと28番に行くと、普通のおばさん店員が来た。まあ先に来たのはあっちだからと初老の人を探すといない。ではと、持ってきたクギを見せてこれと同じのがほしいんですというと、はいはい、これは4ミリですねと鉄の定規に穴の開いたようなのに挿して、でもちょっと違うかなあなどといい、ISOになる前の古いのはこっちなんですが、これでしょうかねとぐるぐる回している。
むう。月々980円かかりますが、980円割引ですのでというITの末端に比べ、何とシンプルなことか。ネジが回ればそれでいい、そして世の中のネジの多くを把握しているらしいこのおばさん店員は美しい。
そこへ初老の人が来たので、あっ、あの人も何か探してましたよ、でも別に飛び出しててもいい場所なのでこれでいいですよ使えなくても安いし、何といっても180円だ。そうですかでは、と初老の人に向かうと彼は、BSアンテナをつけたんですけど穴を埋めるのが……、ではパテですね、こっちです。困った人を助けるというのはこういうことだ。
カーテンレールの玉は30年前とあまり変わらないらしく一種類しかないので安心して買い、再び孫正義の手下のところへ。
もちろんギャルに罪はない。待ち構えていて、どうぞと紙バッグを差し出すのでお世話になりましたと外へ出る。では、この不条理は誰のせいなのか。
ここでだいたい5時。ではせっかくだから駅周辺の桜でも撮ろうと歩いていき、夕方の唐沢堀から下台池あたりで撮影する。
途中、土手に進出して青い花と太鼓橋の絵を撮っていると、川向こうで別の初老の人がいう、そらあ、なんつー花だい、私は野草研究家ではなくとくに詳しくないので、ええ、何でしょうかと返すと、毎年そこに咲くんだよ、でももうちょっと前の方がよかったねえ。
人間はこうでなければいかん。断言はできないが、たぶんあの孫正義の手先は花の名前どころか、ここを通っても花が咲いていることにすら気づかず、大切なカレシやお友達とのオシャベリかメールやらに現を抜かすだろう。そういう精神にとって「キレイ」ということはテレビやイオンやマツモトキヨシにあり、「美しい」は言葉すらないのかも知れないといったら言い過ぎだろうか。そしてクギのおばさんは多分、家にはクギではなくてガーデニングやプランターの花々が彼女の金属やパテとの闘いを癒しているのだろう。ただの偏見に過ぎないが。
おお、うっかり紋切り型のくだらぬ文明批判になってしまった。さてと仕事せねば。
(Phは新携帯の撮影から夕暮れの下台池。BGMはJ-WAVE)