小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

くもとくものこどものあおども―...blue

2007-04-27 08:36:46 | 身のまわり
木曜朝、降り続いた雨が上がっていて、ねこどもをしたがえて庭に出る。

タンポポやツツジがはき出した水蒸気が空をのぼる。水蒸気は冷たい風にあたって雲になる。雲は重たくなって雨になる。雨は風にふらふらしながら地上に戻ってくる。
サクラソウやスイセンの間ではチョウがうろうろする。チョウを土の上をねこが追いかけてヒバの葉っぱの間ではクモが巣を張って待ち構える。

でもクモのたくらみは空ぶりに終わって、かわりに引っかかった昨夜の雲が落とした小さなしずくが、成層圏を映した大いなる天球の青を表面張力で丸まったからだに集めて、まだ弱い春の陽光にふるえている。

それを見つけた人間は足もとでにゃあにゃあいうねこどもを待ってろとなだめ、大衆化された現代科学の粋であるところの携帯電話カメラを取り出して光の像を半導体に残し、電波に置きかえられた像はいったんどこかにある巨大な半導体に記録される。
ねこどもにじゃあまた後でなと言い残して人間は部屋に入って奇妙な機械の末端をひものついた長い丸いもので操作し、さっき見た光の束を今度は三色の光の集まりで再現された平面上で見る。

ヒバの葉っぱにクモが張ったわなに雲が落としてできた青い水の連なりは、なぜか人間の目には甲冑をつけた肩幅の広い兵士が両手を前方に差し出してバレーのレシーブの態勢を取っているように見える。この青の輝くレシーバーが受け止めようとしているのは何だろうなどと考える人間のひざの上でねこが丸くなっている。

こんな、くもとくものこどものしわざのようなことをつまり、「奇跡」というのではないか。

(BGMはくもとくものこどもの色に似たジョニ・ミッチェルの名盤 blue。植木の名はヒバだったと思うが間違いかも)
コメント
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