Seien記事(校正版)
20日発行、ピーアイピーの深谷のフリーペーパー「Seien」9月号巻頭を担当した。
タイトルは『21世紀映画のまち・深谷から 地元出身入江悠監督『シュシュシュの娘』公開!ミニシアターに「ひとり〈ずつ〉進め」』。深谷シネマでは今日22日から公開される。
「シュシュシュの娘」は昨年、「Seien」創刊号巻頭『深谷現創学』の内容のことで入江監督のお父さん入江明さんを訪ねた時にクラウドファイティングのチラシをもらって熊谷の職場に持っていった後はそのままだった。7月号の深谷シネマプレゼントページで公開を知り、そうだ、まだ深谷の映画の特集をしてなかった、この深谷映画界史上最重要作の特集をお願いしますとピーアイピーの植竹さんに提案して生まれた企画だ。
「ミニシアター・自主映画・若い世代」。21世紀初頭日本映画界の重要テーマを中心に据えた意欲作を、深谷映画界20年とからめて書く。そんな意図を深谷シネマの竹石さんと、竹石さんに連絡先をきいた配給コギトワークスの関さんに伝えたがうまく伝わったかはわからない。表紙に撮らせてもらった舞台からの画像も2,761文字の本文も、作品の魅力と深谷映画のことをどれだけ表現できて観客動員に役に立てるか自信はないけれど、こうしたかたちになって4万4000部が印刷されて配られることはうれしくてしかたがない。
ここから個人的な話に入ろう。
竹石さんにもメールで関さんにも話したのは、10年ほど前に書くといってそのままになっている「21世紀映画のまち・深谷」の本のひとまずの縮小版にしたいということ。シネマが移転して『SR2』が公開される時、いいニートのマンガ家がいますと入江明さんにいってロケマップをつくったあたりからわたし自身の人生も変わり始めた。それは最近、埼玉県共助仕掛人連載に書いたばかりだ。
当時のニートマンガ家入江監督の数学教員であるお母さんのおしえごであるように、とくに深谷サイズの地方都市では「みんなつながっている」実態がみえやすい。だから息苦しいのだし移民排斥のような悲劇もあるけれど、切り離せないんだからつながって生きるためのいい方法をみつけるしかしかたないんじゃないか。入江監督が通っていたのと創始者が同じ保育園に通う5歳の子どもにはたまに、「深谷の映画館がなかったら交くんは生まれてないんだよ」といいつつ、先週は伊勢崎のシネコンに『おしりたんてい』をみにいった。
試写終了後、高校の後輩である学生インターンからの感想インタビューで話したのは、作中『ビジランテ』でもテーマだった「移民排斥」が100年前の悲劇と絡めて描かれている意味と、銀行跡のシネマでみた入江監督学生時代作の軽トラと今回の軽バンの共通性。9月1日に近い8月30日に監督は舞台挨拶に訪れるというから楽しみだ。昨日、熊谷の職場に来た東アジア問題を考える会を起ち上げ、映画『抗う』を上映したいというシニアの嶋田さんに『ビジランテ』をすすめたら衝撃を受けていた。
世界は自分の生きるところを中心につながっている。そのさまは、関東ローム層の殺風景な平野に広がる送電線と鉄塔のように愛しい。
埼玉県共助仕掛人連載
ほか、記事では触れられなかったのを含めた作成の参考リンクメモ
ナタリー 入江悠「深谷シネマとわたし」
ナタリー(試写レポート)
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