映画「最強のふたりと幸せ過ぎるわたしの1日
(フランスでの原題は"Intouchables(untouchable)"は「触れられないもの」、「社会ののけ者」の意)
物語のあらすじ
大富豪のフィリップが交通事故で頚椎損傷になった。そこへ介護人としてスラムで育った前科者のドリス。ふたりの間で育まれる友情や人間愛をテーマにした作品。
フランスでこの映画と出会い、フランス語に英字スーパで観たのが最初だった。細かい訳まで理解していなかったわたしはどうしても日本語で観たいと思っていたものの、多忙を理由に公開最終日まで映画のための予定調整が絶望的だと思い込んでいた。
それが昨日、ミラクルな展開となり(詳細は割愛)、自宅近所にあるシアターへ向った。1日1上映のこの映画館、5分前に到着した。わたしが映画館で映画を観る際、着席するお気に入りも空席のままだった。
映画を観ながらフランス語をノートに書き記した。
そして、わんわんと声を出す寸前の状態で、涙が止まらなくなっていた。あんなに辛かったはずのフランスでの日々が、走馬灯のように懐かしく別のスクリーンに映し出されていって、フランスでわたしを待つ家族が、93歳になる祖母のMe'Me(メメ)'が笑っていた。
「フランスでの生活だってそう悪くはないってことがわかったでしょう?」
Me'Me'とフランスパンの端っこを取り合いした日々が懐かしく思い出された。EricもMuMU(姉夫婦)もPaPe(実父)もMiMiもRoge(母と義父)も柔らかな白い光の中にいた。フランス時間の深夜、日本時間の朝に大好きなStephanieと電話で話をした。その余韻が未来の幸せな姿を映像でわたしに届けていた。
[Jannyにも言われたじゃない?
日本人であるあなただからこそできるフランス社会が求める大切な仕事のこと。忘れたなんて絶対に言わせないんだから」
幸せな出会いはイタリアにもおよび、映画作品に使われていた美しいピアノソナタはイタリア人ピアニストLudovico Einaudiのもの。子供のころからなぜかわからないものの、わたしはピアノの調べに魂が震えてしまう。http://www.youtube.com/watch?v=cg_dRAmSzvA&feature=autoplay&list=PL9712D53EAAE058A4&playnext=4
映画の終了と同時にとなりに座っていたご婦人と目が合った。
「人との温かなつながりを求めて、それを信じて生きるって素敵よね?」
わたしは深く頷いた。