(つづき)
「上野の森に住み着いてる連中さ!」
男は笑いながらこたえた。
「上野の西郷さんが立つトコロは、むかし彰義隊と新政府軍が激しくやりあったトコロなんだが その上野山の地下にゃ 彰義隊の連中が隠し持っていた石炭が山ほど眠っているのさ!
山の天狗からの報せを聞いた俺は、お前さんがやって来る前に ヤツらに(機関車の)燃料である石炭を運ぶよう頼んでおいたのさ!」
男が話していると、作業をしていたひとりが こちらに近づいてきた。
「上野の森の天狗様!無事に石炭を積み込みましたぜ!」
そういうと一礼したあと、他の仲間の方へと戻っていった。
「え??この男も天狗!?」
僕がキョトンとしているのをよそに、男はまたも僕の肩をついて「行くぞ!」と言った。
蒸気機関車の運転席に乗り込むと、男は慣れた手つきで操作しはじめた。
「レールがないトコロを 突っ走るからな…最大火力でいくぞ!」
そう言った瞬間、爆発に近い音をたてて蒸気機関車は走り出した…
(つづく)
「上野の森に住み着いてる連中さ!」
男は笑いながらこたえた。
「上野の西郷さんが立つトコロは、むかし彰義隊と新政府軍が激しくやりあったトコロなんだが その上野山の地下にゃ 彰義隊の連中が隠し持っていた石炭が山ほど眠っているのさ!
山の天狗からの報せを聞いた俺は、お前さんがやって来る前に ヤツらに(機関車の)燃料である石炭を運ぶよう頼んでおいたのさ!」
男が話していると、作業をしていたひとりが こちらに近づいてきた。
「上野の森の天狗様!無事に石炭を積み込みましたぜ!」
そういうと一礼したあと、他の仲間の方へと戻っていった。
「え??この男も天狗!?」
僕がキョトンとしているのをよそに、男はまたも僕の肩をついて「行くぞ!」と言った。
蒸気機関車の運転席に乗り込むと、男は慣れた手つきで操作しはじめた。
「レールがないトコロを 突っ走るからな…最大火力でいくぞ!」
そう言った瞬間、爆発に近い音をたてて蒸気機関車は走り出した…
(つづく)