落書き日記のススメ

毎日、日記をつけるのもいいけど 簡単な絵を描き続けるのもいいですよ。絵のある生活(落書き)のすすめ。

走り出す…

2012-09-12 23:33:40 | Weblog
(つづき)

「上野の森に住み着いてる連中さ!」

男は笑いながらこたえた。

「上野の西郷さんが立つトコロは、むかし彰義隊と新政府軍が激しくやりあったトコロなんだが その上野山の地下にゃ 彰義隊の連中が隠し持っていた石炭が山ほど眠っているのさ!

山の天狗からの報せを聞いた俺は、お前さんがやって来る前に ヤツらに(機関車の)燃料である石炭を運ぶよう頼んでおいたのさ!」


男が話していると、作業をしていたひとりが こちらに近づいてきた。

「上野の森の天狗様!無事に石炭を積み込みましたぜ!」

そういうと一礼したあと、他の仲間の方へと戻っていった。


「え??この男も天狗!?」

僕がキョトンとしているのをよそに、男はまたも僕の肩をついて「行くぞ!」と言った。



蒸気機関車の運転席に乗り込むと、男は慣れた手つきで操作しはじめた。

「レールがないトコロを 突っ走るからな…最大火力でいくぞ!」

そう言った瞬間、爆発に近い音をたてて蒸気機関車は走り出した…

(つづく)