(つづき)
東の空が薄らと明るんできた。
クロが「夜明けが近い!」と言うと、続けてトラが「急ごう!」と言った。
棚田をつなぐ畦道を走り抜け、前方に見えていた 古い家の庭先まで一気に駆け上がった。
古い家の人は まだ寝ているようで 電気がついてなく静かであった。座敷わらしは 静かに礼を言うと、そっと家の方へと歩き出した。
途端 座敷わらしの体が半透明になったかと思うと、僕らに手を振りながら 家のなかへとすっと吸い込まれるように消えてしまった。
「無事に皆を送り届けたね…」
クロ、トラと僕は顔を合わせて微笑んだ。
抱き抱えた娘は いつの間にか寝入っていて 小さないびきをかいていた。
しばらく 明るんできた東の空を眺めていると、家の中から声が聞こえてきた…
(つづく)
東の空が薄らと明るんできた。
クロが「夜明けが近い!」と言うと、続けてトラが「急ごう!」と言った。
棚田をつなぐ畦道を走り抜け、前方に見えていた 古い家の庭先まで一気に駆け上がった。
古い家の人は まだ寝ているようで 電気がついてなく静かであった。座敷わらしは 静かに礼を言うと、そっと家の方へと歩き出した。
途端 座敷わらしの体が半透明になったかと思うと、僕らに手を振りながら 家のなかへとすっと吸い込まれるように消えてしまった。
「無事に皆を送り届けたね…」
クロ、トラと僕は顔を合わせて微笑んだ。
抱き抱えた娘は いつの間にか寝入っていて 小さないびきをかいていた。
しばらく 明るんできた東の空を眺めていると、家の中から声が聞こえてきた…
(つづく)