近年のガールズバー人気に押され、客足が遠のいていたキャバクラのキャバ嬢たちのボディーに異変が起きている。大阪・ミナミをはじめ、東京・新宿歌舞伎町のキャバ嬢たちが“美尻化”しているというのだ。その秘密は豊尻(ほうこう)手術と呼ばれる美容整形。料金は約70万円以上と高額だが、それでも十分元が取れるという。

 大阪・梅田に診療所を構える美容外科クリニックの院長が語る。

「豊尻手術をリクエストする若い女性が増えましたね。それもほとんどがキャバ嬢などお水の人たち。実際に施術をしたキャバ嬢の方は、指名数が飛躍的に伸びたとかで、『もっと大きくしたい』と2度、3度と来院していただきました。何を隠そう、私自身、客を装ってキャバクラでこっそり営業活動をしています」

 豊尻とは聞き慣れない言葉だが、海外では以前から人気がある美容医療。この手術によって適度に丸みを帯び、キュッと引き締まった魅力的なヒップをつくり出すことができるという。「ジェニファー・ロペスやビヨンセら人気セレブのお尻の写真を持ち込む女性が多い」と同院長。費用としては、最もポピュラーなシリコーン注入法で約70万円と決して安くはない。それでも元が取れるというから驚きだ。

 あるキャバクラの黒服男性は「確かに豊尻手術をする子は増えていますね。なにしろ場内指名の数がぜんぜん違いますから。ドレス越しでもはっきりと分かるし『あの子、いいケツしてんな。ちょっとコッチに呼んでよ』なんてね」と明かす。

 男性客はお尻フェチが意外に多いのだ。ただ、日本人女性は体形的に、豊かな尻をした人が少ない。だから希少価値があるというわけだ。

「ペタッとした“和尻”のなかに、プリッとした“洋尻”がいるとかなり目立つんです。それに豊胸を疑うお客さんも『まさか尻までは…』と思うでしょう? カウンター越しの接客しかできないガールズバーではお尻は拝めないので、ご新規さんの獲得にも一役買ってます」と同黒服。

 大阪の某キャバグループでは、豊尻娘だけを集めた「尻キャバ」のオープンも検討し始めたという。ミナミの夜が海外セレブ並みの美尻に埋め尽くされそうだ。

 さらにこのブームは日本一の歓楽街、東京・歌舞伎町にも飛び火しつつある。

 歌舞伎町キャバクラ関係者は「2008年に閉館したコマ劇場の跡地が、4月に都内一のシネマコンプレックスと客室1000室のホテルが入ったビルとしてオープンします。アベノミクスでキャバクラに金融、不動産業者などの日本人客も戻りつつあるし、新ビルで外国人観光客も急増するでしょう。歌舞伎町のキャバに活気が戻りつつあるなかで、外国人客を見込んで、豊尻手術で一獲千金を狙おうとしている子もいます」と指摘する。

 大手下着メーカー・ワコールの調べによると、18~34歳の女性の3割が「ヒップにボリュームを持たせたい」との願望があるという。

「お尻の整形まではちょっと」と考える日本女性の間で流行しているアイテムが「尻ブラ」だ。パッドを入れて巨乳に見せるブラジャーは有名だが、その尻バージョンが3年ほど前から複数のメーカーで販売されている。

 お尻部分にパッドを入れ、見た目は普通のショーツだが、お尻の肉もブラジャーと同じように「寄せて、上げる」。垂れたお尻の肉を持ち上げ、ボリュームあるヒップラインをつくり出す。太めの補正バンドだけでできている商品もあり、それはバンドをお尻の一番下のラインに沿って固定し、肉を上に保つ。

 ワコールもヒップパッド入りショーツを販売している。骨盤矯正もでき、お尻のトップ位置が上がり、下半身をスッキリ見せることで脚のラインも長く、美しく見えるという。今年は美尻ブームになりそうな気配だ。