自民党総裁選(27日投開票)を巡り、日本経済新聞社は国会議員の支持動向を調査した。
13〜15日の世論調査から試算した党員・党友票と合わせると、小泉進次郎元環境相、石破茂元幹事長、高市早苗経済安全保障相が競り合っている。
このうち上位2人が決選投票で争う可能性が高い。
総裁選は国会議員票368票に、同数の党員票を合計した計736票で争う。1回目の投票で過半数を得た候補がいなければ決選投票となる。
議員票368票に加え、各都道府県で党員票が多い候補に1票ずつ47票が割り振られる。
党所属の国会議員の支持動向調査は19日時点で全体の7割超にあたる270人ほどから聞き取りなどで意向を確認した。
小泉氏、小林鷹之前経済安全保障相、林芳正官房長官が40票ほどと多い。
茂木敏充幹事長、石破氏、高市氏が30票程度で追う展開だ。河野太郎デジタル相、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官が立候補に必要だった推薦人20人からの上乗せをめざす。
未回答など態度を鮮明にしていない議員が90人ほどいる。決選投票をにらみ、他陣営からの引き抜きを模索する動きもみられ、行方はなお流動的といえる。
議員票に党員票の傾向を上乗せすると今回の総裁選の現状がみえてくる。
日本経済新聞社は13〜15日に世論調査を実施した。「次の総裁にふさわしい人」は自民党支持層に限ると石破氏が25%で首位だった。高市氏が22%、小泉氏が21%で続く。この3氏だけで7割近くの支持を得ていることになる。
この結果を基に党員票を試算し、支持が判明している議員票とあわせると小泉、石破両氏が120票近くを得る見通しになる。僅差で高市氏が迫る展開だ。
林、小林両氏は60票前後で続く。さらに河野、茂木、上川、加藤各氏が追う。林氏以下は上位3氏と差がついている。
選挙期間が残り1週間を切り、各陣営は党員票と議員票の双方で獲得に向けた動きを加速している。投票用の往復はがきが発送済みで、週内が党員票獲得のヤマ場ととらえている。
石破氏は19日の選対会合で党員への呼びかけを強化する方針を確認した。自動音声での一斉電話が禁じられているため、いくつかの県に絞って効率よく支援を求める方針だ。
選挙対策本部長を務める岩屋毅元防衛相は会合で、議員票と党員票の合計で1位を取る目標を掲げた。
小泉氏は電話で所属議員に支持を訴えかける。17日には立候補を目指していた斎藤健経済産業相が陣営に加わった。小泉氏は17日の日経新聞のインタビューで「議員票が広がり、足元が強化されている」と話す。
高市氏は9日の出馬記者会見後に党員からの支持に厚みが増した。「次の総裁」を聞いた8月21〜22日の世論調査で高市氏は15%だった。
一方で総裁選告示前に政策リーフレットを全国の党員らに郵送したことについて、他陣営から問題視する声があがっている。
9人の候補は19日、東京・JR秋葉原駅前で街頭演説に臨んだ。それぞれが経済政策や政治改革などを訴えて支持を呼びかけた。
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日経記事2024.09.20より引用