トーマス・グラバー 第一章 トーマス十二歳、生まれ故郷を後へ ギムナジウムへ入学
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からの続き
海の向こうに何がある
父親が沿岸警備隊の司令官ということもあり、部下達から小船やヨットの操縦術も学んだ。 特にヨットはとても快適。
ややもすれば落ち込みそうな彼の心を支えてくれた。
「海の向こうに何があるのか・・・」トーマスがエリザベートを忘れるためにも、故郷スコットランドを離れ、海外で存分に飛翔してみたい。船は彼の野心をいやが上にも高めてくれた。
もっとも海外で飛翔してみたいとの冒険心をそそられたのは、何もトーマス・グラバーだけに限らない。スコットランドの男性の多くが冒険心に満ち溢れていた。
ここでちょっと説明が必要であろう。 ト-マスやその兄、弟妹たちは全てスコットランドの生まれだが、父親は違う。ベリー・グラバーはれっきとしたイギリスのロンドンの生まれである。
仕事でたまたまスコットランドでの生活が長く続いたと言うだけで、アングロサクソンの血を引いているとみて先ず間違いない。 但し妻メアリーはスコットランド人である。
だから六人の子供たちも二つの血をひいていることになる。 しかし子供たち全てがスコットランドで生まれたという事は、当然その地の影響を大きく受けることは避けられない。
そこで、ここではスコットランドという地域がどういう特徴を持つ土地なのかについて触れておきたい。
スコットランドの長い歴史の詳細には省くが、日本人にとって、スコットランドと言えば真っ先に思い浮かぶのは「スコットランド民謡」であろう。
読者の方も小学校時代に数度は歌ったであろう「アニーローリー」「蛍の光」「マイボニー」「故郷の空」などは全てスコットランド民謡である。
・アニーローリー
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・Danny Boy ~ ダニーボーイ (ロンドンデリーの歌) / 歌唱研究 - by Research on singing
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・Auld lang syne - 蛍の光 (英語歌詞付き)スコットランド民謡(レムリアの歌)by Shaylee Mary
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・唱歌「故郷の空」
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しかし、これらの優しい情感の歌とは裏腹に、スコットランド人は打たれ強く、とても逞しい。
それは一つには長年にわたり外敵から侵入され、征服された歴史があるからであろう。 中世に至りスコットランド王国を形成するまでには、ローマ人、ついでアングロサクソンやノルマン人などのいわゆるゲルマン民族に幾度も追われている。
それでも苦戦の歴史の間にかろうじて、ブリテン諸島の西、北にとどまり、スコットランド王国をっ築くことができた。 その民族の先祖を一般的には「ケルト人」と呼んでいる。
ケルト民族は最終的には外敵を追い払い、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、イングランドの性南端を確保。ケルト民族の意地を示した。
しかし、中世時代のスコットランドは、絶えずイングランド、フランス等の侵略を受け続けて危うい王国時代が長く続いたのである。
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01.明治維新の大功労者 トーマス・グラバーのシリーズを始めます
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02.明治維新の大功労者 トーマス・グラバー フリーメーソンつぃいての活躍
本の 表紙と帯
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03.トーマス・グラバーと明治維新 FACTベースの基礎知識
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07.トーマス・グラバー 第一章 トーマス十二歳、生まれ故郷を後へ 海の向こうに何がある
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この本には、歴史的に貴重な写真、図、文献なども数多く掲載されている秀逸な作品ですが、それらをPDF化して皆さんに紹介することもできますが、著者と発行所の『長崎文献社』に敬意を払って、全てを紹介するのは、控えたいと考えております。
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