
ゼレンスキー氏の支持率は上昇に転じた(6日、ブリュッセル)=AP
【ウィーン=田中孝幸】
ウクライナのゼレンスキー大統領の国内での求心力が高まっている。
低下傾向にあった支持率も、2月末のトランプ米大統領との公開での口論を経て上昇した。ゼレンスキー氏の退陣シナリオを模索していた米側も、同氏の続投を容認する姿勢をみせている。
ロシアとの停戦後に想定される次期大統領選でも、再選の見込みが出てきている。ロシアへの抵抗を象徴するゼレンスキー氏を退陣に追い込むロシアのシナリオは狂いつつある。
キーウ国際社会学研究所が2月14日〜3月4日に実施した世論調査によると、ゼレンスキー氏への支持を示す「信頼している」との回答は67%と2月上旬の前回から10ポイント上昇した。「信頼していない」との回答は37%から29%へと下がった。
この期間は戒厳令中で選挙ができないことから任期切れ後も職にとどまるゼレンスキー氏についてトランプ氏が「選挙を経ていない独裁者」と繰り返し非難し、ホワイトハウスで激しく口論した時期と重なる。
同氏の支持率は侵略直後だった22年5月には90%に達したが、その後は低下傾向が続き、最近は50%台で推移していた。国内の汚職対策の遅れや、侵略を続けるロシアとの戦況膠着が人気低迷の要因として指摘されてきた。

今回の支持率の急上昇は、トランプ政権がかけたゼレンスキー氏への圧力への反発がもたらしたのは明白だ。
同研究所のアントン・グルシェツキー所長は「ウクライナ人は米新政権の主張を国民全体への攻撃と認識している」と分析する。
最近の次期大統領選に向けた多くの支持率調査では、ゼレンスキー氏がザルジニー前軍総司令官に次いで2位との結果が出ていたが、状況は変わりつつある。
調査機関ヨーロッパエレクツの2月末の世論調査によると、次期大統領選を想定したゼレンスキー氏の支持率は44%と、21%だった2位のザルジニー氏に大きな差を付けた。
2月28日の口論の直後、トランプ氏や周辺は幾度もゼレンスキー氏の退陣の必要性に言及した。自らが目指す早期和平の障害になりうる同氏を排除するシナリオを検討した節がある。
米ニュースサイト、ポリティコは6日、トランプ氏の側近がゼレンスキー氏の政敵であるティモシェンコ元首相やポロシェンコ前大統領らの関係者と秘密裏に会談し、早期の大統領選の実施が可能か議論したと伝えた。
ただ野党勢力も戦時下の選挙はロシアを利するとして、反対する姿勢を崩していない。トランプ政権はゼレンスキー氏の求心力の向上も踏まえ、早期に退陣に追い込むのは諦めたようだ。
トランプ氏の最側近として知られるウィットコフ中東担当特使は6日、和平交渉への意欲を示すためにゼレンスキー氏がトランプ氏に送った手紙について「(同氏は)前向きな一歩だと感じたと思う。謝罪と感謝の気持ちがあり、これが最も重要ではないか」と語った。
ゼレンスキー氏はひとまず退陣圧力をかわした形だが、国内では対米関係の悪化への不安もくすぶっており、高支持率を維持できるかは不透明だ。
グルシェツキー所長は「今後の動向は(米国との)冷静でより建設的な対話が行われるのかにかかっている」と語った。
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別の視点
ウクライナは国を守る戦いを続けており、国民レベルでの反発が起きるのは当然です。
アメリカ国内も完全に分裂しており、SNSは、「同じアメリカ人として恥ずかしい」といったウクライナへの無数の謝罪の言葉であふれています。
日本人として印象深かったのは、矜持を保った「侍」としてのゼレンスキー大統領の姿です。
「商談」という観点からは、ゼレンスキー大統領は、へつらうべきだったのでしょうが、それでも商談がうまく行かなかった可能性はあります。
カナダとメキシコが関税に対して断固たる姿勢を示し始めましたが、不確定要素の強すぎるトランプ政権に対して、日本も含めた世界各国が真剣に対応策を検討しなくてはいけなくなりました。
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五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
別の視点
大変失礼とは知りながら、国際連盟を脱退したときの松岡洋右みたいだなと思いました。
欧州諸国がとりなしたので、なんとか協議が続いていますが、先般の口論は大勢の国民を死に追いやりかねない大失敗でしたし、政治家として決してやるべきではなかったと私は思います。
2025年3月8日 7:42
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2022年2月、ロシアがウクライナに侵略しました。戦況や世界各国の動きなど、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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ゼレンスキー支持率upは、当然の結果でしょう。アホには分からないようですが。
のう、頭の弱いダイレクト出版の藤井、文化人放送局、Will、CGSのエセ・ペテン保守の爺さん達。 そして輪をかけて脳みその足らないハラノタイムズ、カナダ人ニュース!
能力三流、言い訳一流のミジンコたち。だから君たちは、実社会で全く評価されない。 老後破産するタイプ。
軽度の知能障害なのだろう。
Renaissancejapan の予想は、コイツらと違って、よく当たるぞ!
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