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KADOKAWA、海外MBAで1000万円 リスキリング支援

2024-05-28 20:03:52 | 日本の企業・世界の企業、ビジネスマン、技術者


KADOKAWAは海外でアニメやゲームの販売を伸ばす(台湾漫画博覧会)

 

KADOKAWAは社員のリスキリング(学び直し)の支援を拡大する。

資格取得の報奨金の上限を従来の100万円から1000万円以上に増額し、海外での経営学修士(MBA)の取得者に1000万円以上を支給する。日本のアニメやゲームは海外でも人気が高い。同社はグローバル人材を育成して、海外展開に弾みをつける。

 

5月に報奨金の上限を引き上げ、新たに海外MBAを対象に加えた。賞与と同時に支給する。1000万円以上の場合、2年に分けて支給する。弁護士や公認会計士などは1000万円、国内でのMBA取得は500万円とした。

同社は2022年に資格取得支援制度を導入した。情報処理の国家資格のITパスポート、語学など349件で合計2357万円を支給した。今回は正社員や契約社員、嘱託社員など約3000人が対象だ。

 

 

報奨金を大幅に引き上げ、より難易度の高い資格取得を目指して社員が自発的に学ぶ意欲を引き出す狙いだ。

社員からは「国内でのMBA取得を考えていたが、海外への切り替えを検討している」といった声が出ている。

 

グロービス経営大学院によると、海外MBAの授業料は700万〜2000万円程度かかる。円安や物価上昇で生活費を含めると、3000万円を超えることもあるという。

大手企業では社費留学の制度もある。三井物産では米国や欧州の指定校でのMBA取得を支援する制度を毎年3人程度が利用している。学費や渡航費、生活費などは会社が支給する。資生堂も欧米でMBAの授業料と入学金を会社が負担し、生活費は一部を除いて自己負担としている。同社はMBA取得後2年以内に退職すると、会社が負担した費用の返還を求める。

 

KADOKAWAは学費や生活費は社員が負担するが、MBAを取得すれば報奨金を支給し、退職しても返済する必要がない。

自立的なキャリア形成を促すため社費留学ではなく報奨金とした。社員が自ら考えた方が習得も早く、その後のキャリアの広がりに幅がでるとの考えがある。

 

同社は国内の人口減少を受けて海外での事業展開を強化している。アニメ化を手掛けた「【推しの子】」やゲーム「エルデンリング」などヒットも生まれている。これまで米国と中国が中心だったが、23年から欧州や韓国、東南アジアで拠点を新設している。

動画配信サイトでアニメ需要が盛り上がる一方、まだ市場開拓の余地は大きい。28年3月期の海外売上高を24年3月期比7割増の700億円に増やす計画だ。

 

人的資本への投資の重要性が高まる一方で、日本人のMBA留学は円安の影響もありハードルが高くなっている。

人材紹介会社のアクシアム(東京・港)によると、米国の主要10校への留学生は25年卒が78人と、直近のピークの09年卒から25%減った。優秀な人材を海外に送り出しても辞めてしまったり、帰国後に活躍する場を会社が提供できなかったりすることもある。官庁中心にMBA取得の機会を減らすケースがある。

 

企業はリスキリングで社員の能力を高めると同時にスキルを磨いた社員を定着させる取り組みが欠かせない。

 

 

 

 

日経記事2024.05.28より引用

 


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