ソニーグループがKADOKAWAの買収を視野に協議していることが19日わかった。
ソニーGはM&A(合併・買収)を通じて、ゲームやアニメなどのIP(知的財産)を積み上げる成長戦略を進めている。KADOKAWAはアニメやゲームのヒット作を多数保有している。
交渉は初期段階とみられる。ソニーGは2024年3月末時点でKADOKAWAの株式を約2%保有しているほか、KADOKAWAのゲーム子会社であるフロム・ソフトウェアにも子会社を通じて約14%出資している。
フロム・ソフトウェアは世界的なヒット作となったアクションRPGゲーム「エルデンリング」を手掛ける。
ソニーGはM&Aで作品やコンテンツの権利を蓄積し、ヒット作の有無に影響されにくい収益構造を目指している。映画やテレビで楽曲が使われたり、他のアーティストが楽曲を演奏したりした際に使用料を徴収できる。
KADOKAWAの19日の時価総額は約5300億円。ソニーGは25〜27年3月期の3年間にM&Aと自社株買いなどを合わせて1兆8000億円の成長投資枠を設定している。
ソニーGは傘下にアニメ会社「アニプレックス」を抱えるほか、21年には米AT&T子会社のアニメ配信「クランチロール」の運営会社を11.75億ドル(当時のレートで約1300億円)で買収した。
クランチロールは世界で1500万人以上の有料会員を持ち、配信作品の拡充を進めている。
19日の取引時間中に一部報道で買収協議入りが伝わり、KADOKAWA株は制限値幅の上限(ストップ高水準)で買い気配となり、前日比23%高の3745円で取引を終えた。ソニーG株は同1%高の2936円を付けた。